MAGAZINES
内容
中田ヤスタカ(capsule)~最新プライベート・スタジオ独占公開
■巻頭インタビュー
中田ヤスタカ
本誌独占! 最新プライベート・スタジオ公開
J ポップへ提示した新作を語る
ボーカリストこしじまとしことのユニット=capsuleやPerfumeのプロデュースなどを通し、ロボ声のボーカル曲をヒットさせ、さらにエレクトロ・サウンドを世間に浸透させるという偉業を成し遂げた中田ヤスタカ。capsuleのデビューから今年で10周年を迎える彼だが、プロデュースやリミックス、さらには映画の劇判などその勢いは全く衰えず、しかもそんな多忙な中、1年ぶりとなる capsuleの新作(東北地方太平洋沖地震の影響により、3月23日発売から延期)までも完成させてしまった。今回は4つ打ちをメインとしたストイックな出来で、こしじまのボーカルはサンプルの一部のように扱われ、ベンドを多用したシンセや多国籍な雰囲気の持つ異形のトラックは本誌読者の鋭い耳を納得させるサウンドではあるものの、一般のJポップ・ファンを置き去りにしたとも取れる作風だ。彼がこうしたアルバムを送り出してきた背景には、どんな思惑があったのだろうか?
◎中田ヤスタカへのロングインタビュー
◎最新プライベート・スタジオの全景見開き&機材ショット
◎新作のシンセ・サウンド徹底分析
■特集
マンガで分かる!
DAWミキサーの「正しい使い方」
ミキサーとは、さまざまな音の音量を調整し、それを文字通り“混ぜる”もの……確かに間違いではありませんが、それはミキサーのごく一部に過ぎません。ある信号だけを取り出したり、別の出力先へ送ったり……実にさまざまな音の交通整理を果たしてくれるのです。しかし、今はDAWソフトで作業する人がほとんど。かつては自宅録音のマスト・アイテムであったハードウェアのミキサーに触れたことが無いという人も多いでしょう。現在、音楽制作において最も身近なミキサーは、DAWソフト内部にある画面と言っていいかと思います。こうしてミキサーの存在がバーチャルになり、実際にケーブルで機材を接続することが少なくなった分、その持てるポテンシャルを十分に引き出していないのではないでしょうか? この特集では、現代のメイン卓とも言えるDAWのミキサーを中心に、そのルーティングの基本をマンガで紹介。細かなテクニックも交えて、ミキサーを使いこなすためのノウハウを紹介していきます。全くの初心者はもちろん、中~上級者もあらためて自分の使い方をチェックしてみてください。
■Cross Talk 大橋トリオ×早乙女正雄
MDR-CD900STに続く“新定番モニター・ヘッドフォン”を探せ!
ミュージシャン/エンジニアがプライベートな制作スペースで作業することが当たり前になった昨今、モニタリング用のアイテムとしてのヘッドフォンの重要性は今や非常に高いものとなっている。そんな中、色付けの少ない再生音で長らくスタジオの定番ヘッドフォンとして世界中のエンジニアから愛用されてきたのが SONY MDR-CD900ST。そして昨年末、同社より新しいフラッグシップ・モデルMDR-Z1000がリリースされた。HDドライバーユニットなど新技術が投入された同機は、果たしてどのような音を鳴らすのか? VICTOR・JVCとビクタースタジオが共同開発し、こちらも新開発のディフューザーを搭載した注目機種HA-MX10-Bと併せ、徹底試聴を行った。テスターは、ソングライティング/楽器演奏とともにミックスの手腕も高く評価されているアーティスト=大橋トリオとエンジニアの早乙女正雄氏。ミュージシャン/エンジニアの両方の観点から、3本の実力に迫りたい。
≪登場機種≫
◎SONY MDR-CD900ST
◎SONY MDR-Z1000
◎VICTOR・JVC HA-MX10-B
■レコーディング・レポート
坂本龍一NHKセッション
with 大友良英・大谷能生・ASA-CHANG・菊地成孔・やくしまるえつこ
坂本龍一はここ数年、『坂本龍一ニューイヤー・スペシャル』と題した特番を元日にNHK-FMでオンエアしているが、今年は5人のゲスト……大友良英、大谷能生、菊地成孔、ASA-CHANG、やくしまるえつこをNHKのスタジオに招き、おのおのと即興的なセッションを行うという、実に野心的なコンセプトで番組が制作された。元日の23時からという特殊な時間帯のオンエアであったものの、その演奏のすさまじいまでのクオリティにより、放送を聴いたリスナーからの反響も大きく、聴き逃した層も巻き込んで音源化を希望する声が高まっていた。うれしいことに、3月15日に弊誌のレーベルよりすべてのセッションを音楽配信サイトOTOTOYを通じてDSD配信できることなった。しかも配信に際しては、当日の録音も担当したエンジニアのzAk氏が、収録時のDSDマルチを使って再ミックスを行い、さらなる高音質を実現しているのもポイント。ということで、収録当日の模様を振り返り、これらの音源がどのように制作されていったのかをつぶさにレポートしてみる。
