内容
裏付けのある確かな知識と技術を身につけ、"独学の壁"を越える!
ギターはとても親しみやすく、最も始めやすい楽器のひとつと言えるでしょう。独学で始めてもタブ譜やコード表を見て、伴奏やコピーを楽しむことができ、気楽に取り組める教材も充実しています。しかし、独学では音楽の基礎的な知識を体系的に学びづらいため、長年親しんでいても、ある程度のレベルから上達するのが非常に難しい楽器であるとも言えます。この本は、バークリー音楽大学に入学したギター科の生徒が最初の半年で学ぶ基礎的な内容を、独学で習得するためにわかりやすく作り直したものです。単に譜面上の音を弾くだけではなく音楽をより深く知るための"読譜"と、ハーモニー感覚の土台作りをするための"トライアド"に焦点をあて、基本的な練習を進めていくことができます。この本の練習を進めることにより、ギターの指板を運指の形だけで覚えて弾く段階を超えて、弾きたい音やコードをイメージした通りに弾いていくための力が育っていくのです。独習するには難しいテーマとも思えますが、著者が約20年に渡って学内外の生徒を多く指導してきた経験を活かして、指導者が近くにいるような丁寧な解説を行なっているため、確実な上達を目指したい初級者の方から、基礎をやり直したいベテランの方まで幅広くお薦めできる内容となっています。ぜひ本書とともに、ギターの楽しさ、奥の深さを再発見して下さい。
【CONTENTS】
■第1章 読譜
◎1-1 譜面を読むことのメリット
譜面が読めるようになるには?/譜面を読むことのメリット/習得までの期間
◎1-2 指板上の音名を把握
音名を覚えるときの注意点/ドレミファソラシドの仕組み/半音と全音を使ったメジャー・スケールの把握/五線譜上での表記/音域をあえて限定して覚える/ド~ソに限定したポジション/4つのポジションで弾くメジャー・スケール/人差指だけで弾くメジャー・スケール/いろいろな角度から考えてみよう/地道な努力は必ず実を結ぶ
◎1-3 リズム譜の読み方
リズム譜の重要性/リズムを感じなければリズム譜は読めない/身体を前後させて規則正しくカウントを続ける練習/リズミックにヒザを叩く練習/付点とタイ/タイの付いた音を弾く練習/譜面上のリズムを正確に読み取る練習/シャッフルのグルーヴ/16分音符の読み方/より表現を重視した譜面の読み方/歪みエフェクターを使ったリズム・トレーニング
◎1-4 イヤー・トレーニング
音のイメージ力を高める/音程とは? 度数とは?/メジャー・スケールが理論の基本/ドの音を基準に、いろいろな音に飛ぶ練習
◎1-5 読譜の実践練習
♯や♭の音を把握/まずは量より質の練習を/写譜にチャレンジしてみよう
■Interlude
◎良い音を作るピッキング
フローティングのフォーム/フローティングの利点/ピッキングを矯正する練習/癖にすれば"自然に"できる!
■第2章 トライアド
◎2-1 メジャー&マイナー・トライアド
トライアドとは何か?/Cメジャー・トライアドを習得/C以外のメジャー・トライアド/Cマイナー・トライアド/Cm以外のマイナー・トライアド/メジャーとマイナーのまとめ/実践で使いこなすためのアイディア
◎2-2 トライアドの発展
オーギュメントとディミニッシュ/トライアドの広大な可能性/テンションに応用するには?/"勉強した"と思われないようなプレイを心がけよう
■Coda
◎個性を育むために
自分が人と違うのはどんな部分か?/土台を作ることが個性を伸ばす/結果を焦ると損をする/情報は精査して受け入れよう/編集の目的をよく考えてみよう/自分のペースを確実に守ろう/"プロにならなければ負け"という強迫観念を捨てよう/"誰かの影響"をストレートに表現しないことも有効
編集担当より一言
独学の弱点のひとつに、練習の意義が掴みづらいことが挙げられます。目的がはっきりしない練習に時間を使いすぎては、スムーズに上達していくことはできません。本書では明確な目的を持った練習だけを取り上げていますが、何しろ基礎の基礎に的を絞った本なので、こんな人には不要です。
▽どのポジションで弾いていても音名がしっかり把握できる
▽五線譜に対して特に苦手意識がない
▽16分音符の込み入った譜面も普通に読める
▽どんなコードでも自分でヴォイシングを考えて弾ける
▽コード・トーンを使ってコード進行を感じさせるアドリブが弾ける
▽同じ進行が続いてもヴォイシングを工夫して伴奏に変化をつけられる
もし、以上の項目にひとつでも不安があるならば、この本がヒントになることは間違いありません。本書の練習によって指板がよりクリアに見渡せるようになり、ギターの演奏がもっと楽しくなることでしょう!(出版2部:橋本)