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2017.07.04

山木秀夫&ジョジョ・メイヤー 言葉を超え、心でグルーヴする達人の"饗宴"|リズム&ドラム・マガジン2017年8月号より

Interview&Text by Rhythm& Drums Magazine Interpretation&Translation by Akira Sakamoto Photo by Taichi Nishimaki Special Thanks Momoe Melon/Tadashi Miyamoto/Haretara Sorani MameMaite/Tsuyoshi Chiba

山木秀夫&ジョジョ・メイヤー 言葉を超え、心でグルーヴする達人の

 トップ・チャートを担う歌モノから、完全フリーのインプロヴィゼーションまで、多彩な演奏活動を繰り広げる名手、山木秀夫。打ち込みのビートを人力で再現する第一人者で、自身のバンド=NERVEを結成し、"ビート・カルチャー"を牽引するジョジョ・メイヤー。話す言葉はもちろん、プレイ・スタイルも歩んできたキャリアも異なるが、"ソナー・ドラマー"という共通点もあり、長年に渡り、交流を温めてきた2人の初共演が、去る2017年4月12日に"A Conversation in Beats"と題して行われた。 リズム&ドラム・マガジン2017年8月号では、山木&ジョジョによる"奇跡の饗宴"に完全密着。付録DVDには、ライヴの一部始終と、当日の裏側を追ったドキュメンタリー映像を収録! 超保存版だ!!

ドラムで"アート"する2人

一今回の共演が決まって、山木さんは"バトルにはしない。グルーヴ中心の踊れるイベントにしたい"とおっしゃっていましたよね。

山木 それはもう絶対に。音楽は戦うものでも、技を見せびらかすものでもなくて、読んで字の如く"音を楽しむ"だから、"バトル"というのがしっくりこない(笑)。確かに僕らはテクニックが多いと言われる方だけど、テクニックは自分の"歌"を歌うための手段......自分を表現するときに必要なものだと思う。眉間にシワを寄せながら、手や足だけをじーっと観るのはドラム・レッスンのときにお願いするとして。今日は手元、目先に捉われ過ぎず、音楽という大きなところに目を向けて、耳、体、肌、毛穴から音を感じて身を委ねてほしいですね(笑)。

ジョジョ ヒデオの言う通りで、それはアートの可能性を削ぐことにもなると思うんだ。ゴッホの絵を構図の面だけから研究しようとしているようなものだよ。一番肝腎なものを見失っているわけだからね。もちろん、勉強や分析をする時期というのは必要だけど、それはあくまでも表現力を身につけるためのもので、その段階を過ぎたら、他のことを考えるべきなんだ。スポーツのようにどれだけ身体能力を身につけたかを比較して競う分野もあって、それは生物の自然な進化とも関係している。より速く走れる個体やより強い個体、より賢い個体の方が生存率は高いわけだからね。僕らがやっているのはアートで、アートではもう少し知的で、もう少し好奇心が必要なんだ。

山木 その通り。テクニックばかりうまくなっても肝腎な自分の歌がなければ、自己満足や自慢にしかならない。それはジョジョの言うようにアートではないし、感動もないよね。

一いきなり話がディープになりましたが(笑)、そもそもお二人が一緒に音を出すのは、今回が初めてなんですか?

山木 食事っていうセッションは何度もしてるけど、音を出すのは初めて。でも、もうそのときからセッションは始まっているからね。

一リハーサルを観させていただきましたが、ドラムの演奏だけで、芳醇で密度の濃い音楽になっているように感じました。

山木 これはさっきジョジョも言っていたことなんだけど、瞬時に反応し合うっていうことが音楽の基本であるような気がするのね。今やったリハーサルがそう聴こえたということは、お互いに"音楽をやっているんだな"と実感しながら叩いていたんだと思う。

ジョジョ 僕もそう思う。その瞬間瞬間を生きてインプロヴァイズするというのが、今の僕らが目論んでいる文化的制約からの脱出を可能にする唯一の手段だからね。世界中で今、起こっていることをこのまま座視しているわけにはいかない。僕らがここでやろうとしているのは、みんなにもっと自分自身に対して自信を持ってもらうことなんだ。僕とヒデオのやっていることに何かを見出してほしい。僕らは互いに争っているんじゃなく、一緒に何かを築き上げている。そういう関係性なんだ。そもそも僕がヒデオの演奏を初めて観たのは、30年くらい前だったと思う。ドイツのコブレンツで開催された、世界最大のドラム・フェスティバルでね。

山木 ワールド・ドラマーズ・ミーティングというイベントだね。まずドイツのフランクフルトで楽器フェアがあって、ソナーのブースでスティーヴ・スミスと交代でドラム・ソロのデモンストレーションをやって。そのあとに参加したのがワールド・ドラマーズ・ミーティングで、ハーヴィー・メイソン、ルイ・ベルソン、ビル・ブラッフォードといったドラマーが代わる代わるドラム・ソロを披露するイベントだったんだけど、僕は唯一日本人として参加させてもらったんだ。それをジョジョが見にきてくれたみたいで。その話を聞いて、僕を覚えてくれてたことがとてもうれしかった。

ジョジョ あのイベントでヒデオの演奏を観たときは観客の1人に過ぎなかった。距離が縮まったのは、ヒデオがニューヨークでバーニー・ウォーレルやビル・ラズウェルと共演したとき、ハイハット・スタンドが必用だというんで、僕が調達してきたときだったね(笑)。

(続きはリズム&ドラム・マガジン2017年8月号にて!)


品種雑誌
仕様B5変形判 / 168ページ / DVD付き
発売日2017.06.24