図書の家選書9 涙の讃美歌

図書の家選書9

涙の讃美歌

梢さんっ あなたもこの月をみているの?
今にきっと立派なバレリーナになってお目にかゝりましょうね


図書の家選書第2期の幕開けを告げるのは、1956年に若木書房から発表された、わたなべまさこ「涙の讃美歌」。 裕福な家庭で何不自由なく育った主人公・洋子を中心に、洋子の家族や従姉妹の梢、かつてクラスメイトだった葉山といった人々が、数奇な運命に翻弄されるストーリーが目まぐるしく展開されます。主人公にとって重要な意味を持つバレエ。美しいバレエの舞台シーンはカラーで収録!

※本書は発表当時の書籍を底本として復刻しています。ノンブル表記を原本そのままにしている作品があります。
色についても現状の書籍の状態をほとんどそのままにしており、ページの傷みや破れ、シミなどを含んでいる場合があります。
本書には、現在の観点から見ると差別用語と取られかねない表現が含まれていますが、原文の歴史性を考慮してそのままとしました。


【目次】
涙の讃美歌(1956年)
作者のことば/わたなべまさこ
解説 貸本マンガとは/想田四
作品解説/図書の家

プロフィール
「図書の家選書」発刊にあたって

目次と扉

目次

「白鳥の湖」で4羽の白鳥を踊る洋子。その舞台を偶然見ていた梢とついに再会を果たします。

著者プロフィール

わたなべまさこ
(渡辺雅子、渡辺まさ子、わたなべ雅子)

マンガ家。1929年5月16日東京都生まれ。
結婚後手塚治虫の作品に出会いマンガ家を志し、1952年赤本『小公子』でデビュー。若木書房の貸本単行本のほか貸本短編誌『泉』、少女マンガ雑誌『少女』『少女ブック』『りぼん』などに次々作品を発表。戦後間もない時代に可憐な少女たちが登場する洋風で夢のある作品が人気を集め、女性マンガ家の草分けとして活躍する。60年代は『週刊マーガレット』などで連載作品をヒットさせる。ホラーやミステリー作品も得意とし、レディース向けの作品も数多い。代表作に「ガラスの城」「聖ロザリンド」「悪女シリーズ」「金瓶梅」など。2006年、女性マンガ家として初の旭日小綬章受勲。2020年にはコロナ禍に一人で描いた新作を電子配信で連載した。水野英子発起の「少女マンガを語る会」メンバー。 X公式アカウント @masako_wtnb

企画・編集・制作

図書の家
https://www.toshonoie.net/

少女マンガに関する書籍の企画編集制作、デザイン、映像制作などを行っている。初出調査・作家検証は自己所有資料を含め実資料にあたることを信条としている。
立東舎では飛鳥幸子著『決定版!怪盗こうもり男爵』(2019)の他に『文月今日子の世界』(2023)、アンソロジー『マンガ化!世界文学 耽美とヒロイン』(山田英生と共同編集/2022)、『ザ・少女マンガ!忠津陽子の世界』(2021)、『かわいい!少女マンガ・ファッションブック』(倉持佳代子と共同編集/2020)、谷ゆき子著『バレエ星』他2作(2017-18)などを刊行。ほかに河出書房新社では少女マンガ家の仕事をまとめた『総特集シリーズ』(2015-24まで8冊)などを刊行している。


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