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Show[Survive Said The Prophet]が語るフレーズ・メイクの秘密
Interview & Text:Rhythm & Drums Magazine、Photo:Tetsuro Sato
確かな演奏力とエモーショナルなライヴ・パフォーマンスで国内外問わず認知度を高めつつあるロック・バンド、Survive Said The Prophet。リズム&ドラム・マガジン20年3月号では、緻密に構築されたリズムかつ力強いビートを刻み、繊細さとダイナミックさを兼ね備えるドラマー、Showにインタビュー。ここでは、最新のフル・アルバム『Inside Your Head』でこだわったフレーズ・メイクについて抜粋した部分をお届け。
アルバム制作期間は
"ドラムのインプット"をしない
●新作『Inside Your Head』は、Showさんの構築されたフレージングが、さらに進化したように思いました。
○ありがとうございます。実は、3枚目のアルバム(『WABI SABI』)あたりから、フレーズに関するオリジナリティを心がけているんですよ。それまでは、自分がカッコいいなと思ったドラマーさんのフレーズをちょっと拝借したりしていたんです。例えば僕は柏倉さんがすごく好きで、真似をしていた時期もあったんですけど、それだと下位互換にしかならないなと思って。だから最近は、アルバムの制作が近づくと、ドラムに関するインプットをしないようにしているんです。自分で浮かんだものだけを、自分のドラミングとして使うようにしていて、今回は前作の『s p a c e [ s ] 』よりもさらにインプットせず、Yoshのヴォーカルと楽器を聴いて、どういうフレーズが合うのかということだけを考えました。
●具体的にはどのように?
○ギターのリフを聴いて考えることも多いんですけど、ドラマーとして、歌がある以上はやっぱり歌を前に押さなきゃいけないと思うんです。だから、"ここに一発バスドラがあると邪魔だな"となったら抜いて、逆に"ここに(バスドラが)ないとちょっとおかしいな"というところは、歌に合わせてユニゾンしたり、あえてズラしたりといった具合いですね。
●となると、Yoshさんとドラムについて話すことも多いのですか?
○そうですね。Yoshがほぼ全曲のデモを作っているんですけど、彼もすごくドラムが好きで、こだわっているんですよ。"ここは絶対こうしたい"というのが感じられるので、そこは守りつつ、でも「そこをこういうふうにするんだったら、次の展開はこれだとちょっとパンチがないから、こういうフレーズの方がいいんじゃないか」というのをデモの段階で話し合うことが多いですね。
●Showさんの印象的なビートやフィルインはそういうふうに作られていたのですね。
○手癖で(ドラムのフレーズを)作らないようにしているんです。すべて打ち込んで、そこから自分の身体に入れ込んで、という流れですね。でも実際に叩いてみると、"このタムやキックを入れると身体のリズムが崩れちゃうな"ということもあるので、そういうときは減らしています。
●すごくロジカルに作っているのですね。
○良く言えばロジカルなんですけど、悪く言うと、ライヴであまりアドリブが効かないものになってしまうので、そこは今後の課題かなと思っていますね。いいバランスが取れたらいいなと。
本誌では引き続き、単身での海外レコーディングやシシド・カフカ主催のel tempoでの活動などについてお伝えしていく。さらに、最新作の楽曲を譜面と共にチェックすることができるプレイ分析から、彼が愛用しているドラム・キットまで一挙公開! このインタビューの続きは、1月24日(金)発売の「リズム&ドラム・マガジン」2020年3月号にて!
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