MAGAZINES
内容
ジェイムス・ブレイク~生演奏とエレクトロニクスのめくるめく融合 今最もエッジィなライブを徹底取材!
■巻頭インタビュー
ジェイムス・ブレイク
生演奏とエレクトロニクスのめくるめく融合
今最もエッジィなライブを徹底取材!
セルフ・タイトルを冠した1stアルバムで世界中のクリエイターの耳を奪う独創的なサウンドスケープを聴かせたジェイムス・ブレイク。今春リリースした2nd『オーヴァーグロウン』は、エフェクトを排した生々しいボーカルとアブストラクトな電子音、MOOG Taurus 3の導入で厚みを増したローエンドが同居。幽玄な音世界は一層の深みを見せている。2012年のFUJI ROCKなどライブ・アクトとしても数々の伝説を残すジェイムスが、そんなニュー・アルバムを携えてジャパン・ツアーを敢行。ロブ・マッカンドリュー(g、sampler)、ベン・アシター(ds、perc)とのトリオ編成でオーディエンスを魅了した。今回本誌は、シーケンスを一切使わないライブ・パフォーマンスの哲学について本人に聞くとともに、進化したライブ・セッティングを徹底解剖。PAエンジニアを務めたヘッドの談話を交えつつ、生演奏のダイナミズムとエレクトロニクスが交錯する、世界最先端のハイブリッドなスリー・ピース・バンドの全容に迫る。
■特集
自宅ミックスに潜む10の落とし穴
作曲、演奏、録音、アレンジ、そしてミックス~マスタリングまで、1人でこなすクリエイターが増えている昨今。そのメリットは一貫したアプローチが行えることだが、一方で独りよがりなサウンドになってしまう危険性もはらんでいる。特にミックスは楽曲の生命線とも言える重要な工程だけに、そのクオリティ・アップはすべてのクリエイターにとって急務だ。そこで本企画は“自宅でポップスをミックスする”というオーソドックスな状況を想定し、1人の作業では気付きづらいミックスの盲点をピックアップ。あらためて自分のサウンドを見返すことで、ミックス・テクニック向上へとつながれば幸いである。レクチャーは気鋭プロ・エンジニアの林憲一氏。“分かっているつもり”の中級者にこそ、ぜひ読んでいただきたい企画だ。
■特別企画
進化を続けるUAD-2ファミリー
専用DSPによるパワフルなプロセッシングと、ビンテージ・アウトボードの名機を高精度でエミュレートしたUNIVERSAL AUDIOのプラグイン・システムUAD-2。PCIeカードとFireWire 接続タイプをそろえ、音にこだわるミュージシャン/エンジニアから厚い支持を受けているのは、弊誌連載「私のお気に入りUADプラグイン」でもご存じの通りだろう。さらに、2012年にはUADプラグインを“かけ録り”に使えるオーディオ・インターフェース=Apolloが登場したことにより、その可能性はさらに大きく広がっている。今回は、画期的な新プラグイン=Ocean Way Studiosを擁するバージョン7ソフトウェアと、従来と変わらないスリムなボディで16イン/16アウトを実現したApollo 16の登場を機に、進化を続けるUAD-2ファミリーをあらためて総括。ここから自分の制作環境に最もフィットする1台を選び出してほしい。
◎UAD-2ファミリーの現行ラインナップ
◎バージョン7ソフトウェアの注目プラグインOcean Way Studios
◎UAD-2プラグイン全ラインナップ
◎Apolloという選択肢~鈴木Daichi秀行×Apollo、山田ノブマサ×Apollo 16
■Cross Talk 草間敬 × 美島豊明
NATIVE INSTRUMENTSとWAVESが
シンプルなソフト・シンセをリリースした理由
ありとあらゆるハードウェアが移植され、もう出尽くしたとまで言われるソフト・シンセ。しかしここに来て、ソフト・シンセ業界No.1のリリース数を誇るNATIVE INSTRUMENTSがMonarkを、そしてエフェクト界の巨人WAVESが初めてのソフト・シンセElementをリリースした。両者に共通するのは、シンセの音作りを習得した者なら誰でも見た目でパッと理解できる簡素なインターフェース。なぜ巨大ソフト・ハウス2社が、新たにシンプルなインターフェースを持つソフト・シンセをリリースしたのだろうか? シンセサイザー・プログラマーの草間敬、美島豊明の両氏とともに、その疑問を解き明かしてみたい。
≪Gears of This Month≫
◎NATIVE INSTRUMENTS Monark
◎WAVES Element
■Special Report
サカナクションのサラウンド・ライブ・システムに迫る!
