いま会いに行けるご当地トリビュート・バンド
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No.1 ジェネシス(復刻創世記)
1970年代の中期以降、ツインドラムをメインにした時期の再現をしています。この時期はメロディメーカーのライヴアクトに2年連続ナンバーワンに輝いていた時期でもあり、トリプルギターを含め、複雑なアンサンブル・アレンジは伝説となっています。復刻創世記は当時とほぼ同じ楽器を使用して演奏もノーアレンジで古き良き時代のステージを再現。2020年結成25周年を迎えます。
No.2 クリ—デンス・クリアウォーター・リバイバル(Clearance Creamsoda Redial/大阪)
その名の通りC.C.R.「Creedence Clearwater Revival」のトリビュート・バンドです。 誰に頼まれた訳でもありませんが、CCRサウンドの再現に日夜励み、全曲制覇を目指す。 大阪を拠点に、主に関西方面で活動中! 今年で結成21周年を迎えます。機材にもこだわり花井センセは1967年製のリッケンバッカー325をジョン・フォガティと同様にカスタマイズしアンプもコンボタイプではありますが、レアなKUSTOM社の物を使っております。トム役のキャプテン先山ももちろんギルドのスターファイヤーを使用しております。
いま会いに行ける!
ご当地トリビュート・バンドのライブ・レポート
第1回:リトル・チート(リトル・フィート・トリビュート・バンドfrom東京)
2019年12月8日(日曜)@高円寺JIROKICHI文:近藤正義
ポール・バレア追悼ライヴ
『イマ会いに行ける!ご当地トリビュート・バンド』第1回で紹介したリトル・チート。東京および横浜で活躍するリトル・フィートのトリビュート・バンドである。ここではギター・マガジン・レイドバックVol.1に掲載したフロントマン、ロウトル・ジョージ矢野(g, vo)以外のメンバーの紹介も兼ねつつ、本誌取材後のライヴをレポートしておこう。昨年末である12月8日に東京高円寺のJIROKICHIで行なわれたワンマン・ライヴ。折しも本家のメンバーであるギタリスト、ポール・バレアが10月26日に71歳で亡くなった直後というタイミング。昨年6月のウェイト・バンドとしての来日が最後となってしまったポール・バレアを偲んで、今回のリトル・チートのライヴは『ポール・バレア追悼ライヴ』という名目になった。
本家リトル・フィートは1979年にバンドの中心人物ロウエル・ジョージを、2010年にはドラマーのリッチー・ヘイワードを喪っており、これで故人は3人となってしまった。ロウエル・ジョージの存命中はロウエルをサポートするにとどまらず、エッジの立ったギター・サウンドと達者なヴォーカルによってフィートに更なる魅力を加味したポール・バレア。再結成後はもう一人のギタリスト、フレッド・タケットとのツイン・ギターでバンドを牽引してきた。まさにバンドを支える大黒柱だったわけだ。それだけにリトル・チートのメンバーたちもたいへん残念がっていた。そんなタイミングで行なわれた、リトル・チートによるこの日のライヴ。普段にも増してポール・ガンバレア花田をフィーチャーしたセットリストを組み、追悼ライヴに相応わしい演奏を聴かせてくれた。セット・リストはご覧の通り。
Down on the Farm
Spanish Moon ~
Skin It Back ~
Fat Man in the Bathtub
Oh Atlanta
On Your Way Down
All That You Dream
Time Loves a Hero ~
Day or Night
*
Old Folks Boogie
One Love Stand ~
Rock And Roll Doctor
Long Distance Love
Dixie Chicken ~
Tripe Face Boogie (Bag of reds)
Rocket in My Pocket
Willin' (Don't Bogart That Joint)
(encore)
Feats Don't Fail Me Now
Walkin’ All Night
本誌Vol.1では紙面の都合もあり、中心人物であるロウトル・ジョージ矢野(g, vo)だけにスポットを当てたわけだが、本家フィート同様に我らがチートも全員一丸となったバンドサウンドで勝負するだけに、ここでは他のメンバーも含めて紹介しよう。
