内容
演劇を通して生徒を生きやすくさせる「ドラマティーチャー」が教える、高校生との向き合い方。
福島の高校で、たった1人で演劇を教えることになった国語の先生。
そんな彼女は生徒たちと向き合い、「国語の先生」から「ドラマティーチャー」となります。そして、教育に奮闘する日々を経て、生徒たちと飴屋法水とで作り上げた舞台『ブルーシート』が、「演劇界の芥川賞」、岸田國士戯曲賞を受賞するのです。これは、そんな彼女の活動を追った、真実の物語です。
彼女がどうしてドラマティーチャーになり、高校生を教えるようになったのか。生徒と向き合うメソッドから、岸田國士戯曲賞受賞までの歩み、そして現在の取り組みまで、全てを語ります。
※ドラマティーチャーとは
学校で、クラブ活動ではなく、教科として演劇を教える先生のこと。日本には、現在数人しか存在しない。
こんな先生に習いたかった! 演劇業界からも大注目
〈特別対談〉平田オリザ
〈特別寄稿〉前田司郎(五反田団)、藤田貴大(マームとジプシー)、水谷八也(早稲田大学教授)、多田淳之介(東京デスロック)、柴幸男(ままごと)
【目次】
自己紹介~まえがきにかえて
1 演劇で子供は変わる?~いわきの前任校で学んだこと
2 ドラマティーチャー誕生~福島県立いわき総合高等学校のこと
★コラム 生徒と並走する先生 前田司郎
3 みちこ式演劇メソッド~高校生に「演劇」を教えること
★コラム 演劇演習室、万華鏡と化す――いしい先生の「リアルな身体」教育 水谷八也
4 自分と向き合うこと~〈自画像〉
5 他者と協働する~〈あいさつ〉
★コラム 演劇LOVE、みちこLOVE 多田淳之介
6 生徒たちの世界観を積み重ねる~部活動での作品作り
7 高校生とプロの演出家~アーティストとの作品作り
8 3.11~いわきに未来はあるのか
★コラム いしいみちこさんについて思い出したいくつかのこと 柴幸男
9 震災のあとで~あの日からを描いた作品と、まさかの岸田國士戯曲賞
★コラム 強さも弱さも、どちらも。 藤田貴大
10 新たなチャレンジ~いわきから、大阪へ
★対談 いしいみちこ×平田オリザ「生徒が生きやすくなるための演劇教育」
あとがき~表現教育が必要とされる時代