山口一郎(vo、g)、岩寺基晴(g)、草刈愛美(b)、岡崎英美(k)、江島啓一(ds)の5人から成り、ロックとエレクトロニクスを融合したサウンドでメジャー・シーンにおいて独自の立ち位置を築いているバンド=サカナクション。彼らが去る3月に発表した6thアルバム『sakanaction』は選び抜かれたサウンドにより構成された作品で、従来作に比べてビートのソリッドさや各楽器のレイヤー感が際立つ仕上がりとなっている。そして、本作を引っ提げてのライブ・ツアー“SAKANAQUARIUM2013 sakanaction”が4月から6月まで敢行された。このツアーは国内18公演+台湾2公演のものだったが、幕張メッセ国際展示場9~11ホールを使った5月18日と19日の2デイズ、そして大阪城ホールで開催された5月22日の公演のみ6.1chのサラウンド・システムを導入したスペシャルな内容となった。編集部は5月18日の公演を取材。サカナクションのメンバーやシステムの設計/オペレートを手掛けたPAエンジニアの言葉から、このサラウンド・ライブがどのような取り組みを経て実現されたのか、その全貌を見ていくことにしよう。
■特別対談
DJ Krush × Daddy Kev
ロサンゼルスをベースに活動するDJ/プロデューサーのダディ・ケヴが“プロデューサーにライブ・パフォーマンスを行う場を与えるために”2006年に始めたイベントがLow End Theory。ケヴをはじめノーバディやD・スタイルズなどがレジデントを務め、ヒップホップを基調にベース・ミュージックやジャズの要素も取り入れた雑食性の高い音楽性でフライング・ロータスやガスランプ・キラーなどの才能を輩出。現在“LAビート”と呼ばれるクリエイティブなシーンの礎となった重要なイベントだ。ここ日本でも、原雅明氏の運営のもと年に数回のペースで開催されてきたが、さる5月25日に行われた「Low End Theory Japan 2013 Summer Edition」には、かねてからケヴがラブコールを送り続けてきた日本ヒップホップ界のレジェント=DJ Krushがついに登場。この機会に本誌は、共に長きにわたってビート・ミュージックを愛し、奏で続けてきた2人の対談取材を申し入れたところ、何とケヴが自らインタビュアーを買って出てくれた! イベント当日のリハーサル後に行われた貴重な対談の模様をお届けする。
■ミックス解剖学
ジェイミー・カラム『エヴリシング・ユー・ディドント・ドゥ』
by ダンカン・ミルズ
海外のトップ・エンジニアに、自身の手掛けたヒット曲のミックス手法を直接解説してもらう本連載。今回登場していただくのはダンカン・ミルズ。ミルズはニュートン・フォークナー、ヴァクシーンズ、リッシー、マルコム・マクラーレンなど多くのアーティストたちとの作業で知られており、ジェイミー・カラムの6枚目のスタジオ・アルバム『モーメンタム』では、1stシングルである「エヴリシング・ユー・ディドント・ドゥ」を含む、「セイヴ・ユア・ソウル」「ユア・ノット・ジ・オンリー・ワン」「ピュア・イマジネーション」の4曲のミックスを行っている。ミルズは今回のアルバムにてハードでパーカッシブなエッジとポップなキャッチーさを与えており、そのエンジニアリングは、ミルズがドラマーとしてのバックグラウンドがあることに由来しているという。今回はミルズの手法を「エヴリシング・ユー・ディドント・ドゥ」から迫っていこう。
■Classic Tracks
ELO
「ドント・ブリング・ミー・ダウン」
1970年代半ばから1980年代初頭にかけて全盛期を迎えたブリティッシュ・ロック・バンド、エレクトリック・ライト・オーケストラ(以下、ELO)。ビートルズをほうふつとさせるポップなメロディ、ストリングスによるシンフォニックなアレンジ、分厚いボーカルなどで独自の音楽を追求してきた。1972年に初ヒットを放ってから事実上の解散に追い込まれる1986年まで、全世界で5,000万枚を超えるセールスを達成したが、米ビルボード・ホット100のトップ40内に20曲ものシングルを送り込みながらも首位を逃しており、代わりに“No.1を逃したアーティストの中でトップ40に最多のシングルを送り込んだ”という変わった記録をいまだに保持し続けている。今回取り上げる「ドント・ブリング・ミー・ダウン」は、そのビルボード・ホット100で4位と首位に最も迫った曲であり、バンドの代表曲として広く親しまれている。しかし皮肉なことに、それまで成功をもたらしていた要因の一つと決別した曲でもあった。ここでは本曲を収録した『ディスカバリー』を含む6枚のアルバムのエンジニアリングを手掛けたラインホルド・マックの言葉から当時を振り返っていこう。
■Beat Makers Laboratory:トーラス・スコット
■people
◎ジーズ・ニュー・ピューリタンズ
◎ジョルジオ・モロダー
◎高橋幸宏
◎TOWA TEI
◎Language
◎朝日美穂
■report
◎メーカー訪問:NATIVE INSTRUMENTS
◎My Favorite UAD-2 Plug-Ins~奥田泰次
◎AVID First Track
◎EVE AUDIO SC207~DJ MITSU THE BEATS
◎HP Z820 Workstation
◎島村楽器 録れコン
◎ライブ・スペース・レポート:ヒソミネ
◎YAMAHA HSシリーズ
◎私の手放せない一品~~島田昌典のNEUMANN U67
■new products
◎MACKIE. DL806
◎YAMAHA MGP32X
◎WALDORF Rocket
◎SPITFIRE AUDIO Albion Vol.1
◎TRITON AUDIO D2O
◎PRESONUS BlueTube DP V2
◎JBL PROFESSIONAL PRX15M
◎WHARFEDALE PRO Kinetic 15A
◎RUPERT NEVE DESIGNS Portico 542
■LIBRARY
◎SAMPLE MAGIC White Label-FUTURE GARAGE
◎BIG FISH AUDIO GUITAR SESSIONS
■DAW AVENUE
◎STEINBERG Cubase 7
◎ABLETON Live 9
◎AVID Pro Tools 11
◎CAKEWALK Sonar X2
■seminars
◎Max 6で作る自分専用パッチ 首藤陽太郎(DUB-Russel)
◎Science Of The Beat SUI
■column
◎新連載・DE DE MOUSEのさっき何話してたっけ?
◎oscillator lover yukihiro
◎THE CHOICE IS YOURS 原雅明
◎そこのにいさん どこ向いてんのよ 戸田誠司
◎素晴らしきビンテージの世界 三好敏彦
◎祐天寺浩美のお部屋一刀両断
◎Independent Cities
■sound&recording review
◎ENGINEERS' RECOMMEND
◎RE-ISSUE
◎BOOKS