内容
「リズム練習こそが最も意義のある練習」なのです
本書のコンセプトは、「演奏力の向上には、テクニックや理論よりも、まずリズムが大切」という考え方。ズバリ「リズム練習こそが最も意義のある練習」なのです。
もしかして、「自分はリズム感ないからなー」なんて思っていませんか? そんなことはありません! 「リズム感ゼロの人」など存在しないのです。もし、あなたがそう思っているのなら、それは「リズムについてとことん考えたことがない」から。本書では、そんな皆さんに向けて、まず「リズムの考え方」から解説していきます。
その後は「テンポ・キープ」「8ビート」「16ビート」「シンコペーション」「シャッフル」「音の長さ」など、さまざまなトレーニング方法を紹介していきます。本書を読み終えたころには、上級者の方が口にする「前ノリ」「後ノリ」の感覚も身に付いていることでしょう。ぜひ、その日を目指して頑張ってください。
【本の内容】
■Introduction ──本書を読み進めるにあたって
■第0章 「リズム感」の意味を理解する
◎一度、トコトン考えてみる
人間のリズム
天性による影響
リズム感ゼロの人はいない
ライバルは昨日の自分
リズムに関する用語
2つのタイミングで生まれる長さ
時間をくり返す用語
ある種の総括用語
ノリについて
言葉はリズムだが、音は言葉ではない
◎楽譜的な用語説明
ビートとは?
アフター・ビートとは?
表/裏とは?
◎モチベーションを生む考え
黒人はリズムが良い?
長い時間は数えにくい
1分ゲーム
5つ数える
4の裏が大事
ズレる感じを想定してみる
良いズレ、悪いズレ
想像メトロノームで演奏する
音を聴いてから音を出すのでは遅い
自分のリズム感は自覚したほうがよい
足踏みは表拍でOK
上からは見えるが、下からは見えない世界
■第1章 知っておきたい音の話
◎「サウンド」としての音
音は急な坂で音量変化する Track 01
音は伸びるから止めないといけない Track 02
◎タイミングとしての点
考え方は割り算
点も時間を持っている
◎自分のリズム感を自覚する
拍子に点を置く
楽器ごとの特色
今は、わからなくても Track 03
確かめるには録音
1秒の長さを体感 Track 04
パルスを数えながら歩く
第1章まとめ
■第2章 テンポ・キープの基本
◎8ビートを叩こう!
付属音源に合わせる方法 Track 05
4つ打ち
4つバラ打ち Track 08~09
8ビート Track 10
丸を作る動作
自分のリズムを出す Track 11
ドラマーの動きはパルスのチョイス
◎16ビートを叩こう!
16ビート Track 12~13
アフター・ビートにアクセント Track 14
裏だけは難しい Track 15
空振りの仕方 062
ガイドがなくてもキープ Track 16
第2章のまとめ
■第3章 アクセントでリズムを作る
◎アクセントを意識してリズム感アップ
アクセントを増やす Track 17
8ビートは16でも乗っている Track 18
8分の裏は16分の表
16ビートの裏でアクセント Track 19
ニューオーリンズのセカンド・ライン Track 20
4の上で3を数える Track 21
16分音符の丸
アクセントを変える Track 22
アクセントが多いパターン Track 23
休みの間も手を振る Track 24
再び裏をとる Track 25
◎裏のあとに空振りするとシンコペーション
8ビートのシンコペーション Track 26
16ビートのシンコペーション Track 27
小節をまたぐシンコペーション Track 28~29
譜例を自作
楽譜だと読みにくいこともある
ルーパーを使うと練習になる
音は時間なので
第3章のまとめ
叩けるなら弾ける、弾けるなら叩ける
■第4章 シャッフル・リズムに乗る
◎1拍を3で割る
3連符を叩く Track 30
真ん中を抜くとシャッフル Track 31~32
シャッフルの理解
2倍のシャッフル
ハーフ・タイム・シャッフル Track 33
2拍3連(にはくさんれん) Track 34
8分の6(はちぶんのろく)拍子 Track 35~36
8ビートと16ビートの交互 Track 37
イーブンと3連符の交互 Track 38
第4章のまとめ
■第5章 音を止める意識と裏の意識
◎音は長さである
いつから乗るのか? Track 39
