内容
原画散失のために刊行不能だった
池上遼一の幻の週刊誌デビュー作がここに甦る!
1968年に『週刊少年キング』に29回にわたって掲載された『追跡者』(原作/辻真先)は、池上遼一の記念すべき週刊誌連載デビュー作。しかし、原画が行方不明という憂き目に会いこれまでコミック化は実現せず、ウィキペディアにも記述が無い「幻の作品」となってしまいました。
物語は、偽証で父を無実の罪に陥れた3人の男――祖父江、堺、里見。彼らを追って秋田県から上京した少年・峰三郎は、青年・南郷とその女友達・カオルに見守られ、さまざまな事件に巻き込まれながら敵を追い詰めるのだが......というサスペンスフルなもの。当時の読者を驚かせた衝撃のラストまで、息もつかせぬ演出が繰り出されます。
今回は、その『追跡者』を掲載誌から丁寧にスキャンすることでついに初の単行本化、その全貌が実に50年ぶりにあらわになります。日本の漫画界でも1、2の画力を誇る池上の、最初期の商業作品に見られるさまざまな表現技法は、読者に新鮮な驚きをもたらすことでしょう。
また今回は、同年に『週刊少年キング』に掲載された短編『拳銃野郎』も収録し、50年前の池上ワールドを500ページ近い大ボリュームでお届けいたします。
●収録作品
追跡者
拳銃野郎
辻真先+池上遼一対談