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小出斉のブルース雨アラレ~選りすぐりの名盤、迷盤、700枚超のディスク紹介を添えて~

小出 斉(著)

定価3,300円 (本体3,000円+税10%)
発売日2024.09.20
品種書籍
仕様A5判 / 592ページ
ISBN9784845641192

内容

とめどない偏愛が降り注ぐ!
稀代のブルース評論家が書き記した
ギター・マガジンの長寿コラムが単行本化。

稀代のブルース評論家であった小出斉氏が、1993年から2017年までギター・マガジンに執筆した⻑寿連載コラム"ブルース⾬アラレ"が待望の単行本化。四半世紀にも及ぶ全285回の連載を完全網羅し、計592ページにわたってその時々のブルース時事ネタを綴っている。「アルバー卜・コリンズを偲びつつ...」(1993年2月号)、「急逝、 ジョニー・ギター・ワトソンに捧ぐ」(1996年7月号)など、タイトルを眺めるだけで当時の記憶が蘇ってくるが、ブルース再ブームとなった1990年代前半から2010年代までのブルース史を客観的にとらえた貴重な記録集とも言えるだろう。また、生涯現役のブルースマンでもあった小出氏は、ギター1本を担いで全国津々浦々をツアーして回ったが、その際のエピソードも面白おかしく記されており、日本のブルース・ミュージシャンの過酷な実態も垣間見ることができる。もちろん、氏の十八番でなるブルース/R&B関連のディスク紹介も大充実。700枚超のアルバム、編集盤、映像作品などを紹介している。まるで辞典のように重厚な本書は、1000年後の『古事記』、『日本書紀』のような存在になっているかも!?


「小出斉を偲んで by 吾妻光良」より一部抜粋

コイデは1957年新潟生まれ、日本でブルースが一大ブームとなった頃に高校時代を過ごし、1976年に上京し大学に進むとすぐ私のいた音楽サークルに入ってきた。親元を離れて初めての独り暮らし、さて、法律の勉強にいそしむか、という心づもりなどある筈もなく、仕送りが届くとすぐにそれがブルースのレコードへと化けて、食事は数日間牛乳だけ、という時もあった。余談だが、コイデの当時のバンドの広島出身のベーシストは(彼も10数年前に他界)レコードで金がなくなり、チリ紙の天ぷらを食べていたこともあった。当時のコイデの下宿は電話無し風呂無し、トイレ共同の4畳半一間の木造アパートで、何故か外壁が緑に塗られており、友人達からは「ミドリハウス」と呼ばれていたが、その頃はゲームもケータイも、SNSももちろん無い。レコードを聴いてギターを弾くことだけが楽しみ、という時代である。部屋が狭かったからか、ステレオは押し入れの上段に置かれ、スピーカーも当然そこにあった。
なので、友人がコイデの下宿に遊びに行くと、頭を押し入れの中に突っ込んで「チリチリチリ...」というスクラッチ・ノイズにまみれた戦前ブルースを必死になって聴いているコイデに頻繁に遭遇するのだった。

(中略)

コイデが最初にこうした本に原稿を書いたのは、1981年の12月、当時の『ザ・ブルース』にジョン・リトルジョンの来日レポートを寄せた時だったそうだが、その書き出しは「初めまして、ブルーヘブンの小出です」だったそうだ。そのブルースに対する緻密かつ愛情あふれた筆致で、文筆家としてどんどん認められる様になっていったが、この本の中にはレコードの話と同じぐらい自分のライヴやツアーの話も出てくる。本人的には「ツアー・ミュージシャン」としての自分を一義に考えていたのかも知れない。ただ、この連載を始めた頃は既にギタマガにも色々と書いていた筈で、今更自己紹介というのも...、ということで冒頭の様な書き出しになったのだろう。「好きな音楽で食べていく」というのは並大抵のことではないが、改めて考えるとコイデの人生はまさにそうだったのではないか。決してそれは楽な道では無かったかも知れないが、この本の中に、その音楽に対する高校生の頃から変わらぬ深すぎるぐらいの愛情と懸命な努力が刻み込まれているのだ。


◎コンテンツ

1 ブルースの魅力
2 春うらら
3 ワン・マン・バンド
4 ブルースの底力
5 アーフーリー
6 ライノはエライ!
7 ニューオーリンズあれこれ
8 ザ・ワークス・オブ・アラン・ロマックス
9 アルバー卜・コリンズを偲びつつ...

