内容
ギター専門誌によるマニアック過ぎる付録本
選んで! 弾ける!! おまけピック10枚付き!!!
最高の演奏をするために、多くのギタリストが常日頃から"あーでもない、こーでもない"と、さまざまなアイテムを試していますが、おそらく最も安価(通常は1枚100円程度)かつ効果的に変化を望めるのが、ピックです。たかがピックと捉えられがちですが、形や厚さ、素材など、その組み合わせは無限大で、弾きやすさはもちろん音色にも大きな影響を与えます。
本書は、形、厚さ、素材が異なる10種類のピックを付録し、実際に弾き比べながら自分にあったものを探すという斬新なピック・バイヤーズ・ガイド。ピックは消耗品なので、なかなか楽器屋さんで試奏できない難点があり、ピックに悩む多くのギタリストのニーズに応えてくれるはずです。
【CONTENTS】
■INTRODUCTION
・付録ピックについて
・漫画『ジミヘンだってピック選びに悩んでる!?』〜SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん 番外編〜作者:長田悠幸×町田一八
■CHAPTER1
ギター上達の近道!?自分に合ったピックを見つけるべし
・ピックの三大要素「形」、「素材」、「厚さ」
・ピック診断チャート
・オリジナル・ピック「PICK THE BEST 2.5」ができるまで
・もっと知りたい!ピックの歴史
■CHAPTER2
定番から変わり種まで、最新ピック・カタログ102
・カテゴリー1 殿堂入りのロングセラー・モデル
・カテゴリー2 注目の次世代ピック
・カテゴリー3 一度は試してみたい特殊素材
・カテゴリー4 泣く子も黙る変態系ピック
・カテゴリー5 ピック界の常識を覆す高級モデル
・カテゴリー6 百戦錬磨のシグネチャー・モデル
■CHAPTER3
注目ブランドに製造秘話を聞く!ピック・メーカーの美学
・MASTER 8 JAPAN(インタビュー:是永巧一/Hiro(Crossfaith))
・ChickenPicks
・V-PICKS
・BlueChip Picks...104
■CHAPTER4
弘法は筆を選ぶ!?プロ・ギタリストのピック事情
・大村孝佳の場合
・鈴木茂の場合
・JINMOの場合
・リッチー・ブラックモアの場合
・ブライアン・メイの場合
・著名ギタリストお気に入りの1枚が大集合!ピック大博覧会
【付録ピック10枚 解説】
1. おにぎり型 セルロース 0.5mm
歴史あるフェンダーと同じ、セルロース素材のおにぎり型ピック。0.5mmなので、フェンダーのThinと同等の厚さです。
2. おにぎり型 ポリアセタール 0.6mm
定番のジム・ダンロップ/トーテックスなどで使用されている材質と基本的には同じです。0.6mm厚は、トーテックスのオレンジ色と同等の厚みになります。
3. おにぎり型 INFINIX 0.8mm or 1.0mm(MASTER 8 JAPAN)
MASTER 8 JAPANが試行錯誤を重ねて生み出した"INFINIX"素材を採用。こちらのピックのみ、0.8mmと1.0mmの厚さがランダムに封入されています。
4. ティアドロップ型 ジュラコン(R)(ポリアセタール樹脂) 0.6mm(MASTER 8 JAPAN)
MASTER 8 JAPAN D-801シリーズは、ポリプラスチックス社のジュラコン(R)素材を使用。あえてピックのエッジを残しているのが特徴です。
「ジュラコン(R)はポリプラスチックス株式会社が日本その他の国で保有する登録商標です。」
5. ティアドロップ型 硬質塩ビ 0.8mm
フェンダーのピックガードでも使われた塩化ビニール素材。硬質塩ビの透明ピックはまず市場に出回らないので、ぜひ他の素材と弾き比べてみて下さい。
6. ティアドロップ型 ウルテム 0.8mm
今や定番の素材となり、多くのピック・メーカーが使用しているウルテム。べっ甲や人間の爪の質感に近いと言われています。
7. ジャズ型 PPS 1.2mm
セルロースよりも軽くカーボンよりもしなやかな素材が特徴となるPPS(ポリフェニンサルファイド)を採用。厚さと形は、ジム・ダンロップのジャズIII XLに近い。
8. ジャズ型 メタカーボネート 1.0mm
比較的丈夫で、耐熱に優れているメタカーボネートは、クセのないオールマイティなどサウンドが特徴。形状は、小さめのジャズ型なので、テクニカルなプレイヤーにオススメ。
9. シャークフィン型 ナイロン 1.0mm
ジム・ダンロップのヘルコなどでお馴染みのナイロン素材と、特殊なシャークフィン型を組み合わせたオリジナル・ピック。どう使うかはあなた次第です。
10. ティアドロップ型 デルリン 2.5mm
近年流行りの厚みのあるピックを特別に製作。厚さは実用性を考えて2.5mmに設定。鋭角に尖った先端の形状にもこだわりました。
編集担当より一言
何年も前からひっそりと構想を練っていた「ピック付き」の本がようやく形になりました。無数にあるピックのバリエーションを10枚のサンプルに落とし込む作業は相当頭を悩ませましたが、今思えば新たに設計した2.5mm厚ピックの製作はとても楽しかった。近年流行りのV-PICKSやChicken Picksなどの分厚いピックが気になっている人は、ぜひ本書のサンプルでその弾き心地を体感してみて下さい。弾きやすい弾きにくいはプレイヤー次第ですが、間違いなくそれまでのピックの概念を変えてくれるはず。
また、表紙をピック型に抜いて透明のフィルムを貼り、ピック本体が窓から覗けるという仕様も本書のポイントです。こちらは完全にコストオーバーだったのですが、手前味噌ながら付録本ならではの工夫を凝らせたかと思います。立ち読みではなく、ぜひ実際に商品を手にとってピックの奥深い世界に触れてみて下さい。(ギター・マガジン書籍編集部/坂口)