内容
ヒットの裏にある緻密な方程式を初公開!
J-POP界のトップクリエイター集団、アゲハスプリングス。その代表である音楽プロデューサー玉井健二は、独自のプロデュース哲学とマネジメント論を元に、クリエイター集団というアメーバ型のチームを築き、磨き上げ、その地位を確固たるものにし、YUKI、中島美嘉、Superfly、ゆず、flumpool、JUJUなどの多くのヒット作を創出している。著者が自身のバックグラウンド、過去10年を振り返り、プロデュースの方程式、プロデューサーに求められる技術を説く。「真ん中は捨てる」とは? 「悩む時間を担保する」とは? ミュージシャンのみならず、すべてのクリエイターが必読の、セルフプロデュース時代のバイブルが誕生。
【CONTENTS】
◎PART1 プロデュースの方程式
プロデューサーって実際なにをする人?/"音楽を媒介とする確かな価値"を生み出す/楽曲の持つポテンシャルを引き上げるプロフェッショナル/レコーディングの成否/プロデューサーに求められるスキル/だれでも作・編曲できる時代のプロデューサー/仕事を受ける基準/プロデュースの物差し①:必ずWINであること/プロデュースの物差し②:ポップミュージックの"ブイヨン"/プロデュースの物差し③:涙が出るレベルの歌詞かどうか?/導入経路を決める2つのベクトル/人を振り向かせる要素/ニュアンスこそコピーする対象/作る前に踊れ/英語の発音で褒められましょう/"売れ線"という曲は存在しない/真ん中は捨てる/いまやデザインのセンスこそが問われている/優勝請負人には方法論が必要
◎PART2 プロデュースの実例
必然性を問われる時代のアガる曲「Hot Stuff」/THEプロデュースワークだった「ORION」/普遍性を忘れずにいることの重要性/何処にでも向かえる道を探した「JOY」/声優の歌う歌が優れている理由/主旋律はパブリックドメイン/歌が心に傷を付ける/孤独なボーカリストのために/先輩プロデューサーたちに学んだこと
◎PART3 ブランディングの重要性
その設定自体に付加価値はあるか?/達成感がもたらす弊害/ウィークポイントをウィークポイントにしない/アゲハスプリングスのブランディング/なるべく多くの選択肢を残しておく/"◯◯サウンド"と呼ばれないポジショニング/悩む時間を担保する
◎PART4 アゲハスプリングスの真実
プロデューサー集団の本当の意味/ユーザー目線で考える/プロダクツの作り方の第3の選択肢/"プロデュース"そのものを買っていただく/アメーバ型の組織/横軸と縦軸で考える/立ち上げ当時のアゲハスプリングス/ガラクタの魅力を磨き上げる/蔦谷好位置と田中ユウスケを磨き上げる/アゲハスプリングスが求めるクリエイター像/これからのアゲハスプリングス
◎PART5 玉井健二の構成要素
高校2年生で契約書に判を押す/事務所とレコード会社からの宣告/音楽を研究する日々/ロンドンで自覚した使命/エピックで体験した初めての会社員生活/元気ロケッツが向かう100年後の未来
◎対談:木村武士(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ)?人の心が動かないと何も始まらない、田村優(インクストゥエンター)?いまは必ずプランがないといけない時代、木崎賢治(ブリッジ)?ものを作る人の考え方
◎インタビュー:蔦谷好位置(アゲハスプリングス)?急ぐな、焦るな、というのが基本にある、他
編集担当より一言
「社内でも知らない人がいるノウハウを書いたから、これは実は“社内秘マニュアル”なんですよ」と、何度目かの打ち合わせの席で著者の玉井さんがおっしゃっていました。
美しいメロディの条件とは? 人を振り向かせるための要素とは? どんな歌詞が刺さるのか? そういった音楽作りのキモとなる“社内秘マニュアル”が詳しく解説されているのは、本書の大きな特徴でしょう。
しかも“主旋律はパブリックドメイン”“歌が心に傷を付ける”“ダサいものに真理が宿る”“ユーザー目線で考える”などの刺激的な言葉がバンバン出てきて、読んでいると、否応なくもの作りの基本に立ち返ることになります。
クリエイティブに1本芯を通したい方には、大きなヒントがたくさん詰まったこの“マニュアル”を静かにオススメいたします。
(出版3部/そば夫)