11月7日(土)パシフィコ横浜 アネックスホール2にて行われた
最終選考の結果を速報でお知らせします。
今後、コンテスト時の写真やダイジェスト動画も、本サイトでアップしていく
予定ですので、お楽しみに!
完コピ部門「Come Out Of A Coma」
- 三原和広(島根県・33)
- 酒井秀彰(東京都・30)
- 小林宏至(東京都・34)
- (敬称略,数字は年齢)
クリエイティブ部門「ray of light」
- 白須賀悟(愛知県・27)
- 西村健(北海道・25)
- 田中裕右(和歌山県・21)
- (敬称略,数字は年齢)
最終審査出場者(50音順,敬称略,数字は年齢)
完コピ部門「Come Out Of A Coma」/8名
●小林宏至(東京都・34)●酒井秀彰(東京都・30)●三原和広(島根県・33)
クリエイティブ部門「ray of light」/15名
●白須賀悟(愛知県・27)●田中裕右(和歌山県・21)●西村健(北海道・25)
第2次審査通過者(50音順,敬称略,数字は年齢)
完コピ部門「Come Out Of A Coma」/8名
●磯田浩平(神奈川県・38)●太田聖也(静岡県・12)●小林宏至(東京都・34)●近藤博和(東京都・23)●酒井秀彰(東京都・30)●坂上祐季(大阪府・21)●三原和広(島根県・33)●宮地裕太(静岡県・21)
クリエイティブ部門「ray of light」/15名
●石田薫(東京都・23)●井田義昭(新潟県・46)●奥村昌哉(滋賀県・20)●倉橋浩二(滋賀県・33)●小林正幸(アメリカ・46)●白須賀悟(愛知県・27)●髙橋龍彦(福岡県・49)●田中大輔(長野県・17)●田中裕右(和歌山県・21)●樋口征宏(東京都・26)●福士直仁(静岡県・40)●星加敦史(静岡県・46)●西村健(北海道・25)●根津甫(神奈川県・26)●山本卓(山梨県・41)
[GM編集部審査コメント]
完コピ部門の審査基準としてはまず譜面どおりに弾けているかをチェックし,次に音色やニュアンスといった要素を加えて総合的に判断することになります。ところが,いくら似せようとしてもプレイヤーの個性が出てしまうのがギターのおもしろさでしょう。本当に力量のある人は,不可避的にここからはみ出してしまうのです。あえて原曲とは違う音色をぶつけてきたり,歌い回しを変えてみたり,リズムをほんの少しずらしてみたり。それはそれはこしゃくなワザをたくさん聴かせてもらいました。結果的に僕が審査のポイントとしたのは,“完コピ”いう制約の中で,自分を表現できたかどうか。必然的にそこに至りました。ライブが楽しみです。
クリエイティブ部門は,文字どおりクリエイティブなギターが弾けているかを競う部門なのですが,突出した作品があまりなかったのが残念です。一次審査を通過した方々はさすがの猛者ばかりで,テクニックは文句なしでした。しかし,フレーズにパンチ力が足りず,中盤ぐらいでネタ切れに陥ってしまうケースが多く見受けられました。人間の声だと,なんとかもってしまうのに,ギターだと飽きてしまう。インストの難しさはそこだと思います。聴く側に身を置いて,どうすれば人を引きつけられるのか。そこを考えるのが真にクリエイティブなギタリストではないでしょうか。結果的には,そのあたりを実践してくれた応募者が残っています。
(野口広之/本誌編集長)
最強プレイヤーズ・コンテストの最終審査は,パシフィコ横浜でのライブ演奏ということになるので,二次審査については,実際のステージでどのように表現してくれるのか想像しながら聴かせてもらいました。
まず完コピ部門「Come Out Of A Coma」は,予想どおり腕に自信のある皆さんが挑戦してくれたようで,どの音源も実にレベルが高かったのですが,最終的には1音1音のニュアンスやフレーズを魅力的に響かせる表現力といった部分の差が決め手になりました。小手先ではなく,プレイヤーとしての技量の差と言い替えてもいいと思います。中でも弱冠12歳の太田聖也くんの表現力には心底脱帽しました。
クリエイティブ部門「ray
of light」は,最後まで緊張感を保ち続けるのが難しかったようですね。後半アドリブづくしで息切れしてしまったり,逆に前半は平凡なものの,だんだん調子が出てきて最後のソロだけ目の覚めるような切れ味だったり。ペンタトニック一発でも普通にハマってしまうバッキングだったので,アイディアと想像力でどれだけメロディを感じさせてくれるか,そこが勝負の分かれ道になりました。通過者の皆さんは,テクニック的に申し分ないことは当然として,さらにワンランク上の勢いや色気があったと思います。構成力と粘りで弾ききった40代ベテラン・ギタリストの活躍も強く印象に残りました。
(鈴木伸明/本誌副編集長)
[本誌ライター審査コメント]
今回の課題曲は2部門とも例年に増して難しかったように思います。それでも皆さん果敢に挑戦していただいて,応募者の年齢も小学生からオヤジ世代まで幅広く,さすがGMの読者層は厚いな,と認識を新たにしました。とりあえず皆さん本当にお疲れ様,そして渾身の作品ありがとうございました!
