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内容
【特集】ケヴィン・シールズ
[マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン]
“美しいノイズ”を生み出す天才のすべて
"「美しいノイズ」を生み出す天才"と大胆に書いてしまったが、
これは別に大袈裟な言葉ではない。
マイ・ブラッディ・ヴァレンタインのギタリスト、ケヴィン・シールズ。
1991年、彼がほぼ1人で作り上げた代表作『loveless』で鳴り響く轟音は、
破壊衝動や怒りを表現するネガティブなノイズとは違う。むしろその逆だ。
もっと甘美で、カラフルで、快楽的。
まさに"美しいノイズ"としか言いようのない、
一見矛盾しているような表現を見事に成し遂げた。
つまり、ケヴィンという人は革命をもたらしたのである。
そして彼の音は"シューゲイザー"という形容とともに、
現在に至るまで無数の音楽ジャンルに吸収され、根付いている。
このたび、そんなケヴィンへの3時間に及ぶインタビューが初めて実現した。
また、彼自身による手厚い協力も得て、
謎に包まれた使用機材や奏法もディープに解き明かすことにも成功。
かつてない豊富な情報量をもって、ケヴィン・シールズの大特集をここにお届けする。
一般的に"ギター・ヒーロー"と言えば、華麗なギター・ソロや
パフォーマンスで魅せる人を思い浮かべるかもしれないが、
今回の主人公、ケヴィンはそのどちらも得意としていない。
さしたるヒット曲もないし、知る人ぞ知るギタリストかもしれない。
でも、本誌は声を大にして言いたい。
ギター・サウンドの常識を変えたケヴィン・シールズという男は、
間違いなく偉大なギター・ヒーローなのだと。
■月刊マイブラジャーナル
マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、およびケヴィン・シールズって何がすごいの? まずは入門として、彼とバンドの魅力を語るうえではずせないトピックをまとめてみた。"もう知ってるよ!"というコアなファンは飛ばして次のコーナーへGO!
■25,000字インタビュー:ケヴィン・シールズ、すべてを語る。
それでは、ケヴィンのロング・インタビューをお届けしよう。彼へのとり下ろし取材は、本誌ではこれが初めて。ついに叶った念願の出来事である。ということで多数の質問を用意して臨んだところ、"時間なんて気にすることはない"と手厚く出迎えてくれ、当初の約束をはるかに超える約3時間のインタビューがここに実現。自己を形成したルーツやギター・サウンドについての話はもちろん、今回は特別に『loveless』の全曲解説をみっちりとしてもらった。文字量は合計約25,000字。ギターの常識を変えた天才が、すべてを語る。
■盟友からのメッセージ1:サーストン・ムーア
今回のケヴィン・シールズ特集にあたり、彼と80年代から交流があるサーストン・ムーアに特別インタビューを行なった。ソニック・ユースとマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン......80年代後半から90年代前半にかけて、ロックにおけるギターの在り方を変えた偉大な2バンドのギタリストは、何に共鳴したのだろうか?
■盟友からのメッセージ2:J・マスキス(ダイナソーJr.)
今号でダイナソーJr.の新作『Sweep It Into Space』について語ってくれたJ・マスキスだが、何とケヴィン・シールズについても話を聞くことができた。マイブラとも親交が深いダイナソーJr.。Jはケヴィンに対してどんな印象を抱いているのだろうか?
■マイブラ作品徹底解説。
ここでは、5月21日にリイシュー盤が発売予定であるマイ・ブラッディ・ヴァレンタインの4作品(『Isn't Anything』、『loveless』、『m b v』、『ep's 1988-1991』)を中心に、改めて必聴アルバムを紹介する。本稿を読み、再び彼らのサウンドに耳を傾ければ、新たなマイブラの音像が浮かび上がるだろう。
■本人直伝チューニング多数! ケヴィン・シールズ奏法分析
特殊な変則チューニングを多用しながらもケヴィン本人が詳細を語らなかったことから、長年謎が多かったマイ・ブラッディ・ヴァレンタインのギター・ワーク。しかし本特集に際して、なんとケヴィンが何曲かのチューニングを直伝してくれた! 本コーナーではその情報をもとに譜例を解説していこう。
■国内ギタリストが語る、ケヴィンの凄み。
・タテミツヲ(ex.コクトー・ツインズ)
・SUGIZO
・永井聖一(相対性理論)
・Takaakira 'Taka' Goto(MONO)
■元アンプ・テックが語るケヴィンのサウンド美学
■ケヴィン愛用機材総覧。
ここからは、ケヴィン・シールズの愛用機材をご紹介しよう。これまでケヴィンの機材については不明点が多かったが、今回の特集に際して関係者と本人から提供してもらった機材写真、そして証言をもとに、わかる範囲でまとめてみた。『loveless』のジャケットにも登場している最も重要な"ラヴレス・ジャズマスター"といったギターを始め、近年のライブで使用しているアンプ、エフェクト類などの使い方を見ていこう。
■COLUMN:ケヴィンを形成したミュージシャン
■COLUMN:マイブラ以外の課外活動
■DEATH BY AUDIO 破壊的ノイズに垣間見る美学
ニューヨークを拠点に2002年から活動を開始し、数あるエフェクター・ブランドの中でも一際異彩を放ち続ける存在、DEATH BY AUDIO。彼らが作り出すペダルのほとんどは過激なファズとノイズを生み出し、コントロールが困難なものも少なくない。だが、同時にどのペダルも単なる"飛び道具"に留まらない音楽的な深みを内包し、そのサウンドがユーザーから強く支持され続けている。本特集ではそんな彼らのルーツを探りつつ、代表的モデルについて紹介していこう。
■GM SELECTION(※電子版には収録されておりません)
・「PRISM」PRISM
・「勿忘」Awesome City Club
■INTERVIEW & GEAR
・J・マスキス(ダイナソーJr.)
・スワーヴドライヴァー
■PICKUP
・俺のボス/滝 善充(9mm Parabellum Bullet)
・アコースタソニック・シリーズにジャズマスターが登場!
・ギターコード指板図くんの使い方
・FENDER MADE IN JAPAN HYBRID Ⅱ× Suspended 4th(鷲山和希&澤田誠也)
・ユニバーサル・オーディオ UAFXペダル・シリーズ
・ビンテージ・サウンドを追求したスプリング・リバーブ・ユニットの実力 by鈴木茂
■連載
・トシ矢嶋のLONDON RHAPSODY
マーク・スピアー(クルアンビン)の「此処ではない何処かへ」
・40枚の偉大な◯◯◯名盤 第6回:80年代シティ・ポップ
・Opening Act/ジョニー・ダイアモンド(首振りDolls)
・ジャキーン!~『SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん』番外編
・横山健の続・Sweet Little Blues
・9mm滝のまたやっちゃいました~世界の滝工房から
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