内容
“黒手塚”の深い闇ーーーその深部に迫る問題作が、
雑誌連載当時のオリジナルの形で初単行本化!
1970年12月から翌年6月まで『少年チャンピオン』誌に26回にわたって連載された『アラバスター』は、手塚治虫の"ダークサイド"を作品に昇華させた"黒手塚"の代表作。しかし、単行本化にあたっては、主人公の設定やコマ割り、セリフなどが大幅に変更され、改変箇所は実に200ページに及んでいる。本書では、同作をカラー頁や扉絵も含め、雑誌連載当時のオリジナルの状態で初単行本化。巻末には関連資料も掲載した。
本作の主人公は、F光線で体が半透明化したことから、自身の醜さゆえに美しいものを憎み、「畸型城」をアジトに破壊工作を繰り返す怪人・アラバスターと、呪われた出自を持つ美少女・亜美。物語は彼らを取り巻く人々を巻き込みながら、悲劇的な結末へと導かれる......。
作品の主題となるのは、人間の奥底に潜む「復讐/憎悪」の心と「歪んだ愛」。欲望が渦巻く世界で翻弄される人々の運命を描いた問題作!!