10 サインはV! でVJレーベルの巻
11 ブルーな小出のブルース懺悔日記
12 めでたし! チェス名盤がどどっとリリース
13 祝・チェス名盤リリース!...その2
14 ジョン・リトルジョンを偲ぶ
15 渋くも充実したリイシューあれこれ
16 クーラー禁止の灼熱CD!
17 涙の渇水ツアーでレコード店巡り
18 ブルースとゴスペルの遠くて近い関係
19 L+R盤はジャケットで買うべし?
20 黒人音楽ファンへのボーナスだ!

21 新年早々、モダン・ブルース6連発
22 〝再発見〟後のカントリー・ブルース
23 ひと味違うコンピレーション
24 ちょいマニア向けのシカゴ系
25 追悼サニーランド・スリム
26 ど南部~ミシシッピ特濃ブルース6本立て
27 モダン・ブルース、ベテランと若手と
28 時には巨人たちの名演を聴き、基本に帰るのだ
29 時には巨人たちの名演を聴き、 基本に帰るのだ~Part・2
30 台風一過の来日ラッシュ~巨人シリーズ最終回

31 秋の夜長にお薦めのアルバム選
32 遂に完成! 究極のブルースCDガイド本
33 ああ驚いた! ロックウッドのバック・バンド体験記
34 ジョニー・ギター・ワトソンのDJM時代を聴け!
35 来日切望ブルースマン特集
36 嬉しいモータウン・ブルース再発3連発!
37 アリゲーター創立25周年、おめでたや
38 急逝、 ジョニー・ギター・ワトソンに捧ぐ
39 ヤズー編集盤で聴く〝ブルース以前〟のブルース
40 キング・オブ自主制作、ビッグ・ジェイ・マクニーリー

41 南部魂炸裂! ジェイムズ・ピーターソンの新録
42 秋の夜長は 〝チェス・ブルース・コレクション〟
43 〝チェス・ブルース・コレクション〟で聴くシカゴ・ブルース
44 ウエスト・コースト系を聴きながら、 良い年を迎えたい
45 感動のパークタワー! 雑誌宣伝もしちゃうよん
46 今月はCDでライブを堪能してみましょ
47 アタリもハズレもある、 ライブ盤って奥が深い
48 おっちゃんの逆襲!は、なぜかとっても味わい深い
49 桜が散ってもまだ続く、オヤジの逆襲パートⅡ
50 ファンクな若者もいいが、やっぱりすごいキャノン翁

51 ライブで感激!でもそのあとに待っていたのは...
52 〝責任者出てこーい〟と叫びたいアルバム特集
53 最近ハマッてるのは、なぜかオーティス・スパン
54 アリソンの冥福を祈りつつ、彼の遺産を聴く
55 ウシャコダにカーター・ブラザーズ。早く観たい!
56 スティール・ギターの音色に身をまかせ...
57 マクスウェル・ストリートの音楽は死なない
58 パークタワーが終了し、新しい世代へと目を向ける
59 生き続けるブルース・スピリット
60 ブランド一色に染まる

61 涙の2度目の原稿
62 血圧がアップ&ダウンするサウンド
63 タジ・マハール発見!?
64 ライブで聴きたい極上のサウンドたち
65 終われないライブと困った親父たち
66 パークタワーが待ちきれない
67 秋の夜長のほっこり味
68 ぎりぎりセーフ
69 やめられません、パークタワー
70 波乱万丈のパークタワー・セッション

71 寂しさを吹き飛ばせ
72 世紀末のブッ壊れブルースマン
73 観れなくてもやっぱり気になるカーニバル
74 四半世紀の時を経て蘇るストリート・サウンド
75 ジメジメ、ムシムシの天気に一撃
76 日本の夏より暑いスティール・ギター
77 秋の夜長はクラプトンとディラン
78 秋風とともに一段と身に沁みるブルース
79 12月はブルース月間
80 なんで、そ~おなるの?

81 聴けば聴くほど味わいと謎が...
82 いやぁ、失礼しました
83 いよいよ春間近! お姐さま特集
84 規格外ブルース・ミュージシャン特集
85 究極のセッション盤&トリビュート盤
86 頑張れ! ブルースマン
87 老いてなおますます盛んなB.B.御大
88 びっくりしたなぁもう
89 暑い時には、ねっとりぐっちょり、南部ブルース
90 衝(笑)撃のバンド〝萬屋ぶる~す商会〟

