●個々の指に独立性を持たせるためのエクササイズです。基礎的なオルタネイト・ピッキングをマスターするための練習でもあります。
●初心者のうちは誰でも小指と薬指が一緒に動いてしまうものですが、そういった症状も、このエクササイズによって改善できます。長くギターを弾いている人も、毎日の準備体操のような感じで続けてみてください。僕自身も、リズム感/タイム感が安定しない時などは、いまだにこれをやっています。
●音符の上についた1、2、3、4は左手の指番号です。1は人差指、2は中指、3は薬指、4は小指を示しています。
●音符の下に付いた丸数字は弦番号です。
●ローマ数字はポジション番号です。Iは人差指が1フレットに来る状態、IIは人差指が2フレットに来る状態を示しています。
●1~4フレットを人差指~小指で順に押さえ、そのパターンをそのまま1フレットずつポジション・アップしていきます。小指が12フレットに達したところで指の動きを逆にし、ポジションも1フレットずつ下げていきます。
●右手はダウンとアップを交互に行なうオルタネイト・ピッキングです。詳しくいうと、1小節を“1&2&3&4&”とカウントした場合の数字の部分(表拍)をダウン・ピッキングで弾き、&の部分(裏拍)をアップ・ピッキングで弾くということです。
●ここでは3弦のみで行なっていますが、実際に練習する時はすべての弦で同じことをやってください。また自分のギターのフレット数に合わせて、より高いポジションまで使うようにしてください。
●このような単純な練習にもコツがあります。それを無視して悪いやり方で続けても、なかなか効果は上がりません。以下の点に十分注意しながら、このエクササイズを行なってください。
1.左手の各指を弦からあまり浮かせない。
弦を押さえている指よりナット側にある指は、極力弦から離さないようにします。
例えば人差指の次に中指で押弦する時、人差指は弦に軽く触れさせたままにしておきます。次に薬指で押弦した時も、人差指と中指は弦から浮かせないようにします。さらに小指で押弦した時も、他の3本が弦に軽く触れている状態をなるべく保ちます。
下行する場合も同じで、その都度必要な指だけを弦から離すような気持ちでやってください。
2.左手の親指はネックの裏側に置く。
ロックやブルースのギタリストには、左手の親指を6弦側に突き出した状態で演奏する人も多いですが、この練習をする時はクラシックのギタリストのように親指の先をネックの裏側に置くようにしてください。しかも1、2弦を弾く時はネックの裏側の下の方、3、4弦を弾く時は真ん中あたり、5、6弦を弾く時は上の方、といった具合いに、それぞれの弦の真裏に親指の先を置くようにします。
3.左手の指に力を入れすぎない。
弦を押さえる力が強すぎると、スムーズな運指はできないし、ピッチも上がってしまいます。必要最小限の力で弦を押さえるようにしてください。
4.右手のピッキングの幅を小さくする。
右手も必要以上に大きな動きをしないように。またピッキングに力を入れすぎないように注意しましょう。
5.両手のタイミングに注意する。
両手がバラバラに動くと、美しい音は出ません。どちらかが早くなったり遅くなったりしないよう、動きが完全に一致するまで、ゆっくりとしたテンポで練習を重ねましょう。メトロノームに対して正しいタイミングで弾くことももちろん重要です。
6.ゆっくりしたテンポで何度も練習する。
遅いテンポで何度も練習するのが上達の秘訣です。テンポを上げる場合も、一段階につきメトロノームを3~5づつ上げる程度にしてください。
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