図書の家選書10 赤いくつ/ミサにあげるもの/青い星の夜

図書の家選書10

赤いくつ/ミサにあげるもの/青い星の夜

あたしはルビー
おどりなら三度のごはんより大すきよ
         ───「赤いくつ」


図書の家選書第2期、水野英子作品を特集した今巻は、初期傑作短編を集めました。1957年発表のミュージカルロマン「赤いくつ」、58年発表のバレエマンガ「ミサにあげるもの」、叙情的な一夜を描いたファンタジー「青い星の夜」の3作をセレクト。のちの少女マンガに多大な影響を与えた、みずみずしい感性が溢れる1冊です!

※本書は発表当時の書籍を底本として復刻しています。ノンブル表記を原本そのままにしている作品があります。
色についても現状の書籍の状態をほとんどそのままにしており、ページの傷みや破れ、シミなどを含んでいる場合があります。
本書には、現在の観点から見ると差別用語と取られかねない表現が含まれていますが、原文の歴史性を考慮してそのままとしました。


【目次】
赤いくつ(原作:佐伯千秋・1957年)
ミサにあげるもの(1958年)
青い星の夜(1958年)

作者のことば/水野英子
作品解説/図書の家

プロフィール
「図書の家選書」発刊にあたって

目次

「ミサにあげるもの」扉

姉たちから家事を押し付けられてバレエのレッスンを受けられないミサ。やっと「シンデレラ」の配役テストに参加できたのですが……!? (「ミサにあげるもの」より)

著者プロフィール

水野英子

マンガ家。1939年10月29日山口県生まれ。
中学卒業後16歳の時、手塚治虫に見いだされ、1955年、15歳で『少女クラブ』にコママンガでデビュー。翌56年ストーリーマンガ「赤っ毛小馬(ポニー)」が掲載されて以後、57年開始の長編連載「銀の花びら」がヒット、続く「星のたてごと」で不動の人気を得る。「トキワ荘」唯一の女性マンガ家としても知られる。他の代表作に「白いトロイカ」、70年小学館漫画賞受賞作「ファイヤー!」など多数。神話 、バレエ、オペラに造詣が深く、それらを基にした幻想的な物語も多い。99年「少女マンガを語る会」 を主宰し初期少女マンガの証言を集めた『少女マンガはどこからきたの?—「少女マンガを語る会」 全記録』が2023年に発行された(青土社)。2010年日本漫画家協会賞文部科学大臣賞、23年文化庁長官表彰。 X公式アカウント @MizunoHideko

企画・編集・制作

図書の家
https://www.toshonoie.net/

少女マンガに関する書籍の企画編集制作、デザイン、映像制作などを行っている。初出調査・作家検証は自己所有資料を含め実資料にあたることを信条としている。
立東舎では飛鳥幸子著『決定版!怪盗こうもり男爵』(2019)の他に『文月今日子の世界』(2023)、アンソロジー『マンガ化!世界文学 耽美とヒロイン』(山田英生と共同編集/2022)、『ザ・少女マンガ!忠津陽子の世界』(2021)、『かわいい!少女マンガ・ファッションブック』(倉持佳代子と共同編集/2020)、谷ゆき子著『バレエ星』他2作(2017-18)などを刊行。ほかに河出書房新社では少女マンガ家の仕事をまとめた『総特集シリーズ』(2015-24まで8冊)などを刊行している。


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