MAGAZINES

サウンド&レコーディング・マガジン 2013年2月号

定価1,047円 (本体952円+税10%)
発売日2013.01.15
品種雑誌
仕様A4変形判 / 280ページ / CD付き

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内容

ブンブンサテライツ新作! 付録CDにスペシャル音源も収録

■巻頭インタビュー
ブンブンサテライツ
新スタジオを得て解き放たれたダイナミックな音世界
中野雅之(b、g、k、prog)と川島道行(g、vo)の2人から成るブンブンサテライツが、オリジナル・アルバムとしては8作目となる『EMBRACE』を1月9日に発表した。2010年に発表された前作『TO THE LOVELESS』も最高傑作との呼び声が高かったが、本作ではサウンドに懐の深さが加わり、前作のさらに上を行くすさまじいまでの音響空間が作り上げられている。その鍵を握っていたのが新しいプライベート・スタジオ=studio NICE。長年使ったスタジオを離れ、新鮮な気分でレコーディングからミックス、そしてマスタリングまですべてのエンジニアリングを、中野が1人で手掛け完成したという。早速、そのスタジオを尋ね、本作の制作過程について2人に話を聞いてみることにしよう。

■作曲支援ツールを新搭載!
独自の進化を遂げたCubase 7
いまやDAW界においてスタンダードとなっている“ASIO”“VST”といった規格を生み出したドイツのメーカー、STEINBERG。同社の看板ソフト=Cubase(キューベース)は1989年にATARI版シーケンス・ソフトとして誕生した。その後VST/SXシリーズなどのバージョン・アップを繰り返してきたが、ここに来てCubase 6.5から非常に短いタームで最新バージョンの“Cubase 7”を発表。そこかしこに新機能を盛り込んだ大型バージョン・アップとして話題となっているが、その背景には2005年から親会社となったYAMAHAのテクノロジーが生かされていることが想像でき、いわば両社のノウハウが高いレベルで結び付いた“独自進化型DAW”になったと言えるだろう。他のDAWとは確実に一線を画すこのCubase 7、ヘビー・ユーザーとして知られる牛尾憲輔氏(agraph)のナビゲーションで、新機能を中心に実戦的な視点から見ていこう。既存ユーザーはもちろん乗り換え組も必読だ。

■付録CD連動特別企画
“グルーブ・マスター”ジェームス・ギャドソンのプレイを
STUDERのアナログ・テレコで収録した“極上のドラム素材”を
中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES)とCoffee&Cigarettes Bandが料理!
1970年代ファンク/ジャズのレコードからドラム・ブレイクを抜き出し、ループしたり組み替えることで新たなグルーブを作り出すブレイクビーツ。1970年代後半にDJクール・ハークによって発見されたこの革命的な音楽制作手法は、今やヒップホップの枠を超え、あらゆるジャンルの音楽に影響を与えている。今回本誌は、マーヴィン・ゲイ「アイ・ウォント・ユー」やビル・ウィザース「ユーズ・ミー」など数々の古典的ドラム・ブレイクをたたき出したウエスト・コースト伝説のグルーブ・マスター=ジェームス・ギャドソンの生演奏を録音する好機を得、エンジニア内田直之氏がアナログ・テレコSTUDER A80とNEVE 5315でフル・アナログ・レコーディング。さらに、収録した極上のドラム・ブレイクを基に中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES)とCoffee&Cigarettes Band(DJ Kensei&DJ Sagaraxx)の2組にオリジナル・ビートを構築いただいている。それぞれの制作過程の詳細なレポートや、ギャドソンを師と仰ぐドラマー沼澤尚とDJ Mitsu The Beatsの特別対談記事などを通して、今なお多くのクリエイターをとりこにする“ドラム・ブレイク”の持つ奥深い魅力にあらためて迫りたい。なお、ギャドソンのドラム素材は付録CDのデータ部分に収録されており、ビート・メイク・コンテストの開催も決定!

■スペシャル・レポート
渋谷慶一郎+岡田利規
ボーカロイド・オペラ『THE END』
ピアノから電子音楽まで幅広い音響作品の制作を行っているアーティストの渋谷慶一郎が、去る12月1日~2日に、チェルフィッチュを主宰する演出家・劇作家の岡田利規と組んで、『THE END』と題した新作オペラを山口情報芸術センター[YCAM]で上演した。オペラの主演はボーカロイドのキャラクターとして知られる“初音ミク”。超高解像度のコンピューター・グラフィックスによって描かれた初音ミクが、パースを強調するように設置された三面のスクリーンへと投影され、想像を絶する低域を含んだベース・ミュージックを従えて、アリアそしてレチタティーボというオペラのマナーにのっとった歌を歌う。舞台上手にある建造物のようなブースに渋谷の姿を認めることができるが、ストーリーに関与する様子はなく、終始人間不在のまま進行していくという、まさに型破りな舞台であった。世界初のボーカロイドによるオペラということで、制作が発表されたときから注目を集めていたが、上演日間近になってルイ・ヴィトンのアーティスティック・ディレクター、マーク・ジェイコブスのチームが初音ミクの衣装デザインを担当することが発表されると、期待の高まりはマックスに。結果として音楽、ファッション、メディア・アート、演劇、アニメなど、さまざまな分野の関係者やクリエイターが山口に集結する一大イベントとなったこのオペラの模様を渋谷へのインタビューを中心にレポートしよう。