まず、フロントマンであるロウトル・ジョージ矢野(g, vo)のボーカルは声質が元々本物に似ているうえに歌い方までそっくり。スライド・ギターの特徴も細部まで研究しており、再現度は非常に高い。トドメはステージ衣装の白いオーバーオール。演奏能力はもちろん大事だが、トリビュート・バンドであるからにはヴィジュアルに気を配ることも大切だ。リトル・チートのFaceBookサイトを見た海外のリトル・フィート・ファンが「ロウエル・ジョージは日本で生きていたのか!」と、こんなコメントを書き込んだほど‥。ロウトル・ジョージ矢野の様々なこだわりについては、12月に発売されたギターマガジン・レイドバックVol.1をご覧いただきたい。
そしてロウトル・ジョージ矢野に負けず劣らずの再現度を誇るポール・ガンバレア花田(g, vo)。メイン・ギターである1977年製ミュージックマン・スティングレイIIは、このバンドでの活動のために誂えたモノ。やはり、見た目はコレでなくちゃいけない。そしてオープンG用に用意したウォルナット・カラーの1973年製フェンダー・ストラトキャスター。なんと、ポール•バレアとフレッド・タケットのサイン入りだ。このギターでフェイザーを効かせた渋いサイド・ギターを聴かせるのだからタマラナイ。さらに、彼のヴォーカルがこれまたポール・バレアに声質が似ている。ロウトル・ジョージ矢野(g, vo)とポール・ガンバレア花田(g, vo)、この2人のフロントマンがソックリとくれば、こいつはもう美味しいに決まっている。この2人のコンビネーションの妙は、他を探しても見つからないし、作ろうと思ってできるものでもない。こいつは、ちょっとしたミラクルなんだと思う。
次なるは、このバンドのまとめ役でもあるケニー・グラッド新関(b)。ケニー・グラッドニーと同じくテレキャスター・ベース(改造はしていないが‥)で重低音を響かせる。彼の踊るように歌うように奏でるベースラインは、フィートらしさをバンドに与えるために多大な貢献をしている。
そしてケニー・グラッド新関(b)と共にリズムセクションを組む、バッチー・ヘイワード野中(ds)。巷のバンド仲間の間では「野中名人」と呼ばれるスペシャリストであり、この2人のコンビネーションも特筆モノだ。あのウネルようなフィートのリズムを実によく研究している。不運にもこの日は左手を怪我しており、無理のきかない状態でのプレイとなったが、簡略化しながらもニュアンスを失わずにプレイしていたのは流石であった。
唯一の女性メンバーである院長マーフィー友枝(per, vo)はパーカッションのサム・クレイトンと再結成後に一時在籍した女性ヴォーカリストのショーン・マーフィーを兼任するスタンスだ。ドラムとベースに絡むパーカッションはフィート・サウンドにとって、なくてはならない隠し味なので彼女も重要なポジションを務めているわけだ。
最後に、ビル・ペインの役を務めるビリ・ペイン橋本(key)。リトル・チートはキーボード奏者がこれまでに何人も入れ替わっており、彼は昨年途中から加わった一番新しいメンバー。彼になってからのステージを何度か拝見したが、回を追う毎にビル・ペイン特有のバウンシーなピアノ・タッチやシンセの音作りに進展が見られ、ますます今後が楽しみ。彼は歌えることも強みであり、これからのチートに厚いコーラス・ハーモニーを加えたりソロ・ヴォーカル曲を加えたり、更なる展開に期待したい。
リトル・チートのライヴの観客には、リピーターが多いのが特徴。つまり、一度見に行ったが最後、また行きたくなってしまう、そんなアクの強いバンドだ。まあ、本家リトル・フィートが強烈なアクを放つバンドなだけに、そこまで再現できているということなのかもしれない。そこへもって、「リトル・チート、見に行ってきたけど、すごかったよ」こんな噂がウエストコースト・ロックの好事家たちの間に広まっていった。そして今では、しっかりプロモーションすれば100人クラスのライヴハウスを埋めることもできるようになった。これって、バンドの成長のプロセスとしては理想的ではないだろうか。
リトル・フィートの曲を演奏しよう、そんなセッションなら巷にいくらでもあるだろう。でも、それは所詮セッションだ。お金をとってお客を集めるレベルには程遠い。しかし、固定メンバーによる意思を統一したこのバンドくらいのレベルになれば話は違う。充分に見世物としての価値がある。そして最後に、再現度が生半可ではないということ、これはもう一度申し上げておきたい。本家リトル・フィートというバンドが持つ、メンバー全員のバンドサウンドによるケミストリー、ここまで再現してくれるからこそ、お客は何度も足を運ぶ。今時の洋楽ロック・トリビュートは非常にハードルが高いのだ。そんなことを実感させてくれるバンドである。
近々のライヴ・スケジュールは以下の通り。興味を持たれた方は、ぜひ足を運んでいただきたい。
4月4日(土曜)湯島ファビュラスギターズ ワンマン・ライヴ
6月21日(日曜)横浜サムズアップ ワンマン・ライヴ
8月29日(土曜)センター北Byrds ワンマン・ライヴ