内容
「役者に賭けてよかった、悔いはねえ!」
萩原健一=ショーケンが遺した傑作インタビュー集
2019年3月、ひとりのスターが急逝した――萩原健一、愛称・ショーケン。ミュージシャンからキャリアをスタートしながら、伝説的ドラマ『傷だらけの天使』をはじめ多数のTVドラマ、映画で俳優として活躍していたことはご存じの通り。神代辰巳、深作欣二、工藤栄一、鈴木清順、中島貞夫、そして「世界のクロサワ」黒澤明ら、名だたる監督との仕事を通じて研ぎ澄まされていったその俳優論・映画論は、『キネマ旬報』『STUDIO VOICE』に遺されたインタビューで生々しく吐露されています。ショーケンは映画と相思相愛、映画から愛し愛された。だったら俺は映画をとことん、楽しみ尽くしてやる――映画のプロ=萩原健一のそんな想いが、迸っています。また深作欣二、工藤栄一、岸田今日子、井上堯之、大野克夫ら『傷だらけの天使』を共に作り上げた盟友たちの証言も併録。表現者・萩原健一のイメージを立体的に照らし出します。
【CONTENTS】
PART1 ショーケン、語る
「神代さん、黒澤さんだったり深作さん......そういう凄い、いい時代を乗り切った監督さんとは、ほとんどやってるんじゃないかな」
PART2 傷だらけのショーケン=木暮修を語る
「ショーケンの歌と芝居には、情念の躍動があると思うんだ」深作欣二
「ショーケンは感情というか感性が鋭いから、テンションが上がったところでパーンといっちゃうんだ」工藤栄一
「テンプターズの時からショーケン好きでした」岸田今日子
「パワーとか輝きとか、ショーケンは僕にないものを持っているよね」大野克夫
「ツーアウト満塁でバッターボックスに送り込む監督みたいなもんです、ショーケンは」井上堯之
PART3 ショーケン、ふたたび語る
「今年の目標は『キネマ旬報』の男優賞をとることです」1973年9月
「オレが出たら、何でも当たるというような役者になりたいなあ!」1975年3月
「武士に二言はねえ!」1987年11月
「何かいいとこ見せようなんていうさ(笑)、安っぽい気持ちがなくなっただけいいね」1982年9月