■インタビュー
コーネリアス
“こどもたちの未来をハッピーにする「デザイン的思考」を育てる番組”というコンセプトのもと、NHK Eテレで放映中のテレビ番組『デザインあ』。放映開始直後からその質の高さが話題になっていたが、何と昨年のグッドデザイン大賞も授賞。それを記念してということではなかろうが、このたびコーネリアスによる番組のサウンドトラックがCDとして発売されることになった。かわいいインストから、やくしまるえつこや嶺川貴子が参加した不思議なポップ・チューンまで、実に面白い内容になっており、“コーネリアスの新作が聴きたい!”という渇望を十分満たしてくれる。早速、小山田に本作の成り立ちについて聞いてみることにした。

■Cross Talk TAKUYA×佐久間正英
アンプ・モデリングの最終兵器“Kemper”
2011年にリリースされて以降、局地的に話題となっているKEMPER Kemper Profiling Amplifier。本機はギター・アンプの特性をプロファイリングすることで、まったく同じサウンドを出力できるマシンである。従来、アンプ・サウンドをシミュレートする製品は、LINE6 Podのように特定のアンプをシミュレートしたプリセットを選択して音色を使うもしくはエディットするというものが多かった。Kemperは自らアンプのプロファイリングを行い、その解析データを本体に蓄積できるという点でも一線を画している。加えてKemperはこの手の機材の弱点でもあったキャビネット~マイクの再現力にも秀で、まさにシミュレート系機材の最終兵器とも言えるポテンシャルを秘めているのだ。そんなKemperの実力をギタリストのTAKUYAとプロデューサーの佐久間正英を迎えてチェック。実際にビンテージ・アンプをプロファイルして音色を比較し、“本当にそん色がない音なのか”プロ目線でシビアに評価してもらった。

■Classic Tracks
フランク・シナトラ
「あなたはしっかりわたしのもの」
フランク・シナトラの素晴らしいキャリアは70年と長きに及ぶが、そのシンガーとしての最盛期は1950年代半ばのキャピトル時代と見る者も少なくない。豊かなバリトンで多くの若い女性ファンを魅了し、ポピュラー・ミュージック界初の本格的ティーン・アイドルとなった1940年代のコロムビア時代と、ワーナー・ブラザーズと共同で設立した自身のレーベルから作品を発表するようになった1960年代のリプリーズ・レコード時代との間に挟まれたキャピトル時代は、シナトラのビロードのように柔らかく深みのある声質と、すぐにそれと分かる独特のフレージングを確立した時期であるばかりでなく、“ザ・ボイス”という愛称で世間に最も広く親しまれ、多くのシンガーの手本になった時期でもある。そんなキャピトル時代に生まれた名曲が「あなたはしっかりわたしのもの」である。同曲に携わったエンジニア、ジョン・パラディーノが当時の録音風景を回想してくれた。

■コンサート見聞録
the HIATUS@NHKホール

■Beat Makers Laboratory
ピーキング・ライツ

■people
アスピディストラフライ

■report
◎レコーディング・レポート:中島ノブユキDSDレコーディング
◎イベント・レポート:冨田勲「イーハトーヴ交響曲」
◎自宅録音からライブPAまで! PRESONUS StudioLive 16.0.2を使い倒す!
◎坂本美雨×mito『シロネコクロネコ』をリマスター
◎スタジオ・レポート:バーニッシュ・ストーン
◎My Favorite UAD-2 Plug-Ins~JUN (80KIDZ)
◎AVID AAXプラグイン~佐久間正英
◎ROLAND Integra-7~Tom-H@ck
◎YAMAHA ACP-2~田中隼人
◎YAMAHA DXR導入ストーリー~桜井誠文堂
◎ライブ・スペース・レポート:RED-Zone

■new products
◎AKAI PROFESSIONAL MPC Studio
◎TOONTRACK EZ Keys-Grand Piano
◎IZOTOPE Trash2
◎EVE AUDIO SC207
◎DPA D: Facto

■LIBRARY
◎PRODUCER LOOPS Symphonic Series Volume 4:Piano & Orchestra 1
◎SAMPLE MAGIC Drum&Bass SM31

■DAW AVENUE
◎STEINBERG Cubase 6.5
◎ABLETON Live 8
◎AVID Pro Tools 10
◎CAKEWALK Sonar X1

■seminars
◎  新連載 Max 6で作る自分専用パッチ/Katsuhiro Chiba
◎  Science Of The Beat/SUI
◎カンガルー・ポーの『ミックス1年生』/中村公輔
◎Q&A

■column
◎Independent Cities
◎THE CHOICE IS YOURS/原雅明
◎そこのにいさん どこ向いてんのよ/戸田誠司
◎素晴らしきビンテージの世界/三好敏彦
◎祐天寺浩美のお部屋一刀両断
◎私の手放せない一品~浦本雅史のUREI/TELETRONIX LA-3A

■sound&recording review
◎ENGINEERS' RECOMMEND
◎RE-ISSUE
◎BOOKS

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