内容
武部聡志の足跡を追うと、日本のポップス史が見えてくる
1977年よりプロとしてのキャリアをスタートさせた音楽家、武部聡志による初の単著です。
膨大なアレンジ/プロデュース作品の中から、自身にとってエポック・メイキングと呼べる22曲をピックアップ。「サウンド・メイク」「レコーディング手法」「作曲」「ストリングス・アレンジ」「歌入れ」「音楽監督」、そして「アーティスト・プロデュース」など、あらゆる角度から音楽制作のノウハウを語っていただきました。
また武部をよく知る4名のゲストの方々には、現場における「武部聡志の仕事ぶり」についてお話を伺っています。
本書を通じて浮かびあがってくるのは、アーティストを輝かせることに全力を傾けてきたミュージシャンの姿。それはダイレクトに日本のポップス史へとつながっています。ぜひ、本書で音楽作りの喜びと深みに触れてみてください。
【本の内容】
PROLOGUE プロデューサー/アレンジャーとして大切にしていること
SONG 01 「卒業」斉藤由貴
SONG 02 「あなたを・もっと・知りたくて」薬師丸ひろ子
SONG 03 「Rainy Blue」德永英明
SONG 04 「瑠璃色の地球」松田聖子
SONG 05 「流星のサドル」久保田利伸
SONG 06 「どしゃ降りWonderland」今井美樹
SONG 07 「危険な女神」KATSUMI
SONG 08 「全部だきしめて」吉田拓郎とLOVE LOVE ALL STARS
SONG 09 「believe」山口由子
SONG 10 「サクラ・フワリ」松たか子
SONG 11 「もらい泣き」一青 窈
SONG 12 「ハナミズキ」一青 窈
SONG 13 「僕らの音楽-オープニングテーマ-」武部聡志
SONG 14 「桜色舞うころ」中島美嘉
SONG 15 「Progress」kōkua
SONG 16 「いつか離れる日が来ても」平井 堅
SONG 17 「みらい」ゆず
SONG 18 「さよならの夏 〜コクリコ坂から〜」手嶌 葵
SONG 19 「ANNIVERSARY」JUJU
SONG 20 「心の旋律」有安杏果
SONG 21 「糸」EXILE ATSUSHI
SONG 22 「結婚しようよ」chay
[ゲスト・インタビュー]
長岡和弘(Producer / Director)
一青 窈(Artist)
小倉博和(Guitarist / Arranger / Sound Producer)
今井邦彦(Recording & Mixing Engineer)
[コラム]
80年代のレコーディング時間割
マイク選びもプロデューサーの仕事
ギタリストであり、ベーシストでもあり
スタジオでのストリングス・アレンジ
歌の「つなぎ」
編集担当より一言
本書のきっかけは、都内のライブ・ハウスで行われたトーク・イベント「音楽家の話が聴きたい。」でした。武部さんが自身の音楽制作ノウハウを語るという趣向だったのですが、それはそれは面白かったのです。武部さんはまさに「大御所」(こんな言い方、ご本人はきっとイヤがられると思います。すみません)。当然、初めてお会いしたときには緊張しましたが、お人柄は実に気さくで、いつもにこやか。過去の作品のコード進行がスラスラと出てくることにも驚かされました。
後日、武部さんをよく知る方がおっしゃっていました。「本当にすごい人は優しいんですよ」と。
その「すごさ」を、あらゆる角度から皆さんにお伝えしたいという気持ちで制作したのが本書です。まずは目次を確認して各楽曲を聴いてみてください。それだけでも、「すごさ」は十分に感じられると思います。そして実際にお読みいただくと、すべての作品において明確なコンセプトを持って臨まれていたことがわかると思います。これを知るだけでも、きっと音楽の聴き方が変わるハズです。武部さんはこれからも新たな音楽を世に送りだしていかれることでしょう。ぜひご注目ください!(出版部/永島聡一郎)