内容
音楽ナタリー元編集長と8人のキーパーソンによる音楽メディア論
音楽メディアの編集長やライターなどキーパーソン8人に取材を行いながら、現代における音楽メディアの必要性や音楽評論の手法を整理。Webによって音楽メディアはどう変容していったのか、メディアが音楽を批評することの意味とは......「批評をしない音楽ニュースメディア・音楽ナタリー」の元編集長・加藤一陽氏が取材/執筆。ライターの世代交代、編集者の質の変化、ネット/SNSによって既存の音楽メディアに突きつけられた問題点を浮き彫りにしつつ、識者たちが考える「未来」も併せて明らかにします。
Part 1
鹿野 淳 - 邦楽ロック・メディアから失われつつある批評性
Part 2
柴 那典 - 誰が音楽評論を必要としているのか
Part 3
大石 始 - "音楽の外から音楽を見つけ出す"ジャーナリストの視点
Part 4
柳樂光隆 - 『Jazz The New Chapter』という理想
Part 5
石井恵梨子 - 村化していく音楽メディア
Part 6
若林 恵 - 音楽メディアに足りないたくさんのこと
Part 7
imdkm - 切り捨てられるテキストの中に眠る批評性
Part 8
渡辺志保 -『blast』無きヒップホップ・ジャーナリズムの現在
編集担当より一言
音楽情報をフラットに伝えるメディアが支持を集める時代、もはや書き手の視点や考察を織り交ぜた「音楽批評」というカルチャーは不要になったのか?というのが本書の出発点でした。しかし、8人の有識者の方々にお聞きしていくにつれ、音楽批評という枠を超え、音楽メディアとそれを取り巻くビジネス、そして2020年代カルチャーの話へと大きく広がっていき、手前味噌ながらどの方のお話も非常に興味深い! 昨年の段階で、Clubhouseについての示唆があったりジェンダー問題提起があったりと、まさに2021年の日本を表すような内容が随所にうかがえます。ほかにも多くの話題に触れられていますので、ぜひお手に取ってご覧ください!
(編集担当/篠崎賢太郎)