DTMerのためのコード入門

清水 響(著)

定価2,420円 (本体2,200円+税10%)
発売日2022.01.21
品種書籍
仕様B5変形判 / 192ページ
ISBN9784845636846

内容

五線譜が苦手でも、鍵盤楽器が弾けなくても、
自分の手で打ち込めば「コード理論」はしっかり身に付きます!

音楽理論書を買ってみたものの、五線譜や鍵盤楽器が苦手なため、なかなか解説が頭に入ってこない......という経験を持つ人もいるのではないでしょうか? 音楽理論は、自分で演奏して音を出してみることで腑に落ちるもの。本書はDTMに取り組む方に向けて、全編でピアノロールを使用して解説を行いました。ほとんどのDAWに装備されているピアノロールの画面で、マウスなどを使って入力していくことで、本書の解説を再現することができます。五線譜を眺めたり、人が作ったMIDIデータを再生したりするだけでは分からなかったコード理論も、自分の手で打ち込んでいくことで深く理解することができます。あらゆるジャンルの作曲、編曲に役立つコードについて、今こそ基礎から身につけていきましょう!

ピアノロールは無償DAWなどにも備えられているため、鍵盤以外に取り組む楽器プレイヤーの方にもお薦めです。

※本書ではDAW(Digital Audio Workstation、音楽制作ソフトウェア)の使用方法については解説しておりません。ご了承の上、お買い求めください。

【基礎編】
◎1章 音程
1-1 長音程・完全音程
1-2 短音程・増音程・減音程
1-3 転回

◎2章 長調と長音階
2-1 Cメジャースケール
2-2 Gメジャースケール
2-3 E♭メジャースケール

◎3章 ダイアトニックトライアド
3-1 三和音の種類
3-2 三和音によるコード進行
3-3 ヴォイシングの基礎

◎4章 ダイアトニックセブンスコード
4-1 四和音の種類
4-2 四和音によるコード進行
4-3 ドミナントモーション

◎5章 短調と短音階
5-1 自然短音階
5-2 短調のコード進行
5-3 和声的短音階
5-4 旋律的短音階

◎6章 テンションコード
6-1 テンションの法則
6-2 メジャーキーのテンション
6-3 ドミナントコードのテンション
6-4 マイナーキーのテンション

◎7章 メロディの付け方
7-1 コードトーンの使用
7-2 テンションの使用
7-3 スケール音の使用
7-4 非スケール音の使用

◎8章 その他の技法
8-1 和音の転回
8-2 サスペンディドコード
8-3 ペダルポイント

【応用編】
◎9章 セカンダリードミナント
9-1 トニシゼーション
9-2 リレイティドII-7
9-3 セカンダリードミナントのテンション
9-4 セカンダリードミナントの偽終止

◎10章 エクステンデッドドミナント
10-1 ドミナントコードの連鎖
10-2 リレイティドII-7の挿入
10-3 エクステンデッドドミナントのテンション
10-4 ツーファイブの連鎖

◎11章 モーダルインターチェンジ
11-1 ダイアトニックコードの借用
11-2 チャージモードからの借用
11-3 モーダルインターチェンジのテンション

◎12章 モーダルインターチェンジの応用
12-1 リディアンモードの応用
12-2 ミクソリディアンモードの応用
12-3 ラインクリシェへの応用

◎13章 サブスティチュートドミナント
13-1 ドミナントコードの代理
13-2 サブスティチュートドミナントのツーファイブ
13-3 スケール音へのサブスティチュートドミナント
13-4 リレイティドII-7の利用

◎14章 サブスティチュートドミナントの応用
14-1 サブスティチュートドミナントのテンション
14-2 マイナーキーのサブスティチュートドミナント
14-3 サブスティチュートドミナントの偽終止
14-4 ドミナントコードで作られる偽終止の解決

◎15章 エクステンデッドサブスティチュートドミナント
15-1 サブスティチュートドミナントの連鎖
15-2 リレイティドII-7の二通りの挿入
15-3 ルートが半音下行するツーファイブの連鎖
15-4 ドミナント技法の組み合わせ

◎16章 ディミニッシュトセブンスコード
16-1 オグジュアリーアプローチ
16-2 上行アプローチ
16-3 下行アプローチ
16-4 ディミニッシュトセブンスコードのテンション

【発展編】
◎17章 転調
17-1 ダイレクトモジュレーション
17-2 ピボットコードモジュレーション
17-3 ドミナントコードモジュレーション
17-4 偽終止の解決による転調

◎18章 同一種類のコードによる連続
18-1 コンスタントストラクチャー
18-2 コンスタントストラクチャーの起点と終点
18-3 コンティギュアスモーション
18-4 コンティギュアスモーションのツーファイブ

◎19章 コンパウンドコード
19-1 ハイブリッドコード
19-2 非ダイアトニックのハイブリッドコード
19-3 ポリコード
19-4 非ダイアトニックのハイブリッドコード

◎20章 ドロップヴォイシング
20-1 三種類のドロップヴォイシング
20-2 ドロップ2ヴォイシング
20-3 ドロップ3ヴォイシング
20-4 ドロップ2&4ヴォイシング

◎21章 キーボードヴォイシング
21-1 メジャーキーのクローズドヴォイシング
21-2 マイナーキーのクローズドヴォイシング
21-3 オープンヴォイシング
21-4 シェルヴォイシング

◎22章 モーダルハーモニー
22-1 ドリアンモード
22-2 フリジアンモード
22-3 リディアンモード
22-4 ミクソリディアンモード

◎23章 トニックモーダルハーモニー
23-1 ドリアントニックモーダルヴォイシング
23-2 フリジアントニックモーダルヴォイシング
23-3 リディアントニックモーダルヴォイシング
23-4 ミクソリディアントニックモーダルヴォイシング

◎24章 トニックモーダルベースライン
24-1 オスティナート
24-2 ドリアンモーダルベースライン
24-3 リディアンモーダルベースライン

編集担当より一言

PythonでもRubyでも、プログラミング言語学習のコツは「まず手を動かすこと」だそうです。ただ解説を読むだけでは決して習得できず、例示されたコードを自分の手で打ち込んでいった人だけが、プログラミングを身につけることができるというわけです。 音楽理論書も似たようなところがあり、音の出ない五線譜を眺めているだけでは、解説が頭に入ってきません。眠くもなります。自分の手で音を出しながら解説を読むことで、理解が進むのです……だけど、五線譜を見てパッと音を出していけるのは、鍵盤楽器に取り組んでいる人だけですよね? 
そこで作られたのが本書。今やいろいろなDAW(音楽制作ソフト)が無償で使えるようになり、ほとんどのDAWにピアノロール機能が備えられています。これを活用すれば、鍵盤楽器を弾かなくても、音を出しながら音楽理論を学んでいくことができます。DAW上では移調や音の長さの変更が簡単にできますから、学び終わった項目をファイルごとに整理しておけば、コード進行のネタ帳としても活用できるでしょう!
ところで、この本はかなり発展的なコード理論まで扱っていますが、タイトルは「入門」。書物のアイデアはあくまでも入門であって、学んだことを作編曲という実践で使って自分なりに磨き上げていこう!というメッセージが込められている……のかもしれません。(編集担当/橋本修一)