• トップ
  • PICK UP
  • ナッシュビルでレコーディングをした日本人ミュージシャン【特集】「アメリカ音楽の聖地」ナッシュビル・スタジオ最新事情②|サウンド&レコーディング・マガジン2017年11月号より

PICK UP

  • サウンド&レコーディング・マガジン

2017.10.12

ナッシュビルでレコーディングをした日本人ミュージシャン【特集】「アメリカ音楽の聖地」ナッシュビル・スタジオ最新事情②|サウンド&レコーディング・マガジン2017年11月号より

Text by Yoshihiko Kawai,Photo by SQUARE ENIX

【Interview】ナッシュビルでレコーディングをした日本人ミュージシャン❶〜鈴木光人、とくさしけんご、本澤尚之

スクウェア・エニックスに所属する作曲家、鈴木光人。これまでに同社の『LIGHTNING RETURNS:FINAL FANTASY XIII』『スクールガールストライカーズ』などを手掛けてきたが、今回は『メビウス ファイナルファンタジー』の楽曲録音のため、今年4月にOcean Way Nashvilleを訪れたという。同行したのは、同作で編曲を手掛けたとくさしけんごと本澤尚之。3人にレコーディングの様子を振り返ってもらった。

▲レコーディング時にコントロール・ルームで撮られた一枚。左からとくさしけんご、鈴木光人、本澤尚之、セッション・コーディネーターの備耕庸、そしてコンダクターのジョン・グラハム

合理的な進め方で行われたOcean Way Nashvilleでのレコーディング

今回Ocean Way Nashvilleを選んだ理由とは?

鈴木 1年くらい前からリサーチをかけていて、最初はサンフランシスコのスカイウォーカー・サウンド1択だったんですよ。でもいろいろ考えていったら、バジェットに問題が出てきたのと、今回はハリウッド的なサウンドは必要ないなとなったんです。そうしたら、コーディネーターの方が、近年人気のあるナッシュビルがすごく演奏者のスキルも高くて、コストも安いからオススメですよと教えてくれたんです。実は3年くらい前に別のプロジェクトで、とくさし君と一緒にリモート録音をOcean Way Nashvilleで行ったことがあったんですよね。
とくさし 男女20人くらいのクワイアだったはずです。

今回は2曲分録音したそうですね。

鈴木 僕ととくちゃんが「エンディングロール」を作っていて、本澤君にはバトル曲をお願いしていたんですよ。ゲーム的に言ったらノーマル・バトルの曲をお願いしたんですけど、ボス級のデモが来ちゃって(笑)、それならOcean Way Nashvilleで録ろうと誘ったら、即答で"行く!"って返事で。それがもう一曲の「ラストバトル」です。
本澤 僕は今まで海外レコーディングの経験がなかったので、いいチャンスだと思ったんです。
とくさし 僕も今回が初でしたね。学びが多かったです。

レコーディングまでの準備はどのように?

とくさし 準備が今回のハイライトでしたね。日本とはだいぶ違っていて、綿密な準備をするんですよ。曲への口出しは無いんですけど、それをどう録るかをすごく相談してくるんです。例えば、パンチ・インするかもしれない個所があれば、それも譜面に書いておけとか、1回で録れないと想定するなら、スコアを分けておけとか。
鈴木 あれは結構大変だった。でも合理的だよねって。
とくさし 現場の対応もそうだし、当日もそうだし、ものすごく合理的なんですよね。無駄な時間を0秒にしたいという意志がヒシヒシと伝わってきて、小節番号のフォントの大きさもすごく大きくするように指示されました。でも現場で見て、指揮者が小節番号を言ったら1秒で全員が分かるためには、重要だなと思いましたね。

(続きはサウンド&レコーディング・マガジン2017年11月号にて!)


品種雑誌
仕様B5変形判 / 332ページ / CD付き
発売日2017.09.25