内容
アドリブを攻略するための実践的なノウハウを紹介
ジャズにおけるアドリブとは、テーマと呼ばれる曲のコード進行に合わせて即興でメロディを作ることです。即興でコードに合ったメロディを作るので、曲ごとのコードの知識など、音楽理論が必要になってきます。
その音楽理論が難しいのが悩みのタネ。次から次へと音楽用語のカタカナが並び、何がなんだかわからない状態......。やはり習得するにはそれなりに勉強と時間が必要になります。しかし、音楽理論に対する知識や演奏技術が100%にならないとアドリブができないわけでもありません。
とりあえず、"完璧は目指すけど、まずは最低限のルールを踏まえた演奏"から始めてみませんか? 本書はそういった考えのもと、スタンダード・ジャズでアドリブの最初の一歩を踏み出していただくために制作しました。
ここでの"最低限のルール"とは、難しい理論をできる限り少なくし、調(Key)を第一に考えることです。コードは必ずどこかのKeyに属しています。コードが属しているKeyを見つけてしまえば、コード・トーンではない音を演奏したとしても、違和感がないようになっているのです。
スタンダード曲のコード進行は、1曲のなかでもKeyが一時的に転調することが多くなっています。その一時転調を見つけ、それに合わせたKeyで演奏することを、まずは目標にしてみましょう。
(本書「はじめに」より)
セッション初心者に最適な20の定番曲を題材に、フレーズの作り方を解説していくアドリブ指南書。"曲のなかで変化していくKeyを理解することこそアドリブ攻略の第一歩"と考える著者が、スタンダード・ナンバーのKey分析をすると同時に、難しいコード進行をかんたんに解釈するための20のテクニックを伝授。それらを使ったメジャー&マイナー・スケール中心のアドリブ作成例を紹介していきます。カナの音名を併記しているので五線譜が苦手な人にもとっつきやすく、移調譜(B♭、E♭)の掲載により楽器も不問、さらに全曲の模範演奏&カラオケCDが、実践的な練習環境を提供します。
【CONTENTS】
●INTRODUCTION
臨時記号が楽曲分析のカギ
楽曲に含まれる音の重要度
アドリブ演奏における臨時記号
アドリブの分析
●20 JAZZ STANDARDS for BEGINNERS
モリタート(マック・ザ・ナイフ)
フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
枯葉
朝日のごとくさわやかに
霧の日(ア・フォギー・デイ)
サマータイム
二人でお茶を
ジャスト・フレンズ
瞳をとじて
オール・オブ・ミー
マイ・リトル・スウェード・シューズ
アイ・ラブ・ユー
アズ・タイム・ゴーズ・バイ
コンファメーション
酒とバラの日々
いつか王子様が
バット・ノット・フォー・ミー
ゼア・イズ・ノー・グレーター・ラブ
オール・ザ・シングス・ユー・アー
ブルース
編集担当より一言
ロングセラー『ドレミで覚えるジャズ・アドリブの法則』『線から描くジャズ・アドリブの作り方』の2冊でジャズ・アドリブの敷居を下げてきた加度さんによる最新刊。
今回は具体的に20のスタンダード曲をピックアップし、優先すべきはKey>コードという観点から、曲ごとにKeyの構成図を掲載、それに即したアドリブ例をカナの音名付きで掲載しました。しかも、曲ごとに2種類紹介するアドリブ攻略法のうち、初心者向けの“LEVEL 1”は、すべて通常のメジャー/マイナー・スケールのみで演奏できるようになっています。難しい解説は最小限にとどめ、付属CDにカラオケ音源を収録しているので、とりあえず“最低限のルール”のなかで、すぐにアドリブに挑戦してみたいという人にはもってこいの1冊です。『ドレミで覚えるジャズ・アドリブの法則』で学んだフレーズ作りの“実践編”として、ぜひお試しください。
(第3編集統轄部/服部 健)