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内容
ダフト・パンク~8年ぶりの新作は70'sディスコ・サウンド! 脱エレクトロを標榜したレコーディングに迫る
■巻頭インタビュー
ダフト・パンク
8年ぶりの新作は70'sディスコ・サウンド!
“脱エレクトロ”を標榜したレコーディングに迫る
トーマ・バンガルテルとギ=マニュエルから成るダフト・パンクが、8年ぶりとなる4thアルバム『ランダム・アクセス・メモリーズ』をリリースした。エレクトロ・ハウス~EDMといった現代のダンス・ミュージック・シーンの先駆者と言うべき彼らだけに、今回もさぞ過激なシンセが満載と思いきや、そこで聴けるのは70'sディスコ・サウンド! ナイル・ロジャースやジョルジオ・モロダーといった当時の実力者たちをゲストに迎え、人力ビートを中心としたソウルフルな楽曲のオンパレードだ。しかしながら、結果的に彼らのカラフルなポップ・センスが浮き彫りになり、一枚のハイクオリティな歌モノ・ダンス・アルバムとして評価すべき作品となっている。その真相に迫るべく本人インタビューに加え、収録曲「ジョルジオ・バイ・モロダー」に“語り”で参加したモロダーのコメント、そして制作を支えたエンジニアたちによるレコーディング秘話をお送りしよう。さらに企画の最後にはオマケとして、彼らの出世作である1st『ホームワーク』時の本誌お宝インタビューも再録。サンレコならではの視点で、多角的にダフト・パンクを追い掛けてみる。
■付録CD連動特集
“クラフトワーク完コピ!”で検証する
アナログ・モノシンセの底知れない魅力
クラフトワークの来日公演「3-D CONCERTS 1 2 3 4 5 6 7 8」は大盛況のうちに幕を閉じた。あらためて彼らの楽曲、サウンドのクオ リティの高さを実感した人も多いだろう。彼らのサウンドを特徴付けているのは“アナログ・シンセ”であることは間違いない。アナログ・シ ンセは長きにわたり“一部のマニア”のツールとして扱われていたように思うが、ここ数年、各社から純アナログのシンセが次々登場し、太い サウンド、自由度の高い音作り、魅力的なデザインが再評価されている。そこで編集部は、アナログ・シンセの魅力を再検証するため“クラフ トワークの楽曲をアナログ・モノシンセ1台で完コピする!”という企画を立案。クラフトワークが当時、ほぼアナログ・シンセのみで楽曲制作 をしていたことを踏まえ、現行のアナログ・シンセでどこまで本物に迫れるかを、5名のクリエイター(齋藤久師&松武秀樹、松前公高、H2、 林田涼太)に挑んでもらった。取り上げるアナログ・モノシンセはDAVE SMITH INSTRUMENTS Mopho Keyboard、KORG MS- 20 Mini、MOOG Sub Phatty、ARTURIA Minibruteの4台。それらの実力およびクリエイターのテクニックをとくとご覧いただこう。 なお、完コピした楽曲とそれぞれのマルチトラック・データを付録CD Extraに収録しているので、チェックしながら読み進めてほしい
■特別企画
“あっという間に飽和!”はもう卒業
DAWミックスの正しいレベル管理
“レベル”とは、そのものズバリ音の大きさです。皆さんは、DAW内でミックスをしているとき、音が飽和してひずんでしまったという経験がありませんか? 実はレベルをうまく管理すれば、そんな状況に陥らず仕上がりも良くなってくるのです。それでは、DAWミックスにおける正しいレベル管理の方法について、“音の魔術師”ことKim Studio主宰のエンジニア/サウンド・プロデューサー、伊藤圭一氏に解説していただくことにしましょう。
■Cross Talk 星野誠 × SUI
低域モニタリングが激変する
ダブル・ウーファーの“変則3ウェイ”
自宅での制作やミックスが多くなった昨今、作業空間の大きさに合わせて小さめのスピーカーが好まれるようになってきた。しかし、小さいスピーカーの小さな音量では特に低域の判断が難しくなることが多い。そうした問題の一つの解はサブウーファーを備えた2.1chシステムであるが、それとは異なるアプローチを採ったモニター・スピーカーが今回の主役。同じウーファー・ユニットを2基搭載しながらも、片方をツィーターより下の中低域用に、そしてもう片方を数百Hz以下の低域専用に使用するという方式である。変則3ウェイとも言えるこの独特な構成のスピーカーが複数のブランドから発売されているのはなぜか? そして現代のモニタリング環境とスピーカーの進化はどのような関係にあるのか?
