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2017.09.04

UVERworld真太郎___"確信"を持ち完成された 3年ぶりのアルバム『TYCOON』を語る。|リズム&ドラム・マガジン2017年10月号より

Interview:Yuichi Yamamoto(RCC Drum School)、Rhythm&Drums Magazine Text:Rhythm&Drums Magazine Photo:Taichi Nishimaki Hair & Make:Hisako Araki(Octbre.)

 緻密に作り込まれた"熱いバンド・サウンド"を武器にライヴ会場を席巻し続け、日本ロック・シーンで唯一無二の存在となったUVERworldが、9thアルバム『TYCOON』を発表。"全18曲=78分59秒"とCD収録可能時間の限界に挑んだ前代未聞の本作は、3年という長い制作期間を経て完成させたまさに"熟成作"。今までにはない要素が盛り込まれるなど、その音世界はさらに広がりを見せ、屋台骨を支える真太郎も迷いのないドラミングを打ち鳴らす。ここには日々ライヴを重ねながら、制作を続けることによって、自分達の放つ音への揺るぎない"確信"が刻まれていると言えるだろう。

やれることはすべてやりたい、そう思うように変わってきた

─前作『Ø CHOIR』から3年ぶりのアルバム『TYCOON』をリリースされましたが、まず真太郎さんにとって、この3年はどんな期間だったのでしょうか?

真太郎 変わらず制作もずっとやっていましたし、1年の半分くらいはツアーもしていたので、ずっと動いてはいたんです。"3年ぶりのアルバム"っていう言葉だけを見ると、しっかり休んで満を持してっていうふうに見えるかもしれないですけど、どちらかというと"気づけば3年も経っていた"という感じですね。最近ってみんなリリースのスパンが早いですけど、僕達ももともとは、シングル3枚、アルバム1枚を1年で出すタイプだったんですよ。でも曲作りしまくるっていうのを10年近くやってきて、自分達が"これ!"って納得できるものを、時間をかけて作ってみたくなったんです。レコード会社も比較的、「どうぞ、どうぞ」と言ってくれたので、甘えて脛かじりまくって(笑)、こだわる時間をもらえたので、とことんやりましたね。

─さすがに3年もかかると、アルバムというパッケージの重みも伝わってきますね。

真太郎 それは僕も思いました。アルバムっていう形にこだわらず、新曲は作ってシングルという形でコンスタントに出してはいたので、別にこういうやり方でもいいかなと思っていたんです。でも今回アルバムができて、そのプロモーションも含めて、やっぱりアルバムの影響力は全然違う、すごいなと思ったんですよ。ファンのみなさんにはずっと「早く出して」って言われていましたし、僕らも「今年は出ますから!」って言いつつ、2年間くらい出さなかったですからね(笑)。

(笑)。でも、レコーディング自体は並行してずっとやっていたんですよね。

真太郎 本当にずっとやっていました。"これは何に使うんやろ"とか思いながら(笑)。アルバムっていうゴールがあったけど、それにしても、ちょっとゴールが遠いなぁと。

新作は3年かけて、いろいろなスタジオで録音したそうですね。

真太郎 でも9割9分いつものaLIVE Recording Studioですね。僕はあそこのBスタジオが一番好きなんです。Aスタジオより少し狭いんですけど、壁際にセットを置くと、ものすごい太い音でドラムの音が録れるんです。エンジニアさんは「Aの方がアンビ感がいい」って言うんですけどね。あとは北海道の芸森スタジオも使わせてもらいました。1、2週間泊まり込みでっていう合宿スタイルで行くんですけど、3年間で6、7回は行きました。

─普通のバンドだったら、2〜3枚くらいアルバムが作れる勢いですね(笑)。

真太郎 それ、めちゃくちゃ言われるんですよ(笑)。でも恵まれているなと思いますね。

収録曲はツアーですでに演奏していますけど、レコーディングするタイミングはどうやって決めるんですか? 今回は3年も期間があったので、どの時点で録音するかで、アレンジも変わってくるように思うのですが。

真太郎 僕達は"これ以上触りません"っていう、ミックスまで終えた状態にしないと、ライヴで演奏できないんですよ。もちろんライヴでやればやるほど曲は育っていくし、"今録ればもっと良いものが録れた"っていうこともありますけど、期限が決められてないと終わらないんです。"あれがいいんじゃないか、これがいいんじゃないか"ってずっと触っていられるので。例えば、昨日までに出来上がっていた曲を、次の日の夜に録るっていう当日の夕方からまた触り出すこともあって。「やっぱりAメロと前奏の間にBダッシュ持ってきて......」とか構成がその場でガラっと変わる。それで録るって言われても、「昨日までの状態で覚えてるからわからへん!」っていうのは、結構よくあって(笑)。初期の頃は、ヴォーカルがデモを作ってきて、それを聴いてプロデューサーと一緒に、1日1曲を仕上げるようなペースだったので、アルバムも2ヵ月くらいで作ることができたんですね。でも段々、時間に追われるのが嫌になってきて、もっと時間をかけて、やれることはすべてやりたいと思うように変わってきて。その反動が今に来ているように感じますね。

バンド全体の音数があれだけ多いと、ミックスもキリがないですよね。

真太郎 本当にそうなんですよ。だからミックスに関しては、僕はメンバーに"どうぞ、どうぞ"って。それでも「夜の9時に聴きに来てください」って言われてスタジオに行って、「お疲れ様でした〜」ってなるのが朝の8時。もうずっとミックスやっているんです。でも今回の「終焉」なんかは・・・・・・

(インタビューの続きはリズム&ドラム・マガジン2017年10月号にて!)


品種雑誌
仕様B5変形判 / 164ページ
発売日2017.08.25