渋谷系狂騒曲

街角から生まれたオルタナティヴ・カルチャー

音楽ナタリー(著)

定価2,090円 (本体1,900円+税10%)
発売日2021.03.02
品種書籍
仕様四六判 / 320ページ
ISBN9784845635887

内容

1990年代、日本の音楽シーンで起きたムーヴメントを徹底検証!
当事者のインタヴューを中心に、対談、マンガ、ディスクガイドなど、
多角的な切り口で明らかにする、渋谷系の本当の姿。

1990年代に日本の音楽シーンに大きな変革をもたらした「渋谷系」。その渋谷系カルチャーとは何だったのか、多くの証言者を迎え、多角的に掘り下げた音楽ナタリーの連載コラムを書籍化。一部の原稿は大幅に加筆・修正を行ない、363項目におよぶ脚注を付記、さらに追加コンテンツとして「対岸から眺めた渋谷系の景色」と題した坂本慎太郎のインタヴュー、幅広いジャンルの書き手が参加した「ROOTS OF渋谷系ディスクガイド10×10」、1995年の渋谷の風景を切り取った「A DAY IN SHIBUYA 1995」を掲載しています。

【CONTENTS】
センター街の一角から始まった黄金時代(太田浩 / 佐野郷子)
多くの才能を輩出したネオGSシーン(サリー久保田 / 岡村詩野)
カジヒデキが語る"僕が渋谷のレコ屋店員だった頃"(土屋恵介)
"裏番"會田茂一が語るアナザー・ストーリー(佐野郷子)
ドレスコーズ・志磨遼平が語る憧憬とシンパシー(フミヤマウチ)
対談:LOW IQ 01×松田"CHABE"岳二(土屋恵介)
マンガ家・大橋裕之が描く"僕と渋谷系"
坂本慎太郎が語る"対岸から眺めた渋谷系の景色"(フミヤマウチ)
多彩な才能が集った伝説のクラブ、下北沢SLITS(山下直樹 / 磯部涼)
DJ松浦俊夫が語るクラブ・ジャズ・シーンの黎明期(柳樂光隆)
吉田豪が語るアイドル・ソングとの親和性(臼杵成晃)
韓国のポップ・ミュージックへの影響(長谷川陽平 / 大石始)
岡崎京子と渋谷系のシンクロニシティ(A.K.I.)
小泉今日子が語る"渋谷系の目利き"川勝正幸(辛島いづみ)
ROOTS OF 渋谷系ディスクガイド10×10(関美彦、除川哲朗、宮子和眞、山下洋、フミヤマウチ、荏開津広、藤井悟、黒田マナブ、ジミー益子、DJ EMMA)
A DAY IN SHIBUYA 1995
1990年代生まれが作る渋谷系プレイリスト

編集担当より一言

個人的にも楽しく読んでいたWEB連載の書籍化です。その連載、すなわち本書の特徴は、「渋谷系」をテーマとしながらも多くのトピックを扱っていることでしょう。ネオGS、AIR JAM世代との接点、下北沢SLITS、韓国への影響、岡崎京子、川勝正幸などなど。
多くの原稿において、読んでいて脳内で再生されるBGMは、フリッパーズ・ギターやピチカート・ファイヴというより、むしろ彼らのルーツになった膨大な音楽アーカイヴのほうかもしれません(書籍化にあたり、それらはディスクガイドとしてまとめられています)。
そういったこともあり、渋谷系の楽曲やCDジャケットから感じられた「ポップでオシャレ」な部分だけを期待して読むと、肩透かしを食らうかもしれませんが、1990年の東京で生まれたカルチャーの豊かさを知るには最良のテキストになっていると思います。
(編集担当/服部健)