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休日課長(ゲスの極み乙女。/DADARAY)インタビュー|ベース・マガジン 2017年7月号より
Text by 中村健吾
まさに休日返上の多忙ぶりだ。ゲスの極み乙女。の休日課長が、新たなプロジェクトDADARAYの始動を表明したのが2017年1月。ちょうどゲスの極み乙女。は活動休止状態にあり、しばらくはDADARAYでマイペースに活動するのかと思いきや、ゲスの極み乙女。は発売延期になっていた3rdフル・アルバム『達磨林檎』を5月に発売して活動再開、DADARAYは4月にリリースが告知されていた1stミニ・アルバム『DADAISM』に続いて、5月と6月にも連続でミニ・アルバムを発表する。現在の課長のモードはどのようなものなのか。怒涛の連続リリースについて聞いた。
昔から持っていたものと 新しく取り入れたものを 満遍なく出せた作品なのかな。
─まずは、ゲスの極み乙女。の3rdフル・アルバム『達磨林檎』についてお聞きします。本来は昨年末のリリース予定だったということで、昨年1月に出した前作『両成敗』からかなり短いスパンで作っていたということになりますよね。
課長 私自身も、早いなと思いました(笑)。もう次のアルバムを出すのかって。でも、川谷(絵音/vo,g)が、いきなりフル・アルバムを作っちゃうほうが絶対にいいからって言ってたと思います。そこからは1曲1曲を無我夢中で作っていったというか。落ち着いて腰を据えてやったという感じではなく、もうひたすら作っていきましたね。
─課長さん自身、『両成敗』によって、ベーシストとしての注目度もより高まったと思いますが、そういうなかで、いちベーシストとして本作にはどう取り組もうと思いましたか?
課長 自分のスタンスっていうのは、会社員を辞めてアーティストでやっていこうって決めてからあまり変わっていなくて。これまであまりやってなかったフレーズなりニュアンスを出していこうというのは漠然とありますね。 "自分はこういうスタイルのベーシストだ"っていうのを、今はまだ決める段階じゃないのかなとは常日頃から思っていて。だから今回も、"いろいろやってみたい"くらいの感じではいましたね。
─個人的には、タイトに細かい符割を弾いていく人っていう印象もあったんですが、今作を聴くと、もっと大きな流れのベース・ラインを意識しているのかなと思ったんですよ。
課長 作品ができてから時間があったので改めて冷静に聴いてみると、確かにそういうところは自分でも感じます。逆に派手さはちょっと抑えられているかもしれませんね。もちろん細かい部分もけっこうあって、「ゲストーリー」とかは自分の持ち味が出たのかなっていう気はしますけど、全体的に今回は音色の関係もあって、細かく弾いていても大きく聴こえるみたいなところがあるのかなと。音数を詰め込むっていうよりはキャッチーなフレーズを入れたいという気持ちも強くて、それがそういう大きなノリが増えたことにつながっている部分はあるかもしれないですね。
─「Dancer in the Dancer」はちょっとネオソウルっぽいところもある曲で、サビが波のような音価の長いフレーズですよね。これまでの音を詰め込んだり、細かく切っていったりというのとはまた違う方向のアプローチだと思います。
課長 メジャー・デビューする前の作品には、けっこうこういうアプローチの曲も多くて、実はそういうプレイは好きでもあるんですよね。昔の曲だと「ユレルカレル」はけっこう私の好きなニュアンスだったりするんですけど、「Dancer in the Dancer」のサビはそれに近い感じで弾いているというのがあって。そういう意味では、この作品は昔から持っていたものと新しく取り入れたものを満遍なく出せたのかなと思いますね。
品種 | 雑誌 |
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仕様 | A4変形判 / 156ページ |
発売日 | 2017.06.19 |