91 思わず我が身を振り返ってしまった20周年
92 東北では「レッツ・ツイスト・アゲイン」が定番なのか!?
93 21世紀のブルースを背負って立つのは君だ!
94 雪は降れども、ブルース雨アラレ
95 テラーク・レーベルの新録&旧譜が日本盤で続々登場!
96 いいわー、濃いわあ、ミルトンのブルーズン・ソウル!
97 小学生の女の子がTボーン・ウォーカー弾き!
98 おおっ、こんなところにあったのか!?
99 カッコイイ不良じじいミッキー・カーティスさん
100 暑い!熱い! ダレ気味なところをしゃきっとさせる2枚

101 『わんわん忠臣蔵』事件積年の思い晴れる
102 悪魔の館か?! ハーモニカ合宿
103 映画とブルースとスキップ・ジェイムス
104 図太さあってこその新しい時代のブルース
105 あ~、切ない、この響きジミー・ヴォーンの新作
106 12月21日の出来事そして、行き場のない怒り
107 人間辛抱だ!心温まる奇跡のアルバム
108 トンネルを抜けると......春の思い出、渋い名盤
109 わが道をいくという行為はかくも尊いのか!
110 30年の沈黙を破り50年代伝説のブルースマン復活!

111 ワールドカップの影響も!?仙台音楽紀行
112 もしや電話の相手は......夏の夜の怪談
113 日頃の練習は大事だなあとレコーディングで痛感
114 大丈夫か、オレ......カツを入れてくれる2枚
115 ブルース好きなら絶対に足を運んで損なし!
116 JB人形に驚く石和温泉のブルース・バー
117 80歳を超してのすごい新作!この元気あやかりたい
118 オッと、ヒャヒャヒャ......無法状態 タダモノではない
119 ブルースを吹き飛ばすための歌それがブルース
120 父ちゃん浮気、でも母ちゃんもブルースやのう

121 ブルースメン・イン・ジャパンライブで得た何よりの財産
122 ボブ・マーリー特集連動(?)ブルースとレゲエの親和性
123 大学の講義がライブ?!そういう時代になったのね
124 B.B.78歳! ブランド73歳!鳴呼、ありがたやありがたや
125 今年のベスト1は、これで決まり!
126 オレは今、猛烈に感動しているっ!悶絶DVD2枚!
127 お前らに自由はないんじゃ~い!すべて規則じゃあ~!
128 気をつけよう!エビとトマトのブルース
129 2003年のベスト・ライブ2004年もブルースを
130 三つ子の魂百までオールド・パワーに圧倒されて

131 映画『永遠のモータウン・サウンド』涙がじわっ......
132 クラプトン、エアロがブルース・カバーおっとどっこい! な2004年春
133 過酷なツアー→レコーディング。辛くも楽しく、手応えあり
134 ハウンド・ドッグのアレに驚き3連こんな驚き、何度でも味わいたい
135 ラッシュ、ありがとうでも、言わせていただきたい
136 ブルース・ムービー見るべし〝義務だ〟と言ってしまおう
137 リトル・ジョー衝撃の再来日!ブルースに新しい風が!?
138 9泊7ライブの東北ツアーやっぱり日本は広かった
139 台風と遭遇、厳戒態勢強風吹くツアー日記
140 レコーディングも気合いだあっ!!ゲイトと対極。でも、いいの

141 ビア~ッチ! 口惜しい。でも名演ぞろい。フフフ......
142 焼きたてもみじ饅頭と塩味ソフトクリームの年始
143 ジャングル・ホップの初CD いよいよ、発売です
144 春めいた、うららかな日の予期せぬ出来事
145 〝太く短く〟もいいけれど 生きているうちが花なのよ
146 秋田の小学校でなぜかサイン攻め
147 男4人にダブル・ベッドがふたつ
148 機材車に米と酒を積み込んで
149 リトル・ミルトン急逝 アルバム聴くのが供養です
150 暗い話題も多いけど通算150記念

151 来年3月発売予定!とプレッシャーを与えつつ
152 年末を乗り切るラッシュのライブ決定盤
153 ネズミ駆除でハッカ・ハイ
154 わずか2500枚のヨロコビ
155 宝くじに当たったら......
156 今回はちょっと昔のお話
157 ロックなブルース?ブルースなロック?
158 コレクターの悲しい性
159 スリッパのブルース
160 加齢臭のブルース(変換によっては彼異臭)

161 親父を超えるか!? 2世ブルースマンの話
162 ヒップホップにもブルースの魂!?
163 ウォーキング・バイ・マイセルフ
164 今回は来日記念あの人の幅広いルーツのもと
165 とりあえずしぶとく今年も頑張んべえ
166 ムチャ聴きリスニング・ライフ
167 天むすのまち
168 カルロス・ジョンソン来日裏話
169 これぞ男気!? ドロドロの珍盤を肴に
170 梅雨明けまで、我慢の子(家庭内風邪連鎖)

