内容
ベーシストが思わず挑戦したくなる「ちょっと難しい」クラシックの練習曲集
本書はクラシックの名練習曲、あるいは名曲のベース・ラインを抜粋、ベース・プレイヤーが練習素材として活用できる形でアレンジした楽譜集。難度は......かなり高めです! 総小節数3000小節を超える本書の練習曲をすべて弾ききることができたら、かなりの上級者認定です。
収録された練習曲は、ひとつの楽曲としても十分に聴きごたえがあり、ベース1本でも成立する曲ですので、ソロ・ベース用の曲としても活用できます。
すべて100年以上前に作曲され、次世代へと受け継がれてきたものばかり。何度繰り返して練習しても効果大、100年後も色褪せることなくベーシストを次の高みへといざなってくれる、永遠のエチュード(練習曲)集と言っていいでしょう。
【コンテンツ】
◎ハノン
練習テーマ:メカニカルな運指トレイニング
第1部1番、第2部21番、他
◎パガニーニ
練習テーマ:左手のポジション移動を鍛える
カプリースV、カプリースXXIV
◎バッハ
練習テーマ:音楽的な抑揚をつけながら弾く
無伴奏チェロ曲IV、シャコンヌ「パルティータ第2番」、他
◎モーツァルト
練習テーマ:歴史的な名曲をモノにする
アイネ・クライネ・ナハトムジーク、序曲「フィガロの結婚」、他
◎ベートーヴェン
練習テーマ:技巧的なフレーズをスムーズに弾く
シンフォニーNO.9、シンフォニーNO.6、他
◎チャイコフスキー
練習テーマ:タイトなリズム感を身につける
シンフォニーNO.4、シンフォニーNO.5、他
◎アーバン
練習テーマ:ミュート・テクニックをマスターする
インターバル、ディミニッシュ・セブンス・ アルペジオ、他
◎カイザー
練習テーマ:16分音符をスムーズに弾く
第3番、 第28番、他
◎シマンデル
練習テーマ:メロディアスなフレーズを楽しむ
30エチュードNO.17、30エチュードNO.30、他
◎ポッパー
練習テーマ:ピッキングとフィンガリングのタイミングを正確に
NO.1、NO.6、他
◎デュポール
練習テーマ:コードの流れを感じ取る
NO.2、NO.4
◎ドッツァー
練習テーマ:両手の無駄な動きや無駄な力を取り去る
「113STUDIES」NO.6、「113STUDIES」NO.26、他
※本書はベース・マガジンに連載されていた人気企画『練習の素』を1冊にまとめたものです。
編集担当より一言
以前ベース・マガジンで連載されていた人気企画『練習の素』をまとめた1冊です。難曲として認知度の高いパガニーニ、クラシカルな響きを堪能できるバッハ、金管楽器奏者にはお馴染みのアーバンなど、毎号で作曲家/ミュージシャンをひとりずつ取り上げていました。
その内容はどれもがハイレベル。最近の教本にしては珍しく、本書には模範演奏音源が付属していませんが、そういう意味でもかなり上級者向け、あるいは上級者を目指す人のための1冊と言えます(クラシックな曲ばかりなので、曲を知らない人も、ほとんどの音源は動画サイトなどで確認することができるでしょう)。
弾ききるのがちょっと困難な、挑戦しがいのあるベース楽譜集……昨今、意外にありそうでない1冊ではないかと思います。ちなみに周囲のギタリストに弾いてもらったところ、ギターの低音弦練習用、低音弦のフレーズ・ネタとして活用してもらえそうでした。ベース以外の楽器の方にも楽しんでいただけそうですね。ぜひみなさん、一度チャレンジを。(出版部/杉坂)