リットーミュージック

DISC 1

10I’m So Tired

アイム・ソー・タイアード

1968年10月8日、アビイ・ロード第2スタジオで録音

インドでの疲れがそのまま出ている

 「アイム・オンリー・スリーピング」に共通する気怠さを持った曲で、ジョンのインドでの疲れがそのまま出ている。

 インド、リシケシュでの瞑想も4週目に入った頃、ジョンは禁止されていたタバコやアルコールが恋しくなっていた。一番恋しかったのはオノ・ヨーコだった。曲中でタバコの象徴として歌った「Sir Walter Raleigh」はアメリカ大陸に最初のイングランド植民地を築いた探検家・詩人でタバコとジャガイモをイギリスに持ち込んだ人物。ジョンはオノ・ヨーコをリシケシュに呼び寄せようと思ったが、さすがにシンシア・レノンがいるところにオノ・ヨーコが来て、ひとつ屋根に住まわせることはためらって考えを捨てた。

 ジョージのギターはアタマから単音で6弦開放の「E → F# → G#」を奏で、「♪ You’d say, I’m putting you on, but it’s no joke」からの2小節間のコード「A」で、5弦7フレット「E」、6弦5フレット「A」のパワーコードで1拍目のウラ、オモテを弾き2拍目のウラ、オモテは小指だけを5弦9 フレット「F#」にするロックン・ロールのフレーズを弾いている。そして、3拍目を休み、4拍目で3弦4フレットの「B」からスライドで「C#」まで1 音スライドさせ2弦5フレットの「E」で「♪タウン・タ」と弾く。次の2小節のコード「E」でのパワーコードでも、コード「A」のときと同じ音で「♪タウン・タ」とスライドさせている。

 ジョンはハモンド・オルガンで単音のメロディを弾き、隙間を埋めている。

 割合シンプルなバンド・サウンドのロックになっている。

<使用楽器>
ジョン:エピフォン・カジノ、ハモンド・オルガン
ポール:リッケンバッカー4001S、フェンダー・ローズ・エレクトリック・ピアノ
ジョージ:ギブソン・レス・ポール
リンゴ:ドラムス、タンバリン