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玉田豊夢に聞く DRUM SETTING観 | リズム&ドラム・マガジン2018年7月号より
Text by 小宮勝昭(かんぱち、モロモログロッキー、他), Photo by 八島崇
リズム&ドラム・マガジン2018年7月号では、2号連続特集「the DRUM SETTING! 前編 feat.玉田豊夢」を掲載。膨大な数のレコーディング/ライヴをこなすトップ・ドラマー=玉田豊夢が現在所有するすべてのドラム・セット&スネア・ドラムを見せていただき、セッティングや楽器観を通じて、彼の"音楽"も感じ取ることができる内容となっている。
セッティングへのこだわりより曲を一番良くするためのこだわりの方が強い
●まずセッティングの決まりごとはありますか? 例えばセットする順番は?
○まずキック(バス・ドラム)の位置を決めて、あとはだいたい適当に置いていって後から調整します。自分の中で、ここに置いたらこの距離っていうのがわかっているので、適当に置いても、ほぼ自分のセッティングになってますね。あとはフロア・タムの脚の長さを最後に椅子に座って調整するくらい。
シンバルの高さも毎回変わったりしますし、例えば、軽やかにライドを叩く曲だと、ちょっと高くして角度をつけて傾けた方が演奏しやすい。そうなるとクラッシュも、ライドの上に高くセットするのがいいのか、逆にライドの下に低くセットするのがいいのか、曲によって決まってきます。さらにアメリカン・ロックみたいなイメージの曲だと、デイヴ・グロールみたいにハイハットを高くした方が、スネアを叩く左手も振り上げやすいし、細かく刻まない、ザクザクした音を出すのに適してますよね。そういう、"気持ち"がのめり込みやすいようにセッティング自体が変わります。
●1バスで、1タムで、フロアは2だったり1だったりしますが、このセッティングへのこだわりは?
○単純に1タムが自分のベーシックなので、より"邪念がなくできるセッティング"なんです。一番叩きやすくて、見た目も1タムが好きなので、それがベーシックなんですけど、たまに変な、すごいセッティングにすることがあって......。そういうのは今回紹介できなかったんですけど、「ちょっとこれは2タムが必要だ」っていう曲があったら、それをやるんです。
でも僕は、基本はすごく低くセッティングするのでキックの上にタムが2つきちゃうと、すごく叩きづらいんです。70〜80年代のポール・ハンフリーみたいな、タム2つをあえて離してセッティングすることもありますけど、基本は2タムを目の前に低くセットしたい。そうするとキックがそのままでは置けないので、ツイン・ペダル(のスレイヴ側)を使って、リモート・バスドラがくる位置に持ってくるんです。そうなると目の前にキックがなくなるので、もうタムは置き放題(笑)。逆エイブ・ラボリエルJr.状態ですね。やっぱり「タムが2〜3個あった方が音楽的だな」ってときがたまにあるんですよね。(1タムに)こだわりはあるんですけど、逆にこだわりがないみたいな。"曲を一番良くするためのこだわり"の方が強いんです。
本誌では、玉田豊夢氏のドラム・セット10台とスネア・ドラム31台を豪華写真と共に掲載。各機材についての細かいコメントやインタビューの続きは、リズム&ドラム・マガジン2018年7月号をチェック!
リズム&ドラム・マガジン 2018年7月号
品種 | 雑誌 |
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仕様 | A4変形判 / 164ページ |
発売日 | 2018.05.25 |