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【Interview】Pandora=小室哲哉×浅倉大介|サウンド&レコーディング・マガジン2018年3月号より
Text by Yoshihiko Kawai, Photo by Hiro Sato
小室哲哉と浅倉大介。2人は同じ音楽プロデューサーでありキーボーディスト、そしてTM NETWORKでは師弟関係として同じステージにも立っていたが、その後もglobeやaccess、プロデュースなどそれぞれの活動で多忙を極めていた。そんな中、2人がついに新ユニットPANDORAの結成を発表したのが2017年の夏。9月に配信リリースをしたほか、"ULTRA JAPAN 2017"にも出演するなど、注目のユニットとして話題を集めていた彼らが、いよいよ1stシングルを1月に、ミニ・アルバムを2月7日に発売することがアナウンスされた。編集部は、そのミニ・アルバム用の楽曲を制作しているという都内のホテルで2人をキャッチ。制作中の楽曲についてのほか、今、PANDORAとして目指す音楽の展望について聞いた。
僕の作業の9割くらいは
音作りで占められているんですー小室
ー本日はホテルに機材を持ち込み作業していたということですが、PANDORAの制作は場所を選ばず行っているのですか?
小室 そうですね。特に場所にこだわっているわけではなく、大ちゃん(浅倉)のスタジオでも作業したことがありますし。逆にPANDORAではレコーディング・スタジオを使ったのは1回だけですね。Red Bull Music Studios Tokyoだったんですけど、モチーフを幾つか作っただけだったので、卓も使わず、スペースも持て余していましたよ(笑)。
ーこれまでの小室さんの制作方法からすると意外ですね。曲作りをする際、2人の役割分担はあるのですか?
浅倉 基本的には僕のAPPLE MacBook Proに立ち上げたAPPLE Logicで作業するんですけど、今日は、僕の画面をホテルのテレビに、ワイアレスHDMI送受信機を使って写しているんです。その画面を先生(小室)が見ながら、ソフト・シンセで音作りをしたり......。
小室 大ちゃんのパソコンにワイアレスで接続したマウスを使って、ソフト・シンセのパラメーターをいじって音作りをするんです。僕の作業の9割くらいは音作りで占められているんですよ。まず使うソフト・シンセのプリセット・サウンドからオーディションして、それが決まればエディットをする。一つ一つすごく時間をかけるわけです。ソフト・シンセはアルペジエイターが優れているものほど好きですね。アルペジエイターを走らせるのが好きというわけではなく、アルペジエイターを使ったフレーズが好きなんです。スウィング感が良いものとか。最近ではTONE2 Electra2は気に入っているシンセの一つですね。あとサウンドで今一番好きなのは、REVEAL SOUND Spireかもしれない。ベスト3を選ぶならあと一つはIK MULTIMEDIA SampleTank。この3つがあれば、僕はどうにか形にできますね。
ー浅倉さんの中で最近ブームになっているソフト・シンセはありますか?
浅倉 汚れた系のサウンドにはLENNARDIGITAL Sylenth1やXFER RECORDS Serumなどを使っていますが、一番太く汚れた音を作れるのは、巡り巡ってNATIVE INSTRUMENTS Massiveだと気が付きました。Massiveのイニシャルから作る音が一番ハマっているんです。あれは素の状態から音作りをするとすごく良い音になるんですよね。
ーPANDORAでも使っているのですか?
浅倉 いずれ登場すると思いますよ。
ー浅倉さんは、小室さんが音作りをしている最中はどんなことをしているのですか?
浅倉 お茶を飲んだりしています(笑)。もちろんそれだけではなく、脳内でスクリーンショットを撮るイメージで、先生のやっていることを見ているんですが、作られた音から、どんなフレーズが生まれそうか、どう展開させたら面白いかなど考えていますね。
(続きはサウンド&レコーディング・マガジン2018年3月号にて!)
サウンド&レコーディング・マガジン 2018年3月号
品種 | 雑誌 |
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仕様 | B5変形判 / 260ページ |
発売日 | 2018.1.25 |