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えやま[DENIMS] 新作『makuake』で感じた"自身とバンドの変化"
Text by Rhythm & Drums Magazine Photo by Tetsuro Sato
6月25日発売のリズム&ドラム・マガジン8月号では、サーキット・イベントなどでの入場規制が話題となっているバンド、DENIMS(デニムス)のえやまにインタビュー! バス・ドラム/スネア・ドラム/フロア・タムという"タムなしセッティング"でグルーヴの要を担う彼に、バンドを続けて感じたという変化を語ってもらった。ここでは、その内容の一部をお届けしよう。
「夜にとけて」は
こだわりがたくさん詰まった曲
●M4「夜にとけて」は緊張感と浮遊感を演出するアプローチにこだわりを感じました。
○前作(『DENIMS』)でも「ゆるりゆらり」が似たような雰囲気で、今回もカマチューからそういった曲をやりたいと持ちかけられたんです。僕もその頃(「ゆるりゆらり」)から勉強して、練習し始めて、その成果が出せると思って、めちゃくちゃ気合が入ってたんです。でも、どうしても納得がいくテイクが録れなくて、メンバーやエンジニアさんは「このテイクで大丈夫だよ」と言ってくれたんですけど、こだわりすぎて4時間くらいそのフレーズを録り続けてましたね。プリプロ段階でこの曲(「夜にとけて」)を聴いたとき、めちゃめちゃ良い曲だなと思って、このドラムは"100%"で叩きたい、このリズムを完璧に叩くぞというのと、この曲に相応しいドラムを完璧に叩くぞという2本立てのこだわりがあって。だから極端な話ですけど、「夜にとけて」が良かったって言ってもらえるだけで、僕は今作を作って良かったなって思います。
●出だしのハイハットで拍感をズラすようなフレーズが、楽曲全体のイメージを決定づけているような感じがしました。
○あれは、ハイハットで雰囲気を作る感じで、バス・ドラムとスネアのリムはジャストで叩くようにしてます。あと、DENIMSではオープン・リム・ショットを使ったことがなかったんですけど、この曲で解禁しました。スネアの角度もこのためだけに変えたりして、本当にこだわりが詰まった曲です。
●今作は曲ごとにスネアの音色が違っていて、音作りにもこだわりを感じました。
○スネア自体は変えてないんですけど、リング・ミュートの上にさらにタオルを置いたり、8"のスプラッシュを置いたり、曲ごとにいろいろなものを試してみましたね。
●M7「SPACY SURF」は荒々しい、まさにガレージ・ロックといった感じですね。
○完全に勢いだけでいきました(笑)。マイクは2~3本くらいかな。エンジニアさんがあらゆるつまみを上げまくって(笑)、ゴリゴリのサウンドにしてくれました。この曲だけ14"のハイハットを使ったんです。僕の中で、パンクは14"というイメージがあって。もう勢いでいっちゃおうってことで、全員で一発録りして、クリックも出だしだけ聴いているので、ハシったりモタったりしてます。
●こういったロックンロールもあれば、M8「W.S.J.H」のようなシティ・ポップもあり、曲ごとにドラムの表情がとても変わりますね。
○それこそ「W.S.J.H」は無表情で叩きました(笑)。できるだけ無機質な音になるように、感情を抜くことを考えました。今年のはじめ、V6さんに楽曲提供させていただいたんですけど、ミックスのとき関係者に「若い子にしては良い意味でドラムが枯れてるね」と言われて(笑)。それを存分に出していきました。
本誌ではさらに、今作へのこだわりやDIYを得意とするえやまが自身でカバリングを貼り替えたという愛器も紹介。乞うご期待!
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