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リッチー・マルティネス - 音楽ルーツとアーチ・エコーの結成
Interview & Text:Rhythm & Drums Magazine、Translation & Interpretation:Takayuki Matsumoto、Photo:Yuki Kuroyanagi
超絶テクニックを備えたメンバーが集う新世代プログレッシヴ・フュージョン・バンド、アーチ・エコー。リズム&ドラム・マガジン20年2月号では、強靭なビートときめ細やかなフレーズを生み出すドラマー、リッチー・マルティネスのインタビューを掲載。2ndフル・アルバム『ユー・ウォント・ビリーヴ・ホワット・ハプンズ・ネクスト!』と共に、複雑な楽曲との向き合い方に迫る。ここでは、彼の音楽ルーツやドラムを始めたきっかけ、バンド結成の経緯について語られた部分を抜粋してお届けしよう。
神保 彰には衝撃を受けたよ
笑顔なのにテクニカルなんだ
●日本では"新世代のプログレッシヴ・フュージョン・バンド"とも形容されるアーチ・エコーですが、あなたのルーツとなる音楽は何だったのでしょうか?
○フュージョンだね。小さい頃は父と一緒によくフュージョンやジャズを聴いていたんだ。10歳くらいからは、マーズ・ヴォルタやリンキン・パーク、ブリンク182のようなロックも聴くようになった。彼らは僕にとって大きな存在だね。子供の頃にすごく大きな影響を与えてくれたよ。
●そもそもドラムを始めたきっかけは?
○母がシンガーで父がドラマーという音楽的な家庭に育ったから、僕にとってドラムを演奏することはすごく自然なことで、2歳か3歳の頃に始めたよ。家族にも父の友達にも、たくさんのミュージシャンがいたから、僕も彼らと長い時間を一緒に過ごして、いろいろと教わったんだ。
●ドラム教室に通ったりはしたのですか?
○3歳から10歳くらいまでは、ただスティックを持って叩いていただけだったよ。でも11〜12歳の頃に、学校でマーチング・バンドに入って、スティック・コントロールについてたくさん教わったんだ。それから、いろんなドラマーをYouTubeで観ていたね。トーマス・プリジェンやデイヴ・ウェックル、ヴィニー・カリウタ、スティーヴ・ガッド、神保 彰とかね。見ること/聴くこと/叩くことでたくさんのことを学ぶことができるし、そうやって僕はテクニックを身につけたかな。
●神保さんはどうやって知ったのですか?
○DRUMMERWORLDってサイトは知ってる? そこで彼を知ったんだ。初めて観た彼のビデオはワンマン・オーケストラでミッション・インポッシブルのテーマを演奏している動画だったかな。衝撃を受けたよ。テクニックはもちろんすごいけど、彼はいつも笑顔でプレイしているところが好きなんだ。僕は、いつも楽しそうに演奏しているドラマーに惹かれるよ。
●それでは、アーチ・エコーが結成された経緯も教えてください。
○僕以外の4人がバークリー音楽大学に行っていて──僕も奨学金つきで受かったんだけど、行くのはやめたんだ。すごく高かったからね──でもその後、ギターのアダム(ベントレー)に出会って「バンドを組みたいって言ってるやつらがいるんだけど、興味ある?」と言われたんだ。それでみんなとSkypeで話してみて「やってみよう」となった。それか、"スマッシュブラザーズの大会で出会った"って書いてもいいよ(笑)。僕らは日本のゲームやアニメが大好きだからね!
●確かに、ドラム・セットにもポケモンや遊戯王のカードが貼られていましたね。
○メンバーみんなそういうのが好きで、心はみんな子供みたいなもんなんだ。だから、ポケモンとか任天堂関連のものは何でも好きで、日本に来てポケモンセンターにも行ったよ! 僕らが子供の頃にハマっていたものだから、それが生まれた聖地と言える日本に来るのはすごいことなんだ。昨日はガンダムも見たし、明日はポケモンカフェかスクウェア・エニックスカフェに行きたいと思っている。僕らにとっては子供時代の一部だから、そういったものはとても大きなことなんだ。
本誌では引き続き、リッチーがバンドの楽曲をプレイするにあたって心がけていることをお伝えしていく。さらに、最新作の楽曲を譜面とともにチェックすることができるプレイ分析や、19年11月の初来日公演で使用した彼のドラム・キットも一挙公開! このインタビューの続きは、12月25日(水)発売の「リズム&ドラム・マガジン」2020年2月号にて!
▼「リズム&ドラム・マガジン 2020年2月号」コンテンツ内容
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