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2018.03.01
ビートルズ来日をめぐる人間ドラマを丹念に描く感動のノンフィクション! 『ウェルカム!ビートルズ 1966年の武道館公演を実現させたビジネスマンたち』発売
インプレスグループで音楽関連の出版事業を手掛ける株式会社リットーミュージック(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:古森優)は、ビートルズ来日をめぐる人間ドラマを丹念に描く感動のノンフィクション『ウェルカム!ビートルズ 1966年の武道館公演を実現させたビジネスマンたち』(佐藤剛 著)を、2018年3月12日に発売します。
1966年のビートルズ来日公演、それは彼らがライブ活動を停止する直前のことであり、まさに最初で最後のチャンスだった。数々の障害を乗り越えて奇跡のイベントを成功させた陰には、さまざまなビジネスマンたちが関わっていた。その中心にいたのがビートルズのレコードの発売元、東芝音楽工業の実質的な経営者だった石坂範一郎という人物である。東芝の社長と経団連の会長を務めて、"財界総理"と呼ばれた戦後最大の財界人、石坂泰三の肝煎りで設立された東芝のレコード部門は1960年に東芝音楽工業として独立し、範一郎はその運営を任されてレコード会社を大きく成長させていく。泰三の縁戚にあたる範一郎は「ビートルズのレコードを売ったディレクター」として知られる洋楽マン、石坂敬一の父親でもある。
1963年6月、東アジアの島国から坂本九の「Sukiyaki(上を向いて歩こう)」がアメリカに上陸、全米No.1に輝いて世界中でヒットしたが、これは範一郎の仕事であった。まもなく範一郎は、イギリスで大旋風を巻き起こしていたビートルズの日本発売を決めて、見事にヒットへと導いた。そして、ビートルズの招聘を計画することになる。
来日公演の実現に向けて動き出した範一郎はイギリスのEMI、およびビートルズのマネージメント会社のNEMSと交渉を重ねた。そのために雑誌『ミュージック・ライフ』をサポートし、泰三の助力を仰ぎ、読売グループの総帥である正力松太郎まで担ぎ出している。範一郎は一連の交渉状況をまったく表に出さず、秘密裏に進めていった。そして協同企画エージェンシーの永島達司へと、最終的な実行役を引き渡したのだった。
著者の佐藤剛は音楽ビジネスの視点から、ベールに隠されていたその実現過程を丹念な取材で掘り起こす。ビートルズのマネージャーのブライアン・エプスタイン、広報担当のトニー・バーロウ、ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、キャピトルのA&Rだったデイブ・デクスター・ジュニア、担当ディレクターの高嶋弘之、『ミュージック・ライフ』の草野昌一と星加ルミ子、そして永島達司、正力松太郎、石坂泰三など多様な登場人物の動きが生き生きと描写されて、壮大な人間ドラマが浮かび上がってくる。
これは戦後の日本における経済復興の象徴だったリーディング・カンパニー、東京芝浦電気の中の小さな事業部として生まれた東芝レコードにまつわる、音楽とビジネス、そして少年少女たちの夢をめぐる物語である。明治生まれの教養人で目立つことを嫌った「サムライ」のような紳士たちによって、日本の音楽史にビッグバンが起こるまでのドキュメント。
■書誌情報
書籍『ウェルカム!ビートルズ 1966年の武道館公演を実現させたビジネスマンたち』
著者:佐藤剛
定価:(本体2,000円+税)
四六判/416ページ
発売:2018年3月12日
書籍情報ページ https://www.rittor-music.co.jp/product/detail/3117313025/
【目次】
第1部 ビートルズ登場の衝撃
第2部 レコード産業へ進出した名門の東芝
第3部 招聘計画
第4部 〝財界総理〟の力強い後押し
第5部 使命を全うしたサムライたち
■著者プロフィール
佐藤剛(さとうごう)
1952年岩手県盛岡市生まれ、宮城県仙台市育ち。明治大学卒業後、音楽業界誌『ミュージック・ラボ』の編集と営業に携わる。シンコーミュージックを経て、プロデューサーとして独立。THE BOOM、ヒートウェイヴ、中村一義をはじめ数多くのアーティストの作品やコンサートを手がける。2008年に株式会社ファイブディー・ラボを設立。由紀さおりのアルバム『1969』でシニア・プロデューサーを務めた他、マルシア、ジェロの楽曲プロデュース、小泉今日子と浜田真理子による音楽舞台「久世光彦 マイ・ラスト・ソング」の演出なども手がけている。
著書にノンフィクション『上を向いて歩こう』(岩波書店、小学館文庫)、『黄昏のビギンの物語』(小学館新書)、『歌えば何かが変わる:歌謡の昭和史』(篠木雅博との共著・徳間書店)、『美輪明宏と「ヨイトマケの唄」天才たちはいかにして出会ったのか』(文藝春秋)がある。
現在、株式会社ボイジャーにて「阿久悠と歌謡曲の時代」を連載中。この連載ではビートルズの来日によって日本に起こった音楽の新しい波をドキュメントしている。
阿久悠と歌謡曲の時代 https://romancer.voyager.co.jp/cafe/
【本件に関するお問合せ先】
株式会社リットーミュージック 広報宣伝担当
Tel: 03-6837-4728/ E-mail: pr@rittor-music.co.jp