まず完コピ部門ですが,応募者は皆さん腕に覚えのあるつわものばかりで実力伯仲! 音使いやフレージングは完コピできていて当たり前。明暗を分けたポイントは,プレイ全体のリズムのノリ(グルーヴ感)や,ピッキングの音立ちなど,ちょっとしたニュアンスの差といったところでしょうか。個人的にはメリハリのあるリズムで余裕を感じさせてくれた応募作に惹かれました。その激戦を突破した強者が今回の通過者,というわけです。中でも大人顔負けの見事な演奏を聴かせてくれた,大田聖也君(12歳!)を筆頭にした若年層の健闘ぶりか強く印象に残っています。
クリエイティブ部門で一番の審査ポイントに据えたのが,リスナーを魅せるギターの腕前はもちろん,“クリエイティブ”な作品としても十分に観賞に耐えるものであるかどうか,という点でした。テーマ部のメロディ感,音色チェンジも含めた場面転換のアイディア,そして最後まで飽きさせない曲構成の工夫,などにセンスを見せてくれた作品は◎でした! いや〜,最終ライブ審査が楽しみです☆
(安東滋)
ここ数年にわたって2次審査を担当していますが,今年の完コピ部門の課題曲「Come Out Of A Coma」の課題曲は,6/8拍子というだけあって,リズムにどう乗せて弾くかが難しかったように思います。強弱と音色のコントロールによって,いかにテーマを流麗に歌わせることができるか,またそれとは対照的に,単音リフをカッチリ弾いているかが聴きどころとなりました。フレーズが複雑なせいもあって,ピッチをキープしきれていないケースが例年に比べて多かったです。アーミング後のチューニングの狂いも関係していると思いました。
クリエイティブ部門の「ray of light」は,一筋縄ではいかないコード進行に乗せて,ツーファイブに準拠した丹念なフレージング,耳を頼りに歌心で弾ききったプレイなど,いろいろなソロが聴けて興味深かったです。審査員から支持を受けた作品は,どれもテーマが明確で,インパクトのあるギター・ソロとの対比がしっかりしていました。ギターのテクニックだけでなく,トータルとして楽曲をどう捉えて展開できるのかが問われていたように思います。
ひとつの楽曲をいろいろなギタリストがプレイして聴き比べできる機会はあまりないので,このコンテストはそういう意味でも非常に興味深いですね。録音状態が回を追うごとに良くなってきているのも時代の流れを感じました。
(宮脇俊郎)
[新着順]
応募音源を自身のブログなどにアップしたり,演奏シーンをYouTubeに発表してもかまいません。ただし実際の応募には,CD-R/MD /TAPEのいずれかで送付して下さい。なお,ウェブに投稿された動画を審査の参考にすることはありません。YouTubeに作品をアップしたことをギター・マガジン宛にメールいただければ,実際の応募の有無にかかわらず,YouTube上のギター・マガジン・チャンネル及びこのページにて“コンテスト動画まとめ”としてアップする予定です。
ギター・マガジン メールアドレス:gm@rittor-music.co.jp
YouTube「Guitar Magazine チャンネル」:
http://www.youtube.com/user/GuitarMagOfficial
課題曲(サンプル)
右のプレーヤーにて課題曲の一部をお聴きいただけます。
※リスト内の曲名をクリックすると再生がはじまります。
※各サウンドは、試聴用に圧縮・エンコードされておりますので、実際の付録CD音源より音質が劣化しています。また、再生開始から45秒でフェイドアウトしています。
※こちらのサウンドをお聴き頂くには、最新のAdobeFlashPlayerが必要です。
Message From 柴崎浩
楽曲制作について
完コピ部門の「Come Out Of A Coma」は,美しいコードを使ってハーモニー的に充実した曲がやれたらなって思っていました。ギターだからこそ出せるきれいなボイシングの響きなんかを知ってほしいという思いも込めています。個人的に,「Come Out Of A Coma」のほうがクリエイティブ部門でもよかったかなとも迷ったくらいでした(笑)。クリエイティブ部門の「ray of light」はちょっと苦戦しましたね。もし,スタンダード・ナンバーをカバーするのであれば,既存のメロディを自分なりにアレンジして歌わせる方法を考えるアプローチになるんだろうけど,“自由にギターを弾いていい”という概念がなかなか難しかったですね(笑)。
挑戦する人へのアドバイス
ひとつの音楽としての“完成度”を求めればいいと思います。耳を惹きつけられる人のプレイは聴いていてすごく心地いいですからね。そう感じさせるためにはただ音を詰め込むだけでなく,休符や,聴き手を飽きさせないようなメリハリも必要。例えば同じセンテンスをひたすらくり返してみたり,休んでみたり,一音だけ長く伸ばした音を入れてみたり,ちょっとクレッシェンドさせたりと,表現方法の引き出しをいろいろと盛り込むのもひとつの手かもしれません。自分の中で,セクションごとのイメージを描き,いかにリズムとコードを把握して,リズムに乗っかれるかがポイントですね。
◎PROFILE:しばさき・ひろし:1969年12月13日生まれ,東京都出身。91年,WANDSのギタリストとしてデビュー。WANDS脱退後,al.ni.coとしての活動を経て,05年1月西川貴教らとabingdon boys schoolを結成。さらにアーティストへの楽曲提供やライブ・サポートなど多方面で活躍中。abingdon boys schoolは5月20日に最新シングル「JAP」をリリースする。【HP】http://www.shibasaki-hiroshi.net/