≪Gears of This Month≫
◎ADAM A77X
◎EVE AUDIO SC307
◎FOCAL PROFESSIONAL Twin6 BE
■コンサート見聞録
シガー・ロス@日本武道館
ヨンシー・バーギッソン(vo、g、k)とゲオルグ・ホルム(b)、オーリー・スヴィーンソン(ds、k)の3人から成り、幻想的なサウンドで世界中の音楽ファンを魅了してきたアイスランド出身のロック・バンド=シガー・ロス。去る6月12日に7thアルバム『クウェイカー』を発表した彼らだが、それに先駆けて日本国内4都市を回るツアーが敢行された。本稿では、日本武道館での公演を音響システムの面からレポートしていく。
■ミックス解剖学
ヤー・ヤー・ヤーズ『モスキート』
by クレイグ・シルヴィー
海外のトップ・エンジニアに、自身の手掛けたヒット曲のミックス手法を直接解説してもらう本連載。今回登場していただくのはクレイグ・シルヴィー。トップ・ミキシング・エンジニアとして名をはせているシルヴィーは、ほかのエンジニアたちが彼を取り残して21世紀のスタイルに走ってしまっている一方、現在でも成功し続けるエンジニアの1人だ。彼は、R.E.M.、サンタナ、ナイン・インチ・ネイルズ、パール・ジャム、アーケード・ファイアといった面々に加え、クロノス・カルテット、ジョン・アダムスなど多くのアーティストを手掛けてきており、その作業方法が疑う余地なく現代でも通用すると証明している。そして彼の特徴として、数曲のみのミキシングではなくアルバムのほとんどを手掛けていることが挙げられる。その好例としてヤー・ヤー・ヤーズの最新アルバム『モスキート』では、ボーナス・トラック以外の11曲すべてをミックスしているのだ。今回はアルバムの中からオープニングを飾るファースト・シングル曲「サクリレッジ」の手法に迫っていこう。
■Classic Tracks
プリンス
「KISS」
1986年2月に発表され、プリンス通算3枚目のナンバーワン・シングルとなった名曲「KISS」のアレンジ/エンジニアリングまで手掛けたデヴィッド・Z。Zは、プリンスの代表曲である1983年の「パープル・レイン」のライブ・レコーディングをはじめ、ミネアポリスを拠点に活躍するこの小柄なマルチアーティストの作品に並々ならぬ貢献を果してきたプロデューサー/エンジニアである。ただし、Zのキャリアはそれだけにとどまらない。多くのアーティストのヒット作に深く関与しており、例えば全米/全英で大ヒットしたリップス・インクのディスコ・ナンバー「ファンキータウン」ではエンジニアリングとギター・プレイを、また、1988年に全米チャート・ナンバーワンに輝いたファイン・ヤング・カニバルズの「シー・ドライブス・ミー・クレイジー」ではプロデュースとエンジニアリングをそれぞれ受け持っている。その名がクレジットされた作品をすべて列挙するだけでも枚挙に暇がないほどの大ベテランなのだ。今回は「KISS」についてのアレンジ/エンジニアリングを、Zの言葉からひもといていこう。
■Beat Makers Laboratory:レッドヘッド
■people
◎ヴァンパイア・ウィークエンド
◎プライマル・スクリーム
◎インク
◎クラムボン
◎高田漣
◎Q'HEY
■report
◎セオ・パリッシュのプロダクション・ワークショップ
◎メーカー訪問:ABLETON
◎クラフトワーク“3-D CONCERTS 1 2 3 4 5 6 7 8”
◎My Favorite UAD-2 Plug-Ins~井上勝己
◎ROLAND Studio Capture
◎ライブ・スペース・レポート:新宿Pit Inn
■new products
◎EOWAVE Magma
◎ARTURIA Minilab
◎BEST SERVICE Cinematique Instruments 2
◎IZOTOPE Nectar Elements
◎AVID Fast Track Duo
◎CAD MH510
◎YAMAHA HS7
◎MONKEY BANANA Turbo 6
◎TASCAM DP-008EX
◎SOUNDCRAFT SI Expression 2
■LIBRARY
◎SAMPLEPHONICS SAMPLEPHONICS 808
◎LOOPMASTERS DUBSTEP MONSTER BASS V.2
■DAW AVENUE
◎STEINBERG Cubase 7
◎ABLETON Live 9
◎AVID Pro Tools 11
◎CAKEWALK Sonar X2
■seminars
◎Max 6で作る自分専用パッチ NOEL-KIT
◎Science Of The Beat SUI
◎カンガルー・ポーの『ミックス1年生』 中村公輔
◎Q&A
■column
◎Independent Cities
◎THE CHOICE IS YOURS 原雅明
◎そこのにいさん どこ向いてんのよ 戸田誠司
◎素晴らしきビンテージの世界 三好敏彦
◎祐天寺浩美のお部屋一刀両断
◎私の手放せない一品~~スネオヘアーのCASIO GZ-5
■sound&recording review
◎ENGINEERS' RECOMMEND
◎RE-ISSUE
◎BOOKS