171 部室と学生とワタシⅡ
172 BREAKIN'IT UP,BREAKIN'IT DOWN
173 ちょっと遅れたけど、ブルース・カーニバル観戦記
174 またちょっと遅れたけど、チェスお宝音源のご紹介
175 音の暴力
176 嗚呼、永遠の亜土ちゃん
177 それが人生
178 アイク・ターナー追悼
179 寝オチのブルース
180 頭を垂れざるを得ないライブ盤

181 必殺! 仕事人
182 小出日記その182 郵便受け荒し顛末記
183 平成生まれにボ・ディドリーの話を
184 桃源郷!? その名も『キングB.B.』
185 オリンピック終わりの平穏無事な9月
186 職務をおっぽり投げず83年と72年
187 偉大なるボ・ディドリー
188 伸ちゃんとの思い出
189 ぜひ、日本でも公開を
190 冴えなまくりの09年

191 音の違いが聴こえてくる
192 ほのぼのとして良かったなぁ
193 ボックス・セットが掌に乗る時代
194 今年のベスト・アルバムと断言しちゃいます
195 行ってきました。3連発
196 ゴツンどてんバシン
197 お盆には帰郷するのです
198 フレディのギターで、前歯のこともしばし忘れる
199 歳をとることも、悪いばかりじゃないね

200 B.B.46歳、男だねえ
201 亡くなってからじゃ遅過ぎるんだぜ
202 久々にハラハラどきどき
203 音で会話できるのがブルースの良さである
204 奥さん、大王が初来日ですよ
205 後悔先に立たず
206 ハーピストの食欲
207 山でピンチになったら
208 夏場ツアーの着替え
209 驚愕の片腕ドラマー
210 テキサス・ブルース我慢大会

211 画期的ギタリスト・ベスト10
212 風邪に効くルーツ・ミュージック
213 三つ子の魂、百までなのね
214 同窓会で弾き語り
215 マイ・ブルース恩人への伝言
216 伝播していくチカラ
217 タワリシチ!
218 テキサスとSRVを愛する男、Kouichi
219 生誕100周年
220 すっきりしない宣言!

221 名前は冬でも暑い男の新作!
222 クロッパーのルーツ回帰作
223 熱湯コマーシャル
224 マジック・サムです
225 ヒューバート・サムリン逝く
226 ヒューバート・サムリンの映像
227 デジャヴなMC
228 第二回ジョニー・ウィンター祭り
229 わが道を行く 472
230 Blues fall down like hail

231 生きてるうちが花なのよ
232 腰が要
233 親戚関係ブルース
234 実を結ぶ秋
235 オースティンの重鎮、W.C.クラーク
236 ライトニン・ホプキンス 生誕100年!
237 B.B.に悶絶!
238 ライトニン・ホプキンス祭
239 続テキサス・ブルース
240 真昼のジョージ

241 祝20年!
242 CGB
243 ブルースマンとバタヤン
244 カッキィ~ブルース・ボックス
245 急がば回れ
246 B.B.から始まった
247 妄想ディスコグラフィ
248 驚いた!
249 人生いろいろ
250 音楽人生の節目

251 エネルギッシュな重鎮
252 デルマークの再発が続々
253 世界に誇るライブ・イン・ジャパン
254 歓迎、価格破壊CD
255 黄金のメロディ
256 追悼ジョニー・ウィンター
257 夏の自由研究
258 ジャズ・ギターとブルース・ギター
259 夢の超特急
260 ジョン・プライマー再来日!

261 夢の超特急
262 プロの仕事
263 2015年注目の逸品
264 JB祭り
265 ボズ・スキャッグスの首尾一貫
266 B.B.キングに捧ぐ
267 インタビュー with B.B.キング
268 ラヴ&ピース!
269 滲み出るブルースの重み
270 ブーイングも愛してる
271 〝教える〟のではなく〝伝える〟ということ
272 私のギター変遷回顧録
273 空前絶後のB.B.キングのボックスに降参
274 乾燥肌にはぎっとりと脂ぎったブルースを
275 マニアック(?)にこだわりたい差異
276 春は別れと出会いの季節
277 現代ブルース・シーンの最注目株が来日
278 ミュージシャンの急逝とリスペクト
279 プリンスとブルースの関係
280 〝継続は力なり〟

281 真夏の原点話
282 新しいことへのチャレンジ
283 ベテランが見せるブルースの生命力
284 ローリング・ストーンズとブルース
285 ブルース雨アラレ

特別寄稿