音の止め所 Track 40
短い音、長い音 Track 41
均等な長さの実音と休符 Track 42
パルスを感じて音を止める Track 43
1つ余分に数える Track 44~45
エンディングは曲の締め
弦楽器でのシャッフル弾きのアドバイス
シャッフルの3通りの弾き方 Track 46
3連符で音を止めてみる Track 47
音を止めるところでミュートする Track 48
3連符を4で乗る Track 49
裏から乗るということ
16分音符とスタッカートは別 Track 50
音を見る
腕前アップだけが練習ではない
◎裏の意識
耳コピでリズムをとるには
楽譜のリズムがわからないときは Track 51~52
裏から乗って入る Track 53
裏どりを忘れるな
8ビートの裏だけ練習 Track 54
16ビートの裏だけ練習 Track 55
シンコペーション前のゴースト Track 56~57
シンコペーション連続 Track 58~59
■第6章 もっと先のリズム
◎「ズレる」と「ズラす」の違い
ジャストではないリズムの揺れ
リズム習得した上での揺らぎ
跳ねているか跳ねないか微妙な曲
揺らいでもテンポ・キープ
後ノリより長いタメ
◎聴いて確認してみよう
ギターの後ノリ Track 60
バンドの後ノリ Track 61
ギターの前ノリ Track 62
ドラマーの前ノリ Track 63
縦ノリと横ノリ
ギターのストローク話
合計が16 であればテンポはキープしている
ドラマーを見て学ぶ
アクセントの位置を意識
グルーヴという言葉
自分は自分の指揮者である
丸く乗る
練習総括 Track 64
本書のまとめ
地球と音楽
答えはひとつじゃない
■コラム
山を登ったことがあるから道を教えられる
音楽は算数だが、本質は別
本当はボーカリストにも必要な練習
できているつもりが怖い
誘われるプレイヤーを目指す
思い込むことが、そこに近づく
本書対応YouTube動画
本書掲載のリズム・トレーニング用トラックのうち、手と足を使う項目をYouTube動画としてアップしました。お出かけ先での練習などにご活用ください。
[再生リスト]
https://www.youtube.com/playlist?list=PL08dbEXrig8fYJLEbFuigkwIlsHlwk-r1
◎Track 06
◎Track 07
◎Track 08
◎Track 09
◎Track 10
◎Track 11
◎Track 13
◎Track 14
◎Track 15
◎Track 16
◎Track 17
◎Track 18
◎Track 19
◎Track 20
◎Track 21
◎Track 22
◎Track 23
◎Track 24
◎Track 25
◎Track 26
◎Track 27
◎Track 28
◎Track 29
◎Track 30
◎Track 31
◎Track 32
◎Track 33
◎Track 34
◎Track 35
◎Track 36
◎Track 37
◎Track 38
◎Track 64
付録ダウンロード
本書に対応した音源データはこちらからダウンロードできます。
編集担当より一言
『ギター・コードを覚える方法とほんの少しの理論』から始まった方法シリーズもついに第9弾! 今回は満を持してのリズムです。
なぜ「満を持して」なのか。それは、いちむら先生によれば「テクニック練習をあとまわしにしても、リズム練習。リズムが最優先」というくらい、リズムは楽器演奏や歌で最重要項目だからです。
本書の中盤では、付属音源に合わせて両足と両手を使ったリズム練習が登場します。楽器初心者の方には正直、ちょっと難しいです。もしかしたら、攻略するのに1カ月くらいかかるものもあるかもしれません。
でも、あきらめないでください。練習すれば必ずできるようになりますし、攻略すれば、楽器もまた「うまく」なっているはずです。
さらに、後半では中級者でも忘れがちな「音の長さ」に意識を向けるトレーニングを行います。音は鳴らすタイミングと長さの両方がそろってこそ、なのです。これもまた楽器演奏の上でとても重要なテーマと言えるでしょう。
本書には、いちむら先生が30年かけて考えてきた「リズムの話」が128ページに凝縮されています。たっぷり時間をかけて取り組んでいただければ幸いです。(第3編集統轄部/永島聡一郎)