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ストラトとレス・ポールに同じゲージを張ってはいけない理由

〜ギターに潜む小さな物理

西村 秀昭(著)

定価1,760円 (本体1,600円+税10%)
発売日2023.02.15
品種ムック
仕様B5変形判 / 112ページ
ISBN9784845638574

内容

ストラトとレス・ポールに同じゲージを張ってはいけない理由、わかりますか?

ギタリストなら誰にでも弦の好みのゲージがあるだろう。009のセット、010のセットなどさまざまだが、自分に合ったゲージが見つかると、ストラトにもレス・ポールにも同じゲージを張っていないだろうか。はっきり言って、これはNGである。なぜだろうか? また、ストラップでぶら下げた時にバランスよく安定するギターと、ヘッドが下がったり、ボディが前に倒れたりするギターがある。なぜだろうか? これらにはきちんと理由があり、それを知ることでより良いパフォーマンスを発揮することができる。プロのリペアマンは当然、こういった法則を熟知し日々の仕事に生かしているのだが、代々にわたって経験則で受け継がれてきたもので、きちんと数値化されているわけではない。それを科学的に計測し裏付けようとするのが本書。著者が開発した専用計測機を使って、ギターに潜む物理を数値化し、わかりやすく解説する。プレイヤーが本書の内容を理解することで、ギターの構造を正しく理解し、演奏性の向上も望める。2012年からギター・マガジンに連載していた「やさしいギター物理学」を改題、加筆して書籍化。

◎コンテンツ
1.テンションの法則
・弦の張力を測定する方法を考える
・測定する項目を考える
・スケールで張力はどう変わるのか
・弦のゲージで張力はどう変わるのか
・チューニングで張力はどう変わるのか
・ここまでの計測結果の総評
・テンションを理解し、演奏性を高める
・テンション・ピンとブリッジの働き
・ダウンフォースの計測
・スプリング・テンションの計測1
・スプリング・テンションの計測2
・アーミング時に発生する力の計測1
・アーミング時に発生する力の計測2

2.バランスの法則
・ギターの重心点にまつわる物理1
・ギターの重心点にまつわる物理2
3.ギア比の法則
・ギター・ペグの構造を考察する
・ギター・ペグに潜む小さな物理
4.ノイズの原因と対策
・弦アースとシールディングの基礎知識
5.ビレの原因と対策
・ギター調整の基本を知る

編集担当より一言

私がギター・マガジンの編集長だった2012年に同誌に連載していた西村秀昭さんのセミナーを加筆・再編集したのが本書です。西村さんは池袋でリペアショップを営む名物リペアマンで、常日頃、ギター弦のテンションとは何か?について考えているようでした。スケールの長短や弦の太さによってテンションが変わることは大昔から知られていましたが、実際にそれを数値化したものはありませんでした。それなら、専用測定器を作って測ってみたらどうだろう、ということでこの連載は始まりました。その他にもギターという楽器にはいくつもの物理的な法則が潜んでいます。トレモロ・アームに働くテコの原理、ボディに働く重心の原理などなど。そういった小さな物理を知ることで、ギターの構造に詳しくなるだけでなく、演奏性を向上させることもできます。ストラトとレス・ポールに同じゲージを張ってはいけない理由がわからない人は、絶対に読んでください。
(編集担当/野口広之)