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VOICE OF BLUE 舞台上で繰り広げられた真実のジャズ史をたどる旅

高内 春彦(著)

定価1,760円 (本体1,600円+税10%)
発売日2017.04.20
品種書籍
仕様四六判 / 296ページ
ISBN9784845626687

内容

ジャズの面白さを再発見! ニューヨークの演奏現場から明かすリアルなジャズ史

ニューヨークを拠点に活動し、ジャコ・パストリアスやスタンリー・タレンタインなどとの共演で経験を重ね、ウェイン・ショーターを迎えたCDを米国キャピトル/ブルーノートのマンハッタン・レーベルからリリースしている実力派ギタリスト、高内春彦(HARU)がミュージシャンの視点からジャズの歴史を語る書籍です。ギル・エヴァンスに習ったモード・ジャズの実際、ポール・モチアンが明かした民族と音楽性の関係、ジョー・ザヴィヌルが求めた東アジアの音楽文化、ジョージ・ベンソンが語った人種差別の実態......などなど、長年にわたってNYのジャズ・シーンを肌で感じて暮らしてきた著者だからこそ書ける"リアル"なエピソードが盛りだくさん。ジャズの素晴らしさ、カッコ良さを改めて感じることのできる、ジャズ・ファン必携の一冊です!

【CONTENTS】
第1章 デューク・エリントンの遺産
◆デューク・エリントン=ジャズの伝統
◆スミソニアン博物館のデューク・エリントン
◆エリントンの功績
◆ビリー・ストレイホーンとエリントン
◆「エリントン派」の作曲家たち
◆エリントン・チェンジ
◆オーケストラ・アレンジの特徴
◆スウィング時代の各バンドの特徴
◆モンクもオーネットもエリントン派
◆スウィング時代のピアノ・スタイル
◆メインストリームとストレートアヘッド

第2章 ビバップの時代
◆コンボ・スタイルの誕生
◆ビバップの語源
◆ビバップの方法論
◆同時多発したビバップ
◆ビバップはジャズの伝統を破壊したか?
◆自由なテンポによる音楽表現の広がり
◆マックス・ローチによるドラム・セットの開発
◆スタンダードとジャズ・チューン
◆ポスト・ビバップの楽器編成
◆作曲できるジャズマンの台頭
◆熱くならないジャズの誕生
◆クール⇔ファンキー!?
◆西海岸ジャズの流行
◆ポスト・ビバップにおけるピアノ・スタイルの変遷
◆究極のビバップ=「ジャイアント・ステップス」
◆「ジャイアント・ステップス」の成り立ち
◆コルトレーンの作曲法の秘密
◆コルトレーンによるソロのライン(アドリブ)の革命
◆シーツ・オブ・サウンドの実際

第3章 モードの真実
◆マイルス・デイヴィスとギル・エヴァンスの共同作業
◆ギル・エヴァンス
◆モードのコンセプトとは?
◆印象派とは?
◆ギル・エヴァンス先生のレッスン
◆マイルスとギルのモード
◆ジョン・コルトレーンのモード
◆マイルスとコルトレーンの比較(ドラマー編)
◆マイルスとコルトレーンの比較(ピアニスト編)
◆音階としての「モード」
◆モード・ジャズの構造的な特徴
◆メモリー帳
◆ポップスやロックへの影響
◆モード・ジャズからの理論的な革新
◆マイルスのジーンズ
◆新しさを外部に求める時代へ

第4章 エスニシティとジャズ
◆民族、文化の融合でジャズは生まれた
◆ブルース、ゴスペル、スウィング
◆アフロ・キューバン
◆ストレート8thとボサ・ノヴァ
◆アフリカン・アメリカン・ミュージック
◆ソウルフード/ヨーロッパとジャズ、その輸出と逆輸入
◆ユダヤ系ミュージシャンとアラブ系ミュージシャン
◆民族楽器の導入
◆サルサ
◆さらに新しいエスニシティ、回帰?
◆新たな黒人カルチャー
◆母国語と音楽

第5章 ロックとジャズ
◆ジャズから生まれたロック
◆アメリカン・ポップスの源流はスウィング
◆ストレート8thの追求と発展
◆ジャズ・ロックの楽器の変化
◆ジャズ・ロックと現代のジャム・バンド
◆コンテンポラリー・ジャズ・シーンの多様化とその始まり
◆シンセと編集による新しい音
◆ジャズ・フュージョン/ファンクの時代のストレートアヘッド
◆クロスオーヴァーからフュージョンな時代
◆1980年代フュージョンの楽器的変化
◆フュージョンのバンド編成とレコーディング事情
◆現代ジャズへの着地点

第6章 米国ジャズ界の現状
◆メニューが出揃った現在のジャズ・シーン
◆What's New About Drummers
◆Revenge Of The Acoustic Players
◆Jazz Guitar Players Today
◆ジャズ・シーンに対する日本の貢献
◆Keyboardists
◆Piano Players
◆Saxophone Players
◆Roy and Doc(tp)
◆アメリカ内でのジャズ文化の違い
◆外国人で溢れるNY
◆Jazz City
◆最後に僕のこと

編集担当より一言

名ギタリストHARUさんが、先達の証言、ミュージシャン仲間の口伝、自身の研究から集めた、そうだったんだ!とびっくりするようなトピックが満載の書籍です。一例を挙げると、モード・ジャズに関する解説。よくあるジャズ評論には、“モードとは、コードではなくモード・スケール(旋法)に基づいたジャズである”……などと書かれています。「So What?」や「Milestone」(マイルス)や「Impressions」(コルトレーン)はそう言われればそうかもしれないけど、モード時代の代表作とされるハービー・ハンコックの「Dolphin Dance」やウェイン・ショーターの「Nefertiti」、「Footprints」なんかはちゃんとコード進行があるみたいだし、モードじゃないジャズとどう違うの……? “モード”に関する言説に何か釈然としない思いを持っていた人は多いはず。この本では、モードの立役者であるギル・エヴァンスからHARUさんが直接教わった、モードのはじまりと発展がしっかり書かれています。そして、“現在となってはモード・ジャズの曲とそうでない曲を区別するのに意味はありません”という衝撃の一言も!
その他にも、スウィングから最新ジャズ・シーンに至るまで、この本でしか読めないジャズの新しい魅力を大量収録。著者独特の、“スウィングする”文体も、ぜひお楽しみください!(出版部/橋本)