■短期集中連載
大滝詠一『A LONG VACATION』30周年リマスター盤を語る vol.1
歴史的名盤の呼び声高い大滝詠一のアルバム『A LONG VACATION』(以下『ロンバケ』)。この作品が1981年3月21日にリリースされてからちょうど30年目を迎える2011年3月21日にリマスター盤『ロンバケ30th Edition』が発売される。最初のCDが発売された1982年から、89年盤、選書盤、20周年盤、そして今回の30周年盤と、CDだけでも4回の改訂が行われているにもかかわらず、毎回コンスタントなセールスを記録しているのは、常に新しい世代がリスナーとして新規参入しているからにほかならない。とにかくそんな『ロンバケ』に関して、意外なことに当時の制作現場の話などを大滝本人がまとめて話す機会はちょっと見聞きしたことが無い。というわけで短期集中連載の初回は、『ロンバケ』のアイディアがどこから来たのかを大滝にさかのぼってもらいつつ、30周年リマスター盤がどのような変遷で作られたのか尋ねてみることにした。
■CLASSIC TRACKS
アーハ「テイク・オン・ミー」
ノルウェー出身の3人組ユニットが世に放ったシンセ・ポップの名曲「テイク・オン・ミー」には、失敗にくじけず粘り強く挑戦し続けるという、七転び八起きの精神が貫かれている。1985年秋に全米ビルボード・ホット100でトップの座に輝くと同時に、全英シングル・チャートでも第2位まで駆け上がった同曲は実際、そういった世界的な成功を収めるまでにかなりの紆余曲折を経ている。当初レコーディングした曲の仕上がりはレコード会社の意向にそぐわず作り直し。リメイク後、やっとリリースしたバージョンは結局大きなヒットに結びつかなかった……。そういった経緯から、最終的に発表され大ヒットを期したものを含む3つのバージョンが録音される結果に。プロモーション・ビデオに関しても、リリースされた2つのバージョン向けに全く別のものが制作されている。なかなか実を結ばなかった楽曲がアーハの代表作ばかりでなく、誰もが一度は聴いたことのある作品となった背景には、どんな出来事があったのか? 本稿では最もヒットした3番目のバージョンを手掛けたプロデューサーのアラン・ターネイとエンジニア、ジェリー・キッチンガムのコメントを軸に、3人のプロデューサーが織りなしたドラマも交えつつ、同作のサクセス・ストーリーをひもといていく。
■US Beat Makers Lab.
マルコ・ポーロ
■people
◎Salyu×小山田圭吾
◎リップスライム
◎冨田恵一
◎刀根康尚
■report
◎スタジオ・レポート: nhow Berlin
◎「ミックス・ダウン集中講座コンテスト」一次通過発表
◎エンジニアがミックスで使うUNIVERSAL AUDIO UAD-2
◎渡部高士が試すGENELEC 8260A
◎神戸TROOPCAFEのサウンドを彩るOYAIDE/NEOケーブルの実力~高音質イベント“REC”に潜入!~
◎コンサート見聞録:菊地成孔@新宿文化センター 大ホール
◎ライブ・スペース・レポート:SARAVAH 東京
■new products
◎STEINBERG Cubase 6
◎AVID HD I/O
◎WALDORF PPG Wave 3.V
◎SOFTUBE Tonelux Tilt
◎SHURE Beta 91
◎JZ MICROPHONES BT-201
◎PIONEER S-DJ05
◎MACKIE. HD1221
◎SOUND SCIENCE Wave Emphasizer LEF-Pro
◎KORG Kaoss Pad Quad
■LIBRARY
◎LOOPMASTERS RASMUS FABER LIVE HOUSE ELEMENTS
◎BIG FISH AUDIO Popn' Soul Guitars
■DAW AVENUE
◎STEINBERG Cubase 6
◎ABLETON Live 8
◎AVID Pro Tools 9
◎CAKEWALK Sonar X1
■seminars
◎ヒップホップ ビート・メイク道場/SUI
◎サンレコ打ち込み手帖/木本ヤスオ
◎ カンガルー・ポーの『マイク1年生』/中村公輔
◎エフェクターの基礎知識/渡辺正人
◎作曲に悩む人のためのプログラミング講座~エレクトロ編/Watusi
◎Q&A
■column
◎Independent Cities
◎Max for Liveで作る自分専用デバイス
◎THE CHOICE IS YOURS/原雅明
◎素晴らしきビンテージの世界/三好敏彦
◎そこのにいさん どこ向いてんのよ/戸田誠司
◎祐天寺浩美のお部屋一刀両断
◎私の手放せない一品~三浦康嗣のKORG MicroKorg XL
■sound&recording review
◎NEW DISC
◎ENGINEERS' RECOMMEND
◎RE-ISSUE
◎VIDEO
◎BOOKS
◎NEWS