内容
まるでアシスタント・エンジニアになった気分
ポップスからクラブ・ミュージックまで幅広いジャンルの第一線で活躍するエンジニア、早乙女正雄氏によるミキシング・ガイドブックです。付属DVD-ROMに収録したマルチトラックによるミックス工程を丁寧に解説しているので、まるでアシスタント・エンジニアとして一緒に作業しているような気持ちで読み進められます。その上、何とミックス終了後のPro Tools 10ファイルも収録! プロの技を目の当たりにできる貴重なデータとなっています。本書を読み、実際に試してみることで、ほかの楽器をマスキングしがちなキックやベースの処理、ともすればオケに埋もれてしまうボーカル・バランスの取り方、EQやコンプレッサーの使いどころ、オートメーションのコツなどなど、ミックス・ダウンで必要な知識と技術を体験的に学べます。初心者はもちろん、中上級者まで幅広くお役に立てる一冊です。
【CONTENTS】
■INTRODUCTION ミックス・ダウンの基礎知識
Section 1 ミックス・ダウンの目的
Section 2 音の聞き方
Section 3 機材の環境を整える
Section 4 オーディオ・ファイルの基礎知識
Section 5 ミキサーの基礎知識
Section 6 エフェクトのかけ方
Section 7 効率アップに役立つミキサーの機能
Section 8 オーディオ・ルーティングのアイディア
Section 9 本書で使用する主なエフェクト
■PART 1 ポップス
STEP 1 ミックスの準備
STEP 2 ラフ・ミックスをチェック
STEP 3 マルチトラックをチェック
STEP 4 エキスパンダー/ゲートで躍動感を出す
STEP 5 キックとベースで音量感の基礎を構築
STEP 6 ボーカルはより聞こえやすく明瞭に
STEP 7 スネアとハイハットでグルーブを出す
STEP 8 オーバーヘッド&アンビエンスでドラムの仕上げ
STEP 9 リバーブで空間をマッチさせる
STEP 10 トータル・コンプでビート感を調整
STEP 11 コード楽器系のバランスを整える
STEP 12 隠し味系のトラック
STEP 13 ボーカルの仕上げ
STEP 14 オートメーションで総仕上げ
Finale ポップス曲のミックスを終えて
■PART 2 R&B
STEP 1 リバーブ感や構成をラフ・ミックスでチェック
STEP 2 キック&ベースを中心にグルーブを形成
STEP 3 エレピでサビ前までのコード感を作る
STEP 4 細かく出入りするパートは優先順位を意識
STEP 5 サビを中心としたコード楽器系
STEP 6 2種類のリバーブを使ったボーカルのミックス
STEP 7 クリップのエディットとオートメーションで仕上げ
Finale R&B曲のミックスを終えて
■PART 3 ロック
STEP 1 ラフ・ミックスでは音場感に注目
STEP 2 ドラムはEQでバランスを整えていく
STEP 3 コンプでドラムに迫力を加える
STEP 4 エレキギターは分割してストーリーを作る
STEP 5 トータル・コンプとピアノでオケの仕上げ
STEP 6 ボーカルはディエッサーで疾走感を演出
STEP 7 3種類のリバーブで声とギターを演出
STEP 8 オートーメーションで最終仕上げ
Finale ロック曲のミックスを終えて
■PART 4 ステップ・アップのアイディア
Section 1 マルチモノ・プラグインを使用する
Section 2 ステレオをモノラル×2にする
Section 3 サード・パーティ製プラグインを使う
Section 4 2ミックスの作成方法
■COLUMN
ミックスとマスタリングの役割
マルチトラックの作り方
オケの途中変更と歌の録り直し
EQとコンプの順番
スロットの使い方
VUメーターを使ってみよう
複数の楽曲をミックスするときの注意点
【付属DVD-ROMの収録内容】
<DISC 1>
◎マルチトラック
・ポップス曲
・R&B曲
・ロック曲
◎完成2ミックス
・ポップス曲:4バージョン
・R&B曲:4バージョン
・ロック曲:4バージョン
◎ラフ・ミックス
・ポップス曲
・R&B曲
・ロック曲
<DSIC 2>
◎Pro Tools 10セッション・ファイル
・ポップス曲:4バージョン
・R&B曲:4バージョン
・ロック曲:4バージョン
付録ダウンロード
電子版用の音声データはこちらからダウンロードできます。
DATA1にはマルチトラックと2ミックスのデータを収録しています。 DATA2にはAVID Pro Tools 10のセッション・ファイルと2ミックスを収めました。 AVID Pro Toolsをお使いの方はDATA2を、それ以外のDAWをお使いの方はDATA1をご使用ください。
編集担当より一言
エンジニアとして1人前になるには、アシスタントとしてスタジオに入り、先輩の仕事を見ながら学んでいくのが一般的です。そのため、アマチュアの方がプロの作業を目にする機会はほとんどないと思います。そこで本書では、著者の早乙女正雄氏にミックス・ダウンの一部始終を時間軸にそって解説していただくことで、音楽作りというストーリーの中でミックス・ダウンの工程を理解できるように構成しました。
ですので、本書の大きな特徴は付属データで実践できることなのですが、実は単に読むだけでも音に対する意識に変化が生まれるのではないかと思います。じっくりゆっくり、“良い音”を生み出す楽しさを味わってみてください!
(出版3部:永島聡一郎)