立東舎

村上春樹の100曲

栗原 裕一郎(著)/藤井 勉(著)/大和田 俊之(著)/鈴木 淳史(著)/大谷 能生(著)

定価1,980円 (本体1,800円+税10%)
発売日2018.06.15
品種書籍
仕様四六判 / 320ページ
ISBN9784845632398

内容

ビーチ・ボーイズがよく登場するのはどうして?
ヤナーチェクは異界への入り口になっている?
村上春樹作品に登場する音楽の読み解き方がわかる解説書が登場!

村上春樹の小説といえば、何を思い浮かべますか。
いくつかありますが、そのうちの一つは「音楽」、と言い切ってしまっていいほど、作品中に膨大な量の曲名・ミュージシャン名が登場します。それもすごく意味ありげに。
本書では、そんな春樹作品に登場する音楽から、ジャンルごとに20曲、合計100曲を選んで解説しました。
曲紹介を読んでいるうちに、小説の紹介になって、どうしてその曲が使われているのかもわかるようになるという、曲紹介からはじまる、新しい小説の読み方を提案しています。これ1冊で、村上春樹の小説も、登場する音楽もわかるようになっているのです。
巻末には「村上春樹の小説全音楽リスト」もついていて、具体的に紹介した100曲以外にどんな曲が登場しているのかもわかります。
読書ガイドとディスクガイドが融合した、ファン必携の1冊。登場する100曲、あなたはどれだけ聞いたことがありますか?

【目次】
まえがき
80年代以降の音楽〜「60年代的価値観」の消滅
ロック〜手の届かない場所へ
ポップス〜失われた未来を哀悼する
クラシック〜異界への前触れ
ジャズ〜音が響くと何かが起こる
あとがき座談会『1Q84』以降の村上春樹と音楽
村上春樹の小説全音楽リスト

編集担当より一言

小説を読んでいると、やたら登場してくるミュージシャンや曲名が気になる。村上春樹はそんな作家です。デビュー作『風の歌を聴け』からしてビーチ・ボーイズ「カリフォルニア・ガールズ」の歌詞の引用があるし、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読んだらボブ・ディランを聴かずにはいられないし、クリーニング屋のBGMまでやたら細かく書かれているし……。

そんな春樹作品に登場する音楽を、ジャンル別に分けて紹介したら面白いんじゃないか、ということで作られたのが『村上春樹の100曲』(編著:栗原裕一郎)です。ディスクガイド風にそれぞれ紹介しているのですが、ミュージシャンやジャンルによって使われ方に傾向があって、なんてこともわかるので、村上春樹作品の解説本的な側面もあります。
また、巻末には村上春樹の小説に登場する全音楽リストもついています。こちらがかなりの労作! 読書と音楽鑑賞のおともとしてご活用ください。(担当編集 立東舎・K)