内容
歌詞から楽しむヘヴィメタルの珍世界
あの名曲に込められた意味を深掘りする!
『意味も知らずにブルースを歌うな!』、『意味も知らずにロックンロールを歌うな!?』に続くシリーズ第三弾は、ヘヴィメタルの歌詞を紐解いていく。ブルース編は男の悲哀(酒・女・人生)を歌ったものが中心で、ロックンロール編は少年少女をテーマにした青春もの(学校・夢・車)が多かった。一方ヘヴィメタルの歌詞は、いわゆる悪魔ネタも少なくないが、実は社会的テーマを取り上げた曲から、思った通りのバカバカしく下品な曲まで幅広く、一言では言い尽くせない魅力がある。多くのギタリストが登竜門としてコピーしてきたブラック・サバス、ディープ・パープル、メタリカなどの名曲も、歌詞の意味を知ったうえで弾けば、よりその演奏にも説得力が増してくるだろう。また、本書では曲の世界観を左右するような英語フレーズもバッチリ押さえているので、英語のお勉強にも役立つかもしれない。
さらに本書の目玉として、イアン・ギラン(ディープ・パープル)、フィル・アンセルモ(元パンテラ)、ジェフ・ウォーカー(カーカス)、アレックス・ウェブスター(カンニバル・コープス)、冠徹弥(THE冠)といった著名アーティストの独占インタビュー/対談も掲載。あの名曲たちに込められた真意がいま明らかになる!?
【収録楽曲】
1.「Black Sabbath」ブラック・サバス
2.「Black Metal」ヴェノム
3.「Black Magic」スレイヤー
4.「The Number of the Beast」アイアン・メイデン
5.「Regurgitated Guts」デス
6.「Highway Star」ディープ・パープル
7.「Jawbreaker」ジューダス・プリースト
8.「Unskinny Bop」ポイズン
9.「Cherry Pie」ウォレント
10.「Animal (Fuck Like A Beast)」W.A.S.P.
11.「2 Minutes to Midnight」アイアン・メイデン
12.「Master of Puppets」メタリカ
13.「Greenhouse Effect」テスタメント
14.「Miracle Man」オジー・オズボーン
15.「Hook in Mouth」メガデス
16.「Indians」アンスラックス
17.「Rio Grande Blood」ミニストリー
18.「Microwaved Uterogestation」カーカス
19.「Hammer Smashed Face」カンニバル・コープス
20.「Suicidal Failure」スイサイダル・テンデンシーズ
21.「I Lit Your Baby on Fire」アナル・カント
22.「Mouth for war」パンテラ
編集担当より一言
『歌詞の意味を知ろうと思ったら実際の作者に話を聞くのが一番早い!ということで、著者の川嶋さんが持つ独自のネットワークによって、著名アーティストの独占インタビューに成功しました。
例えばイアン・ギランには、ディープ・パープルの超有名曲「ハイウェイ・スター」(72年作)の歌詞の成り立ちを尋ねていますが、本人も「過去にこんな質問を受けた記憶はない。おもしろい質問だったよ」と語っているように、46年もの間、誰も「高速道路の星」の意味を真剣に考えたことがなかったわけです。案の定、そこにはあまり深い意味はなかったのですが。
ほか、凄惨な事件・暴力などを生々しく叫ぶカンニバル・コープスのアレックス・ウェブスターは発禁問題について、カーカスのジェフ・ウォーカーは楽曲に医学用語ばかりをちりばめるようになった理由を、元パンテラのフィル・アンセルモは歌詞において自らが影響を受けたアーティストについて語ってくれました。
もちろん音楽の楽しみ方は人それぞれですが、歌の内容も分からずに洋楽を聴いているうちは、実は本来の楽しさを半分しか味わえていないのかもしれません。本書を通して、より洋楽の楽しさを感じていただければ嬉しく思います。
(第3編集統轄部/坂口和樹)